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人は何歳まで働くべきなのか
花輪さんと「世界標準の資産の増やし方」(東洋経済)を書いてから、人は充実した人生を送るために、いつどのような時期に資産を形成するべきなのか真剣に考えるようになりました。
私は、それまでどちらかというと自分のキャッシュフロー創出力(稼ぐ力)を高めることに興味があり、その力があれば自然にお金は溜まるという考え方をしていました。
今でも私は金額としていくらのお金が必要という考え方よりも、自分のキャッシュフロー創出力(稼ぐ力)を高めることが重要だと考えています。
収入の定義
キャッシュフロー創出力とは仕事をして稼ぐ力と資産が生み出す資産運用益の総和です。
デフレ・資産価格安の時代では、資産運用益というものがそれほど重要ではありませんでしたが、これからは資産運用益が重要になるということは「世界標準の資産の増やし方」(東洋経済)にも書いたところです。
では、稼ぐ力はどのように高め、いつまで働くのが良いのでしょうか。
私は平成5年に社会人になりましたが、昭和的な雰囲気が残る時代では、会社の中でしっかりと頑張り、昇進を重ねることで給与を高めることが一番であったと思います。
私はたまたま、入社後すぐに資産運用部門に配属になりその後もすっと資産運用一筋できたために、仕事と資産運用のスキルを同時に身に着けることができましたが、これは運の要素が強かったと思います。
一般的には個人資産の運用をやる暇があったら、寸暇を惜しんで業務スキルを高め出世しましょうというのが昭和から平成初期の考え方でした。
しっかりと出世して供与を得れば自然に生活でき、充実した会社生活を送りながら、60前後で退職し、その後は楽しい年金生活を送るというモデルです。
そのため、多くの資産形成に関する本や、FPの方々のアドバイスは標準的な生活費などを参考にしながら、そのような生活を送るのに足りない資産をどう補うのかという視点のものが多く、逆に投資というと一攫千金を得るための手法というものが多かったと思います。
しかしその考え方は近年大きく変化し資産形成と資産運用は一体となってきました。
FIREという考え
節約をしながらコツコツと必要な資産を蓄えるという考え方の対極にあるのが、FIRE(Financial Independence, Retire Early)です。
これは、若いうちに資産運用も含めて一気に稼ぎ、後はアクティブに自由な生活を送るという考え方です。
FIREでは、一定の資産形成ができた後は、資産運用による運用益で生活費を賄うため、貯蓄や退職金、公的年金などを取り崩す必要がなくなるので、心配事がかなり減ります。
ただ実際にいくらあればFIREになるのかというのは難しい問題です。「億り人」という言葉があるように、日本では何となく1億円の金融資産があれば、安心というイメージがあるようです。
でも、本当に1億円で安心でしょうか?
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