初めて電車で年越しを迎えた話／反省会【小話２本】
１．電車の中で年を越した話
２０２２年１２月３１日。年内最後の勤務日は最も長く忙しい日だった。
小売店の年末は激務だ。１週間ほど前から朝が鬱だった。心は仕事に行くことを拒み、ただ身体が職場へ向かっているだけの日々だった。
ただ、３１日だけは「あと一日で年末商戦が終わる」と、朝から少しだけ前向きな気持ちになれた。
朝の６時半から１４時間半、色々あったが何とか乗り切り、閉店の２１時を迎えた。
しかし、本番はこれからだった。この店舗に限り、大晦日の夜に職場のとある部屋を使って打ち上げが開かれるのだ。春に異動してきたばかりの私にとっては初めての経験である。
というわけで２１時半、銀色の350ml缶で乾杯。店長と７～８人の社員が軽食をつまみながら雑談を交わす。コミュ障で非リアの私には５月の歓送迎会以来の試練だった（このリンク何回貼るんだよ）。
「明日は『ＣＤＴＶ年越しライブ』の録画を観てまったり過ごします！ モーニング娘。（'22）が楽しみ！」
某女子社員の一言で流れが変わった。わりとナチュラルな流れで私が口を挟めたのである。
「僕も昔モーニング娘。好きだったんですよ。それが原因で妹に嫌われましたけど」
まさかこの話を職場でする時が来ようとは。
モー娘。にハマってから２年ほど経つと、２つの異変が起きた。
（中略）
次に、妹と全く会話を交わさなくなった。妹も高校に入学し、新たな人間との出会いで視野も広がり、アイドルオタクと化した兄への興味が薄れていったのだろう（当時、オタク文化は浸透しておらず、オタク＝キモいが定説だった）。
この話が意外にも盛り上がった。特に「今はアイドルオタクに気持ち悪いイメージは無いが、昔はそうではなかった」の部分には「うん、うん、良く分かります」と激しく共感する男性社員まで居た。
ついでにもう一つ。Ｂ子と少しだけアニメの話も出来た。
当方「Ｂ子さん、『ぼっち・ざ・ろっく！』観ました？」
Ｂ子「観ていないです」
当方「今すぐ観て下さい」
Ｂ子「えっ！？笑」
関係ないが、最近のＢ子は毎日良い香りを放っている。近づく度にドキっとしてしまう。今時の柔軟剤はこんなに長持ちするのか？ それとも１時間おきにシャンプーしている？
２３時過ぎにようやく宴は終了。しかし後片付けに２０分以上費やし、山手線に乗り、新宿駅で乗り換える頃には２３時４５分を過ぎていた。小田急線の車内で年を越したのは必然だった。自宅に辿り着いたのは１時頃だった。
まあ、こんな年越しもたまにはいいか……良い香りだったし。
２．連続小説 第一話 反省会
というわけで、初めての連続小説が始まってしまいました。
かれこれ半年以上構想を練り、入念な準備を重ねてきたつもりでしたが、いざ第一話を書いてみると思うように上手くいきませんでした。
本作品は全体を通して『生きづらい人』をテーマにしており、第一話では「いじめ」を取り上げました。私が中学時代いじめに遭っていた話は以前もしましたが、経験談も少なからず取り入れています。
そもそもこの作品の執筆を決意したきっかけがあります。私がいじめ問題について思うことをストレートに書くと、それを読んで傷付く人が出てくるかもしれない。ならば創作小説というフィクションの世界に伝えたいメッセージを落とし込めば、多少は棘を落とせるのではないか……という考えから『ＳＮＳ監視委員会』の構想は始まりました。
しかし、いざ蓋を開けると、メッセージをそのままの言葉で、登場人物（山辺）に代弁させているだけに見えてしまいます。書き方がストレートすぎる。言葉ではなく物語の展開で伝えるというのが出来ていません。このへんが私の技量不足なのですよね。投稿直前になって急に不安になり、タグも最小限しか付けていません。
また、想定外の長さになったのは誤算でした。最低でも第五話まで続く予定なのに、第一話だけで短編の最低ライン（４０００字）を既に超えてしまっています。故に泣く泣く削った要素もあります。特に後半の言い合い（便宜上「レスバ」と呼びます）はもっと深い話に持っていく予定でしたが、短くした為にシンプルでありきたりな結論に落ち着いてしまっています。おそらく無駄な部分もあるから５０００字を超えたのでしょうが、今の私には精査できません。
とにもかくにも反省点があるなら第二話以降で巻き返すしか無いですね……。ちなみに第二話は少し違う形での「生きづらい人」をフィーチャーします。第三話はテイストから変える予定です。新しいことに挑戦するので不安もありますが、ある意味第三話の執筆が一番楽しみかもしれません。
少しでも……学びを……得たい……。
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