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ホリエモンも被害者?SNS投資詐欺にご用心
資産形成の話なのに第1回が投資詐欺のネタと思われるかもしれませんね。
ただ、私が資産形成の話を始めるために言いたいのは、「儲ける前に、まずは損をしない事!」
同じ損失でも、「見通しを間違うのと騙されるのとでは違う」ということです。
さて、今回のテーマです。FacebookやInstagramなどのSNSで、著名人になりすまし、LINEグループの「勉強会」なるものに勧誘する投資詐欺が社会問題になっています。
今週もホリエモンや森永卓郎さんになりすました広告からLINEに誘導され、70歳の女性が7億円もだまし取られたというニュースが出ていました。
最近、SNSを使った投資詐欺やロマンス詐欺が急増しており、昨年の被害額は2つ合わせて455億円と、特殊詐欺(いわゆるオレオレ詐欺)の441億円をも上回ったそうです。
もちろん、最も悪いのは詐欺集団です。彼らは詐欺に知恵や技術を使うくらいなら、もっとまともに働けばいいのにといつも思います。
ただ、詐欺が横行しているのは事実なので、こうした広告を掲載するプラットフォーマーへの批判も強まっています。
特にFacebookやInstagramを運営するMeta社に対しては、前澤友作さんやホリエモンさんが自民党の会合で実情を訴えました。
政府もこれを問題視しており、岸田首相は「犯罪者を確実に検挙するため、総合的なプランを6月めどに策定する」と表明しています。
FacebookやInstagramなどを運営するMetaの法的責任があいまいで、真剣に対応していないという批判も高まっています。
SNSの偽広告問題を協議する自民党のワーキングチーム座長の平井卓也デジタル社会推進本部長は、米SNS大手Metaについて、「(幹部の)国会への参考人招致も視野に検討いただきたい」と述べています。
もちろん、Metaにとっても詐欺集団に利用され迷惑ということでしょう。
ただここで意識して欲しいのは、投資詐欺を減らして行くためには、どうしても国民の金融リテラシー向上が必要だという事です。
この様な規制は、どうしても事件が発生してから後追いにで対応することになるため、私たちは知識を高め自衛をすることが最も大切です。
いま日経平均は史上最高値近辺にあり円安で外国債券・外国株投資も儲かっています。
新NISAなどで投資をしなきゃ損という雰囲気もあります。
私もインフレ時代には資産運用は不可欠だと思います。
そんな時に投資話が増えると、投資詐欺集団も活躍しやすいですね。
400億円以上も被害もでるようであれば、詐欺集団もそれだけ人や技術を注ぐ可能性もあります。
投資詐欺を防ぐには金融リテラシーの向上に努めていただきたいと思いますが、それは一朝一夕にはできません。
今回は詐欺を防ぐための注意点をいくつか述べていきます。
典型的な詐欺のフレーズ
1.「必ず儲かります」
投資とは、リスクと引き換えにリターンを得る行為です。つまり、儲かることもあれば、儲からない場合や損失が出る場合もあります。投資の世界に「必ず」「絶対に」儲かる仕組みなどありません。
「必ず儲かる」というのは、それ自体が嘘なので、詐欺の可能性が高いと思ってください。
なお、金融商品取引業者が「必ず儲かる」「絶対に○○の価格は上がる」といった断定的な表現を使って勧誘することは、金融商品取引法という法律にで禁止されています。
2.「元本保証です」
銀行預金などの一部の運用方法を除いて、ほぼすべての投資商品は、元本が保証されることはなく、元本割れのリスクがあります。
元本保証の定期預金の金利は0.01%程度、個人向け国債の利回りは0.5%程度です。魅力的なリターンを得られて、元本も保証される投資案件など存在しないと思ってください。
3.「今だけ、あなただけ」
冷静に考えればわかりますが、もし、一般に出回っていない魅力的な投資案件があるのであれば、なぜ、あなたに教えるでしょうか。そのような儲け話があるなら、自分だけで儲けを独占するはずです。
どうして相手は「あなたを特別扱いしてくれるのですか」、冷静に考えるようにしましょう。
典型的な詐欺商品
典型的な詐欺商品を知っておくことも大切です。ねずみ講のような商品は今でもあるようですが、ここでは省略します。
1.未公開株
証券取引所に上場されていない企業の株式のことです。企業が上場すれば、その株式の価値は大きく上昇することが多く、有望な未公開株に投資すれば大きく利益を得ることができます。
しかし、上場されていない企業の情報公開は十分でないことも多く、本当に優良な企業なのか、本当に上場予定なのかを個人で調べることは困難です。また多くの詐欺では、実際には存在すらしない企業の株式が売り付けられることもあるようです。
ここでも、そんな美味しい話をどうして自分に持ってきてくれるの?という視点で考えてください。
2.高利回りファンド
投資信託などのファンドは、プロの知見を活用できることから、有効な資産運用方法の一つです。
しかし、「年利30%以上」などという架空の「高利回りファンド」を勧誘するというのも典型的な資産運用詐欺の手口です。リスクのない高利回りを保証した商品はありません。
このようなファンドは、ある程度資金が集まったところで詐欺師たちは音信不通になり配当金はもちろん元金も回収できなくなることもあります。
3.システムトレード
コンピューターを使って、一定のルールに従って自動的に売買を行う方法があります。このような手法は「システムトレード」とも呼ばれています。
そして、中にはこのシステムトレードを悪用する資産運用詐欺もあり、「このプログラムで株式投資をやれば必ず儲かります」「FXで〇%のリターンが出ました」などと言って、システムを売り付けます。
ここでも、そんなに儲かるのであれば、自分で儲けるか、より大きな資金を出してくれる先のお金を預かればよく、個人にシステムを売るということは考えにくいでしょう。
投資詐欺を避けるための基本的な習慣
1.著名人だから信じたという人がいますが、「著名人だから信じるんじゃなくて、著名人がそんなことをやるはずがない」と考えましょう
2.他のSNSでしりあったのにLINEで話すのはおかしいと疑いましょう。SNS詐欺の多くはLINEに誘導するようです
3.お金を出す前に自分で調べる。他人を信じず自分で調べる習慣を付けましょう。
4.銀行や証券が社など金融機関で口座を作って投資する。投資は金融庁が管轄してる金融機関から投資するのが基本的に安全です。危ない橋を渡らないようにしましょう。
5.短期で儲けようと欲をかかない。楽して儲けようとしないで、しっかり着実にリターンを上げて行きましょう。
6.しっかり勉強する。投資は勉強することが必要です。焦らず勉強してください。結構面白い世界ですよ!
掲載されている記事は、個人の見解であり、執筆者が所属する企業の見解などを示すものではなく、証券投資や商品申込み等の勧誘目的で作成したものではありません。
記事の情報は信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その確実性を保証したものではありません。最終的な投資決定は、読者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。
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