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週末に投資アイデアを考える (5/5~5/11)

割引あり

このコーナーは毎週読んでいただくことで、マーケットの動きを理解する上で、知っておきたい基本的な経済ニュースへのリテラシーが高まると考えています。

株式投資を行う人たちが普段接するニュースの中から、長期投資のアイデアご自身で発見できるようになる方法を身に付けていただくことを目標にしています。

マーケットチェックは、詳細な市場解説は他でもあるので、あえてラフに解説し、どの程度の深度で市場を押さえておけば、長期投資に耐えうるのかを示そうとしています。

注目したニュース記事は、海外のニュース記事も入れていますが、基本的には日経新聞など、どなたでも触れることのできるニュースを基に気付きを得て行こうとしています。


<マーケットチェック>


株価

世界同時株高の中、日本株の出遅れ感が強まっています。

これまでは、米株対比アンダーパフォームしそうな理由は要は「円高になりそう」という点だったが、足もとは円安傾向が続いているにも関わらず、日本株は現地通貨建てでも大きくアンダーパフォームしています。

個別株の物色も先週あたりから為替を素直に材料視している様には見えなくなっており、先週の円高局面では円安恩恵銘柄がアウトパフォームし、今週の円安局面では円高恩恵がアウトパフォームするなど、マクロ環境から乖離した物色が見られます

米国はトレンドフォロー的な動きが続いていますが、日本株は年初からパフォーマンスの良かった銘柄が利食われやすくなっている印象です。

先週の記事にも書きましたが、日本株→中国株へのシフトが発生していないか?という事は心配です。日本株から資金が流出している事は確認できませんが、中国株に対しては資金流入が起きています。

中国株が、上昇している理由としては、企業業績は悪いものの、マクロデータが予想を上回っている事に加えて、「新9条意見(The nine Measure as the capital market develops)」という資本市場改革策が打ち出されたことに対する期待も考えられます。

企業決算は本格化してきます。日本企業の決算は、トヨタの利益予想が低いこともありますが、想定をかなり下回っています。

5月9日時点で42%のプライム(2・3月決算)企業が2023年度業績を発表。みずほ証券の集計では、2024年度の会社予想は売上が前年比+2.7%、営業利益が-1.8%、経常利益が-8.7%、純利益が-8.1%直近コンセンサス予想に比べて各々+0.4%、-8.3%、-10.2%、-9.1%と大幅に下回っています


金利

金利がさらに上昇する可能性も意識していましたが、水準的には高位安定で落ち着ていたという印象です。ただ、植田総裁の発言を踏まえると、今後はじわじわと金利上昇の動きが出て来るか引き続き注目しておきたいと思います。

為替

介入後は再び円安傾向が続いていますが、植田総裁は「政策運営上、十分注視していく」、「過去と比べ、物価に影響を及ぼしやすくなっている」と発言を修正しました。5月7日に岸田首相と会談していますが、3月の実質賃金は前年同月比-2.5%と24カ月連続のマイナスと、比較可能な1991年以降、過去最長を更新したことを意識した発言と考えられます。

先日も説明しましたが、日銀のスタンスは金融引き締め方向に動いており、日本は金利引上げ方向、米国は金利引き下げ方向に動き出しています。

商品

原油価格は4月の高値からは下落した状態で安定しています。ただ、商品市況全体では引き続き高水準にあり、注意深く観察する必要があります。


<注目したニュース記事>


5/5日経 海底ケーブル、中国迂回 26年以降接続ゼロ

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