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第32回議論「理論を用いた社会的な見方・考え方に関する授業試案」 (「公民」研究チーム)

第32回は「理論を用いた社会的な見方・考え方に関する授業試案」というテーマでご報告をいただきました。

社会科学における概念・理論とは何なのか、という部分のお話から、実際に授業ではどのように概念をおさえているのかを生徒たちの記述などを基に紹介してくださりました。
その後、報告者の実践について話し合い、私たち自身が概念・理論についてどのように向き合っているのかを議論しました。

【議論の内容】
・実践によって「ねらい」は達成されたのか、結果的に迷惑施設を遠ざけるやり方を考えてしまっていたのではないか。
・どこを落としどころにするのか。(自分自身の問題に対するスタンスを持つところまで目指すのか、こういう問題は難しいよね、という段階で終えるのか)
・囚人のジレンマを使って概念理解を図ろうとするが、やはり生徒の概念理解は難しい。
・生徒がもやもやしながら終えるのは良いのでは。教員はどうモヤモヤしているのかをフィードバックしていくことが大事。。モヤモヤするということは自分で考えようとしている証拠。では、「考えること」を放棄してしまうとき、独裁が良いのではという議論になってしまうかも。生徒には考えることから逃げたらあかんでということを伝えたい。
・生徒は探究しながら知識を獲得していくのか、理論を獲得してから探究していくべきなのか、どちらなのだろうか。正解はないと思う。
・実際に原発のある街で暮らす生徒たちは、原発を当たり前だと思っているという話。電力会社に就職したいと思う生徒が多い。「上手い」と思うところが、電力会社の社員を地域の旅館に住まわせている。これにより地域をある意味救っているし、雇用を生み出している。話している中で様々な社会問題が共通点として挙がってきたので、社会にある問題を題材に学んでいくことが大切なのではないかという結論に至った。

・NIMBY問題がそもそも理論なのかという議論。これは、問題が起こっている状態のことではないかという意見。また、様々な思考実験を用意されているが、思考実験なり気になってはいけないのでは。思考実験を「やるべき」という発想で行うことが適切。現実の問題を扱うべきでは。
・このような授業はどの程度の頻度で行うのか。
→学期中に3.4回
・生徒が出した意見・考えにゆさぶりを加えたい。
・理論の獲得が生徒のためになるのか。
→実践者自身も悩んでいる部分。しかし、高大接続という意味でも非常に意味のあることだと思っている。学問的な英知を手にして社会に出ていくことでそれが大きな武器となる。
・様々な問題について考えた後、今後の構想をどう考えるか。ここから問題の本質に迫りたい。見えないようにしているかもしれない。

参加者27名

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