【大切】あなたにとっての、パン屋のオジサン。
ウバといいます。
訪ねていただきありがとうございます。
死んだ人には、もう会えない。
ものすごく当たり前のことを、実は誰もが忘れてる気がします。にんげん、当たり前の事ほど忘れてしまうものです。
人は死にます。
いや、もしかしたら不老不死な人もいるかもしれません。そんな人は、レアキャラってなだけで、ほとんどの人は死にます。
レアキャラといえば……
先日、娘さんが買ったバスボール。パンどろぼうのバスボール。お風呂に投げ入れ、出てきたのはパン屋のオジサンでした。
中身のマスコット全5種類のうち、4種類はパンどろぼう。ネタバレになりますが、パンどろぼうはネズミです。
そんな中、娘さんが当てたのはパン屋のオジサンでした。確率1/5のオジサン。
ハズレでしょうか?いいえ、レアキャラです。
娘さんは、じつに神妙な面持ちでした。その娘さんを見守るわたしも、神妙な面持ちになります。
娘さんは、パンどろぼうに会いたかったのです。出てきたのはオジサン。笑顔のオジサン。パン焼いてるオジサン。オジサンでした。
上の写真。わたしがテレビラックの後ろから、オジサンを救出したときの写真です。
彼は暫く行方不明になっていました。小さいオモチャあるあるです。彼らは隙間に入っては、行方不明になります。
娘さんは、オジサンがいなくなったと泣きました。オジサンで、もっと遊びたいと泣きます。
初対面の日。娘さんはオジサンを拒否しました。パンどろぼうがよかったと。欲しいのはコレジャナイと。神妙な面持ちです。
そんな最低な出会いは、時間と共に最高の出会いになっていきました。娘さんは、パン屋のオジサンで遊びました。
遊んだが故の行方不明なのです。
娘さんは泣きました。オジサンと遊びたい……
(文字にしたら、娘さんがパパ活をしてるような気持ちになります。そんなんじゃないです。相手はバスボールから出てきたオジサンです。)
そんなオジサンは、テレビラックの裏から出てきました。感動の再会です。オジサン無事生還。不老不死です。
娘さんは、それから暫く、オジサンと遊びましたとさ。
めでたし、めでたし……。
これは、相手がレアキャラだから可能な再会です。
ところが現実は残酷です。普通のオジサンなら、テレビラックの裏に数週間放置されたら死にます。
わたしなら死にます。ホコリまみれです。
死んだら会えません。なかには、心のなかに生き続けてるという人もいるでしょう。それでも、現実は会えなくなります。
大切にしましょう。大切な人は、生きてるうちに大切にしましょう。
会えるときに会いましょう。明日、会えなくなるかもしれません。
そのものの大切さは、だいたい失ってから気付くものです。失う前に抱きしめに行きましょう。
これ……
なんのはなしですか?
ここまで読んでいただきありがとうございます。
パン屋のオジサンは、また無くなりました
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。