【この世の中はクレイジー】②
備忘録 〜従姉妹編 その2〜
亡くなった従姉妹とその母親について考えていた
「危篤の知らせ」の巻
ずっと前のこと、今より若い私は三人の子育て真っ最中だった。毎日が息つく暇なく幼い子たちや嫁ぎ先の手伝いに明け暮れていた。その日も同じように慌ただしく朝食の準備をしていて、皆が食卓に着いた頃だった。珍しく朝早くから電話が鳴って出ると実母からだった。
「R子ちゃんが危篤なんだって。◯◯総合病院の集中治療室にいる。あなた行ける?」
「え、どういうこと??」
「昨日の晩、トイレで倒れて運ばれたそうなのよ。ヤスシ(おじ)から今泣きながら電話があって。」
兎にも角にも私にとって大事な妹分であった。けれどもそれまで彼女とは3年ほど疎遠になっていたのである。それだけに何がなんだかわからずも、夫に子供達を登園登校させてもらうよう頼み車に乗った。
ー彼女とは私が結婚前まで一緒に暮らしていた。
私が結婚してからは、アルバイトをしながら一人で暮らしていたが間も無く実家へ帰り、おばの知人の息子さんと結婚したが1年で離婚、その後また実家に戻っていた。
学生時代は私を見下すような発言があってつきあいにくさもあったが、彼女が離婚してからはとても私に親切で好意的になっていた。私にとっては妹的存在に変わりないのだが、彼女も大人になったくらいに思っていただろうか。
そんなつきあいの中、彼女が突然暗い声で電話をしてきた。
「お見合い話が進んでいて親は喜んでる。でも何か引っかかっていて悩んでる」
よく聞くとお相手は地方の裕福な家庭の人で、結婚は2回目、子供も一人いると言う。しかし、奥さんが引き取っているから当人は独身と変わらない生活をしている。何度も会って、この人でいいと思うけど、何かひっかかると言うのだ。
彼女の話をよく聞いて、直感的に「危ない。」と思った。
おじに電話をして結婚をとりやめるように説得したが、もちろん激怒され
私と従姉妹の家族はそれから疎遠になってしまった。
結婚してから一度彼女と連絡を取ったのだが、とても高慢な雰囲気になっていて
また私を馬鹿にするような発言をする彼女に戻っていた。
彼女は高級住宅街に住み良い生活をしているらしかった。
元々の生活の何倍も経済的に余裕のある暮らしだったと思う。
病院に向かう車の中で
「R子、私が行くから待ってて、必ず助かるから。」
そんな気持ち一心だった。できるだけ急いで1秒でも早く着きますようにと車を飛ばした。
その3に続く。