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〇第59回議論「高校教育課程における『地理総合』・『地理探究』開設の実態」(報告者「地理総合」研究チーム )

 第59回は「地理総合」研究チームから、兵庫県内の公立高校で新課程における社会系科目の実施についてアンケート調査した結果を報告していただきました。


兵庫県では理系は地理、文系は日本史・世界史という棲み分けがされているという旧カリキュラムの傾向が新カリでも引き継がれており、東日本との違いがみられるそうです。


兵庫県や関西の受験対応の実態がうかがえます。


また地理専門教員の不足や教材についての課題を挙げている方もいるということでした。


進学校では単位数の関係から地理総合で探究中心の授業が行われ、地理総合の趣旨が活かされないことも懸念されます。


そこでコア教材の提案もされていました。


最後に失敗を恐れずアクティブラーニングに取り組むことを進めてくださいました。


【以下、議論】
・地理総合で必ずやったほうがいいことは?
→考え方・資料の扱いは地理総合の分野。仮説をたてて検証は総合の範囲かな。


・地理総合の方が探究的なことをしやすいのではないか。必修科目なので市民として必要な力をつけるという考えで授業をつくる。


・コア教材は中項目レベルのいい問いをつくることで長く使ってもらえるものになる。


常に問いを考えることでいい問いができる。

生徒に作らせるのも教員とは違う視点でいいかもしれない。


・地理総合で地理必修化は地理復権の最後のチャンス。


・資料や教材が専門家から出ている。
専門外の先生もチャレンジして地理の楽しい授業をつくってもらえたら。


・地理の先生が少なく、若い先生が経験を積む名目で地理を持つことが多い。


・地理を学んできた先生が少なく、地理に対する苦手意識につながっている。


・受験を意識するかどうかで地理総合の開講年次や地理探究の開講有無や文系でも選べるかどうかが違っている。



・地理総合と地理探究の違いは、総合の方が主題学習、探究が系統的学習がメインになってくるところではないか。


・GIS・国際理解・防災の3本柱は他科目でやってないのでそこを意識する。


・1年生で地理総合を学ぶメリットは、地理を学びたいと思う生徒が増えるきっかけになる(これまでは選択者だけだった)


・地理総合で行う内容について大学などの外部機関が教材提供を勧めて目的を実現していく一方で、地理探究の内容にすり替わる(大学受験のために)可能性があるというギャップを少しずつ改善していく必要がある。



・公共と地理総合がコラボすると現実を勉強することになる


・歴史と地理を結びつけてどういう授業ができるか


・地理総合は、最後の地理を学ぶ機会となる生徒も多い。

・みんなに地理でつけたい資質は何か?を議論しながら考えていく。開かれた問いを大事にしながら授業を組めるとよい。
参加者22名

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