#13 オーストラリアの映画館!編【オーストラリア海外研修】
ちょいと前に、大学内で映画を見た私。
映画館がある、と聞いていましたが、実際は超広いホールでの映画上映会。
しかし、やっぱり映画はいいなぁと再確認。
ということは、つまり?
もっと映画が見たい!
映画館・映画探し
目をつけたのは、地域の映画館です。いや、むしろこっちが本物というか。
ホームステイ先、大学周り、と映画館の位置を調べまくります。
しかし、これが中々ない。
NSW州内で探しますが、どこも北に遠かったり、南に遠かったり。
この時点で、一日フリーに過ごせる土日は終わっています。
要するに、午前に授業を受け、午後にいかなくちゃいけない。
でも、どこも何時間とかかる。
めげずに検索をくり返し、計算した結果、南にある映画館が一番近いと判明しました。
それは、大学寄りではなく、ホームステイ先寄り。
一つ、幸いなことがありました。
それは、大学からの帰り道で乗っているバスで、その映画館の最寄りまでいけるということ。
ただ今回ばかりは、ホームステイ先よりさらに南の、まったく行ったことがない場所。
緊張もするし、一体どこに連れていかれるんだという不安。
でも、この機会を逃したら、地域の映画館に行けない。
今しかできない体験を、やりたかったことをできなくて後悔するよりも、勇気を持って飛び込もうと思いました。
今、書いていて思いましたが、海外研修初週は、ホームシックでぼろぼろだった私。
しかしこの最終週には、まだやりたいことが残っている。
こうなると、もはや、いかに「残りの日数」を充実させられるかに集中しています。
早く帰りたい!と思っていたんですけど、このリストを完遂するまでは帰れない!って感じですね。
いずれにせよ、初週で心折れて帰らなくてよかった。
さて、映画館は決まりましたが、次の問題は、どの映画を見るか。
あるホラー映画があって、これ見ようかな……と考えます。
ちなみにホラーは超苦手ではないですが、見た後は夜寝られなくなります。
ただこのときは、「いくらホラーなこと言われても、英語だから分からないんじゃね?」と思いました。
「実は私は、あなたの◯んだ母なのよ!」と言われても、多分早口の英語で聞き取れません。
なら、さほど怖くはないのでは……!?
で、この映画を見たいと思ったのですが。
時間的にものすごくギリギリ。
いや、間に合わない。
ということで、今回は泣く泣く見送りました。
でも、せっかくなら映画は見たい。
なので、選んだのは、その映画の次に上映される作品でした。これも時間ギッリギリだけど、なんとか間に合いそう。
何の映画だったかは、のちほど。
急げ、スクリーンへ
ついに当日。
授業が終わってから猛ダッシュ。
なんとか目的のバスには乗れた。
これを逃していたら、元も子もありません。
お昼は、前日に買っていたワッフルがあります。
しかし、一番不安なのは、チケット。
『間に合わない』可能性も十二分にあったので、ネットであらかじめ買うことは避けました。
一応、当日でも発券機で買えるらしい。
バスはけっこうの長旅で、間に合うか段々不安になってきます。
いつも降りるバス停を通りすぎると、それからは未知の道。
一面の緑や一瞬見えた海には、束の間癒されました。
こっちの方面に向かう人は、平日午後あってか、ほぼいない。
数人しかいない車内は、のんびりできました。
さて、やっと着いた!
この時点で上映開始20分前くらい。
ここで、問題発生。
どこだ、映画館……!?
周りは原っぱなのに、ここだけ商業施設がきゅっと集まって建っています。どれも背は低く、空も見えて、何と言えばいいのか、不思議な空間です。駅のない駅前、といったぐらいでしょうか。車は通るのに、歩いている人はほとんどいません。
スマホアプリで映画館の位置は分かっているのですが、それがどの建物か分からない。どうやら、映画館単体で建っているのではなく、どれかの商業施設に入っているようです。
方向音痴も発生して、道を行ったり来たり。この横断歩道は、渡っていいのかダメなのか。
そんな中で、時間が刻一刻と迫る。
前回、学内上映会のときも、最寄駅で電車から降りられなくて急いで反対方向に乗り直したことがありましたが。
何かと行動にはトラブルが付き物ですね……。
頑張ってアプリの地図を読んで、なんとか建物に入ることができました。
人もまばらなフードコートを通り過ぎて、階段を上がる。
ついに、目的の映画館に辿り着くことができたー!!
