人生の目的は、やさしい世界をつくること。
千葉県の画家の育色さん、いくちゃんが我が家へやってきた。
私が休職している職場に絵を描きにはるばる1200キロの距離を運転してやってきてくれた。
いくちゃんが最近、色んな人に聴く質問があるという。それは……
「YOUは何しに地球に来たの?」
という質問だ。
👽ん?
宇宙人👽👽👽???
思わず笑ってしまう質問だけど、何だか私も答えたくなっちゃって、自分の奥の奥にいる「小さなわたし」に尋ねてみた。
「私は何のために地球に来たの?」
すると、スッと降りてくる言葉があった。
「やさしい世界をつくるためだよ」
やさしい世界。
そうだ、私はやさしい世界をつくるために生まれてきた。地球にやってきた。
なんだかそんな気がした。
でもすぐに、「現実」の人間の私が邪魔をする。
「優しい世界って、ふわふわしててよくわかんないな。現実はそんなに甘くないんじゃない?」
そして、心がキュッと苦しくなった。
いくちゃんとの1日目の旅が終わって、海の町から家に帰る時、車の中でその話になった。
「いくちゃんのあの質問に自分なりに答えてみたんだ〜。なんかね、やさしい世界をつくりたいって思ったんだよね。何だそりゃって感じだよね。あはは」
そんなことをいう自分が恥ずかしくって、自分で笑っちゃった。
「なんかさ、そんなの現実的じゃないかもしれないし、無理かもしれない。でもさ、自分が思うような世界、つくれるんだって…思って……」
急に涙がドッと溢れた。
もう、続きは言葉にならなかった。
いくちゃんが優しく優しく頭を撫でてくれた。
「できるよ。きっと、できる」
車の後部座席で、涙が次々に溢れた。
「花ちゃんの夢を絵にしよう」
そう言って、いくちゃんが紙と色鉛筆を出した。
私の夢は……
自然いっぱいの場所で、大人や子どもがやさしく笑っている世界をつくること。
そう伝えると、いくちゃんの手がするすると動き出した。そして、あっという間に、こんな絵が目の前に現れた。
なんて美しい。
なんてかわいい絵なんだろう。
吸い込まれるように、ずっとみていた。
「右下に何か言葉を入れるんだけど、何がいいかな?」
名前でもいいし、日付でもいい。
ふわふわ……
世界……
「あ、やさしい世界がいい」
はっきりとわかった気がした。
私が求めている場所のイメージ。
思いやりが溢れる場所。
そこでは、物も人の気持ちもエネルギーも自然に循環していく。
誰も頑張らなくていい。
頑張らなくても、川の水が流れるように、自然が巡り巡っていくように、すべてがまわっていく。
優しさが優しさを生み、
そして、人は癒され、幸せに満ちてゆく。
そんな場所をつくりたい。
私の人生の目的は、そんなやさしい世界をつくること。
もう、自分で自分を笑わない。
もう、無理だなんて思わない。
言葉にすることで、人に伝えることで、私が私でいることでその世界をつくろう。
迷ったときは、この絵を見ればいい。
いくちゃんにもらった、最高のプレゼントだ。