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17年の年月を経て、塾の生徒との再会。

17年前、私は大学生だった。(歳がバレます)

自分が中学生だった頃に大好きで通っていた個人塾でバイトをすることになってウキウキだった私。

その小さな個人塾は、当時は塾のおじちゃんとおばちゃんと娘のお姉ちゃんの家族経営の塾だったけど、私が高校生の時におばちゃんが亡くなって。
今はおじちゃんが一人で塾をしていた。

アルバイトを募集しているという噂を聞きつけて、塾に行った。
おじちゃんの案内で家の2階行くと、中学1年生から中学3年生の子どもたちが数人。みんなすごくかわいい。

それからそこで一年半くらい働いただろうか。
国語や数学を中心に授業や個別指導をしていたと思う。

そんな中で妙に「心の勉強」をしたがる私がいた。
「今日は勉強をやめて、このことについて考えようよ!」
なんて、急に授業を辞めて、松岡修造みたいになって熱く語っていたのを覚えている。ちなみに内容は全く覚えていない。

そして、みんなで思い出を作ろうと
長期休みには車で片道1時間半かけて遊園地に遊びに連れて行ったりもした。

ずいぶん自由な塾講師だったな〜と思う。

その時、中学生だったゆかちゃんと数年前からインスタグラムで繋がっていた。

数年前に「結婚しました!」という報告を見て「大きくなったな〜」と嬉しくなったり、次には「子どもが産まれました!」の投稿にびっくりしたり。

お互い大人になると、年齢が意外と近かったのだと気づく。
あの頃大きく感じていた7歳差は、大人になってからはすごく小さなものになっていた。

鹿児島に住んでいたはずのゆかちゃんから
「先生、実は4月から大分に住んでます!」
と連絡が来たのは最近のことだった。

転勤で大分に来たばかりとのこと。
「会いたいね!」
と話して予定を合わせ、ようやく会えたのが8月の頭だった。

2歳の可愛い男の子を連れて、すっかりお母さんになったゆかちゃん。
17年ぶりに会ったのに、面影もキャラクターもそのままで、まるで中学生の頃のゆかちゃんが赤ちゃんを連れてきたような感じだった。

お互いに今までの人生がどうだったのか、取り留めもなくお喋りした。

一緒に近くのピザ屋さんに歩いて行って、美味しいピザを食べた。

17年前は、こうして大分の地で再会するなんて思ってもみなかったな。
でも、時間が経ってもこうしてあの頃と変わらず会えることがとっても嬉しかった。

「そういえば、最近めぐちゃんとzoomしたんよ」

そう。不思議なことに、ゆかちゃんと再会する数日前にもう一人の塾の生徒ともオンラインで再会していたのだ。

その子は、結婚式にも行って、私の子どもが産まれたときにも会っているから17年ぶりではなかったけれど。

「先生、今度養護教諭の教員採用試験の面接があるので練習してくれませんか?」

そうめぐちゃんにお願いされて、手厳しい(笑)面接官をしたばかりだった。

「めぐちゃん、合格するといいですね〜」


小さな個人塾で出会った私たち3人の人生が
また緩やかに繋がりだしたんだな。

今度は熊本で3人で会おうか。

「先生」なんて最近は呼ばれないけれど、懐かしくて、少しだけ嬉しい響きだなと思った日だった。


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