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外資系エンジニアリングマネージャーの仕事術(5) Awardを最大限活用する

Award(社内表彰制度)の機会は最大限活用しよう。

  1. Awardに推薦する機会があれば毎回必ず出そう

  2. Awardを受けた社員がいれば、お祝いを伝えよう

1について。Awardのよくある例はマネージャーがメンバーを推薦し、より上位のマネージャーが選定する、というものであろう。タイミングは四半期に1度、1年に1度などAwardの「格」によって色々あるだろう。私のおすすめは、四半期に1度くらいであれば必ず1つは自分の課から推薦を出そう、というものだ。仮に10人の社員がいるとすれば、四半期に1度だと1人あたり2.5年に1度、Awardに推薦されることになる。そのくらいの頻度ではAwardを受け取ってほしいと思うだろう。3ヶ月に1度の機会を逃さないように、メンバーの仕事にいつも目を光らせておくのが大切である。このような目でメンバーを見ることは、Award推薦以外にも、日々の1on1で感謝を伝えるときなど、効用が多い。また、「この程度の功績ではAward受賞は認められないのではないか」と過小評価しなくてもいい。それを決めるのは上位マネージャーの役割だし、選定基準は年間でばらついたりもする。あるタイミングにAwardを推薦してダメでも、別のタイミングに出すと通ることもある。通ればしめたものだ。昇給昇格はとても大変だが、Awardはマネージャーにとっては無料で出せるボーナスのようなもの。最大限活用しよう。

マネージャーは、メンバーがいつAwardを取ったか、メモして覚えていくと良い。メンバーの側は「自分がいつAwardをとったか」ということは、よく覚えているものだ。他人がAwardを取れば羨ましくなり、「なぜ自分の仕事はAwardをもらえないのか」「重要な仕事をしていないのではないか」と考えたりもする。一方で、マネージャーのほうは1人1人の分までは覚えていることは少ないだろう。メモを取るようにしておき、何年もAwardを贈っていないメンバーは考慮に入れるようにしたい

2は、Award受賞の機会のメリットを何倍にも膨らませるためのアイディアだ。たとえば部門の全体会議で自分のメンバーが受賞したら、そのときに拍手するだけではなく、課内のメールで受賞のお祝いをする、自分の課内会議であらためてお祝いをする、など、何度も祝意を伝えよう。メンバーはAward受賞についてマネージャーがどう思っているかも気にしている。マネージャーが心から喜んでいてくれれば、受賞してよかったと思えるだろう。また、他の課内会議などで他のメンバーからも祝ってもらえれば喜びもひとしおである。

加えて、自分の課のメンバー以外の社内の知り合いが受賞した際にも個別でお祝いをしておくのが良い。これは、過去に作った人的ネットワークを温めるのに役立つアイディアである。外資系企業の場合、海外のメンバーとは、とあるプロジェクトで関わりがあっても、その後の仕事によっては何年も顔を合わせる機会がないわけだが、1年に1度くらいメールなりチャットのやり取りをしておくと関係性を続けることが出来、その後何かあった際もスムーズに仕事ができる。助けてもらえる。その関係性を温めるにあたって、Award受賞のお祝いメールはこの上ないツールになる。「おめでとう!さすがだね!」と一言送るだけで効果は抜群である。受け取った相手は嬉しくないはずがない。

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