と、喜んでいる場合じゃない。チケットを買わなくては。
壁際にあった発券機をポチポチ。分からないところは、グーグル翻訳をかざす。
上映開始まで、あと二分。
これでもかというほど急いでお手洗いに駆け込み、戻ってスクリーンを探します。
四、五個あるスクリーンの一つに入ると、まだ画面には何も投影されていませんでした。
真ん中辺りの席に、ご高齢のご夫婦が座っているだけで、あとは誰もいない。
日本の映画館と比較すると、舞台に近いような座席の傾き具合。
いつもの日本の行き慣れた映画館なら、この位置が丁度いいとわかっているのですが、なにせ初めて行くところ。しかも海外。
この辺が丁度いいかなーと思って選んだ席は、想像よりも後方でした。
段差を上りながら、結構上るじゃん……!と焦りました。
最後列ではありませんでしたが、なかなかスクリーンから遠い位置になってしまいました。
それでも、日本との大きな違い。
なんと座席、リクライニングするんです。
一人分の席が銭湯のロビーに置いてあるようなマッサージチェアのサイズ感。
座ったときには、もはやソファーじゃん!と思いました。
リクライニングであることは、ネット上で見て知っていました。なので座席の右側に付いた、知らなかったら怪しげな矢印ボタンを、これだ!と思って押しました。
すると本当にリクライニングして、後ろにぐいぐい下がっていきました。
すっかり興奮して、自分に合った角度に変えようとするのですが。
これが見つかりませんでした。
あんまり後ろに下がると、足元の部分が上がってきちゃうんですよね。
なので何回もウィーンウィーンと動かしたのち、結局初期設定のリクライニングしていないバージョンに収めました。
開演時間は過ぎても、最初は予告映像。そこは日本と同じ。
予告を見ながら、買っておいたワッフルだけ急いで頬張りました。
このうちに何人か入場してきましたが、本当に数組のみで、みんな自分より前の席に座りました。
結果、平日の午後をのんびりと楽しむ人たちと、道に迷いながら超時間ギリギリでチケットを買った人で、映画を鑑賞しました。
『Ordinary Angels』感想
私が見た作品はこちらです。
日本語読みで「オーディナリー・エンジェルズ」。
こちら、いまいちわかっていないのですが、日本語版は劇場公開されていないようです。
一応『奇跡をつむぐ夜』としてデジタル配信はされているみたいです。
って、それは知らなかった。前回『ホールドオーバーズ』を日本語字幕で見て内容を理解したので、こちらも日本語版で見ないと。
物語は感動系で、実際私は泣きました。
英語が理解できなくても、ラストシーンは「こういうことだ」とわかって、またもや人の暖かさをじんわりと感じました。
またもや、というのは、『ホールドオーバーズ』から続いて、の意味です。
改めて見ると、この作品は両方雪が降っています。
寒々しい光景を映しているからこそ、見えない人の暖かさが心地良いのでしょうか。
むしろ、雪の中で笑っている登場人物たちを見ると、寒さなんて吹き飛びます。
よかったね、報われたね、と熱い涙が出ます。
日本では雪が降りやすい地域が限られているため、なかなか雪の日(いわゆるクリスマスシーズン)の作品が少ないように思います。
だからこそ、こうやってより多くの海外の作品を見ることで、まだ見ぬ世界の広さを実感していけると感じました。
この作品は英語が理解できなくてもわかる=映像に迫力や印象がある、となっています。
普段ヒューマンドラマ系を見ない人でもオススメです。
さあ、帰ろう
楽しかった映画鑑賞も終わり、心の中で拍手をしながら、スクリーンをあとにします。
そのとき、ポップコーン売り場に、一人だけ店員さんがいました。
「Thank you」と微笑みかけてくれましたが、今の今までどこに……。
ロビーには豪華にライトアップされたクレーンゲームもありました。
この人の少なさは、本当に平日の午後だからでしょうか……?
商業施設内を見て回りたい気持ちも山々でしたが、帰るにも時間がかかるので断念。
外に出ると、さすが日が長いオーストラリア、特に昼間の光景と変わっていませんでした。
ここでもかなり長いことバスを待って、ようやくやってきたものに乗車。
色々とトラブルはありましたが、念願の映画館に行くことができてとても嬉しかったです。
このように、着々とやりたいことを達成していった最終週。
なんともう、海外研修の終わりが近づいているようです。
次回、達成感の卒業式。
最後は笑って終わりましょう。