アイスクリームの一生(ネタ回)
アイスクリームの朝は早い
朝早くに起き、自分が食べられるため、死ぬために、生を全うするため、並べられる
右を見ると、前を真っ直ぐ見ているバニラアイスクリームちゃん
その気高さに嫌気がさして、顔を背けるとそこには優しい顔をしている抹茶アイスクリーム君
こんにちは、元気?と何でもないことを聞いてくる
元気だよ、と口を動かす
けれども、声は一向に出ない
段々人が集まり始め、終わりの時が近づいてきている、バニラアイスクリームちゃんがオーナー(店員さん)によって売り飛ばされるのが見えた
バニラアイスクリームちゃんは覚悟がともった目をしていた
最後、バニラアイスクリームちゃんはとても美しく、その生を散らした
何だか急に淋しくなり、上を見ると大きなスプーンがあった
そのスプーンにすくわれたとき、
自分は救われたのだ
新しいアイスクリームの朝が、始まる