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バフェットの次の一手は?

著名投資家バフェット氏が率いるバークシャーハザウェイが、円債の起債を計画していると報じられました。このため、株式市場ではバフェットの次の一手が注目されています。

ご存知のように、バークシャー社は米中貿易摩擦が強まった翌年の2019年には日本で起債して、円を調達。2020年には商社を買入れている事をディスクロし、その後も日本での起債と商社株の積み増しを繰り返してきました。今や、バークシャーにとって日本は米国に次ぐ投資国です。

ただ、商社株は発行済株式数の9%程度まで買い入れられており、上限としている9.9%に接近しています。そのため前回の起債時は商社株のアウトパフォームは明確ではなく、起債までの1-2ヶ月間でアウトパフォームしたのは保険、銀行、自動車、半導体、鉱業などでした。今回も、過去1-2ヶ月間で見ると保険、銀行、自動車、鉱業などは今回も好調です。そのため、前回は大量保有報告書を出すほどではなかったが、これら商社以外の日本企業への投資も行われているのではないかという人たちもいます。その場合は、それらの銘柄への継続的な買いが期待出来るだけでなく、日本株への投資の広がりが期待され、昨年の4-6月期の様に米国人の買いが継続するとの期待できるというわけです。

同社の年次株主ミーティングは 5/3-4 に開催されます。その際に、バフェット氏から、何らかのディスクローズがあれば、より内容が明らかになると考えらます。ただ、私はその際のバフェット氏からの具体的な発言内容に関わらず、バフェットが既に語っている以下のような点に注目しています。
少し古いですが、2月にバフェットが語った内容を復習してみましょう。

・当社の保険事業は昨年、極めて好調に推移し、売上、フロート、保険引受利益ともに過去最高を記録した
・バークシャーは常に将来の支払保険金の見積もりを正確に行おうとしているが、経済と訴訟費用のインフレは不確定要素である
・バークシャーは現在配当金を支払っておらず、自社株買いは 100%自由裁量である
・バークシャーでは、将来的に高いリターンで追加資本を投下できる企業を好む
・バークシャーは日本の大手商社5 社の長期的な持分を保有し続けている。各企業は、バークシャー自身の経営方法と似た、高度に多角化された方法で事業を展開している
・その一方で、5 社とも経営陣は自らの報酬について、米国の一般的な水準よりもはるかに下回っている。また、5 社とも利益の 1/3 程度しか配当していない
・バークシャーにとってのもう一つの利点は、当社の投資が、よく管理されて評判の高い 5 社と世界中で提携する機会につながる可能性があることだ。彼らの権益は当社よりもはるかに幅広い。そして、日本の CEO 達は、バークシャーがどのような規模でも直ちに共同投資に利用可能な巨大な流動性を保持していることを知っている。日本での取得は 2019 年 7 月 4 日に始めた。バークシャーの現在の規模を考えると、市場での買い付けを通じてポジションを構築するには、多くの忍耐と長期間の魅力的な株価が継続していることが必要となる。これは、戦艦の舵をきるようなプロセスになる。それはかつてのバークシャーにはなかった重要な欠点である
・バークシャーは 5 社それぞれの約 9%を保有している。バークシャーは、各社に対して、当社の保有比率が 9.9%を超える株式を取得しないことを約束している。この 5 社への投資のコストは合計 1.6 兆円で、年末の時価総額は 2.9 兆円だった。しかし、近年は円安が進み、ドル建ての年末の含み益は 61%、80 億ドルだった(円安で目減りするので円で見た値上がり率ほど、ドル建てではリターン出ていない)
Greg も私も、主要通貨を予測できるとは思わない。そのため、バークシャーは日本のポジションのほとんどを 1.3 兆円の債券調達で構築してきた。この債券は日本で非常に評判がよく、バークシャーの円建て債券残高は他のどのアメリカ企業よりも多いと思う。円安により、バークシャーは年末に 19 億ドルの利益を得た

Berkshire Hathaway、Buffett CEO

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