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チーズトースト刑事 第一話
配役
千頭 斗司夫(♂、35歳)
通称:チーズトースト刑事
-かつて最愛の恋人であった同僚の女刑事の未解決事件を捜査している。
-かなり強引に捜査を進めたことで上層部から疎まれたため、現在は干されている。
-昼間はほとんど雀荘に入り浸っている。
-現在バディを務めている新人刑事のTomyはかつての恋人の弟。
-かなりのヘビースモーカーである。
-夜はほとんど家に帰らず、ピアノバーMasakoで過ごしている。
-かつての趣味は料理
Masako(♀、年齢不詳)
-ピアノバーの美人ママ
-千頭とは銀座高級クラブのママの時代からの顔なじみ
-店の二階をアパートとして切り盛りしているやり手
-彼女を慕ってお忍びで来店する政治家もいるらしい。。。
-その洞察力で千頭の捜査にもたびたび貢献しているとか、いないとか
-ピアノの腕前はプロも目を瞠るほどとか。。。
Yumi(♀、年齢不詳)
-千頭の同期で交通課に配属されている女刑事。
-千頭の亡くなった同僚の女刑事とは警察学校からの親友。
-無茶な捜査をする千頭を心配しつつも、独自に親友の事件の真相を暴こうとしているらしい。。。
-趣味はねんど細工
Tomy(♂、23歳)
-千頭とバディを組む新米刑事
-警察学校を主席で卒業した秀才
-もともと官僚を志していたが、姉の事件をきっかけに刑事の道へ。
-なお、姉と千頭がかつて恋人同士であったことは知らない模様。
-趣味はパズル
-深夜になると人知れず街を徘徊しているという目撃情報あり。
シーン1 ピアノバーにて
うつろな目でピアノバーの店内にはいってくる千頭
Masako 「いらっしゃ...。あら。」
千頭 「...客には最後まで挨拶するもんだぜ。今日は疲れちまった。いつもよりとびきりキツイ酒を頼む。」
Masako 「どうしたの?いつもより険しい顔つきね。その様子じゃ新しい手掛かりは掴めなかったようね...。」
千頭 「(深いため息をつく)このままじゃ俺自身の手で未解決事件にしてしまいそうだぜ...。」
Masako 「あの子が亡くなってからもう10年も経つのね。」
千頭 「俺のなかでは昨日の出来事のようにはっきりと覚えている。あいつに限ってあんな無様な死に方をするはずがない...。必ず事件の真相を暴いてやるさ。必ずな...。」
店内にあらたな客が入ってくる。
Yumi 「やっぱり、ここだったのね。たまにはつきあうわよ。」
千頭 「ふっ、なんだおまえか。今日も交通課は大忙しだったらしいな。こんなところで寄り道せずにまっすぐ家に帰ったらどうだ。」
Yumi 「あいかわらずの減らず口ね。そんなことより新しい相棒とはどうなのよ?」
千頭 「...。」
Yumi 「なんでも彼女にそっくりらしいじゃない。まさか刑事になるとはね。あのTomyが...。」
千頭 「まったくバカな奴さ。将来はこの国のトップにすらなれたであろう秀才が...。まあ、あいつの人生を狂わせちまった責任は俺にもあるがな...。」
Yumi 「まだあの事件のこと捜査してるって噂は本当らしいわね...。いいかげん、自分のために人生を生きてみたら?」
千頭 「...。(煙草に火をつけながら)そういうわけにはいかない。俺にはまだやり残したことがあるからな。」
Masako 「あの子が生きていたら、いまのあなたを見てなんていうのかしらね?」
千頭 「...。誰が諦めようとも俺だけは絶対に諦めない。それがあいつに対する俺なりの償いだからな。」
Yumi 「やはり今夜のお酒にはお供が必要なようね。久しぶりに朝までつきあうわよ。」
千頭 「フッ...。勝手にしろ。」
Masako 「あらあら、ふたりともほどほどになさいね。さて、それじゃ私は演奏に戻るわね。」
遠くを見つめるような目で回想する千頭
...もうすぐおまえの誕生日だな。それまでに必ず事件の真相をつかんで真犯人を捕まえるからな。もう少しだけ俺に時間を与えてくれ。
シーン2へ
シーン2雀荘にて
ナレーション
煙草の煙が蔓延する雀荘店内にて、いつもの面子と麻雀をする千頭。
そこへバディのTomyがやってくる。
Tomy 「またここであぶらうってるんですか?いいかげんにしてくださいよっ!」
千頭 (Tomyを無視する)
Tomy 「聞こえないふりなんかして。(千頭の首根っこをつかみながら)ほら、聞き込みに行きますよ。」
以降、千頭とTomyのアドリブ展開
雀荘を出たところから以下展開
Tomy 「そういえばみやさんに聞いたんですけど、千頭さんと姉さんって昔バディを組んでたってほんとなんですか?」
千頭 「んっ?ああ、そんな時代もあったなぁ。」
Tomy 「ちょっと、どうして今まで黙ってたんですか?話してくれたっていいじゃないですか。」
千頭 「そもそも、お前からなにも聞かれてないからな。俺から話すのも変だろ?」
Tomy 「うーん、それもそうですけど。なんか水臭いですよ。俺たちバディじゃないですか。」
千頭 「俺はガキの子守りをさせられてると思ってるんだがな。」
Tomy 「ガキって...。どっちがガキですか。いつも雀荘に入り浸って...。」
千頭 「俺がただ麻雀をしてると思ってるのか?実はあそこの雀荘には...。」
Tomy 「(食い気味に)あ~はいはい。(大きくため息)ある事件の重要な黒幕が潜伏してるんでしたっけ?まったく、もう少しマシな嘘つけないんですかねぇ。」
千頭 「信じるも信じないもお前次第だがな。おっと、もうこんな時間か。Tomy、飯食いに行くぞ。」
Tomy 「どーせ、いつもの喫茶コルドでしょ?どんだけあそこのチーズトースト好きなんですか...。」
千頭 「嫌ならついてこなくってもいいんだぜ。あそこのチーズトーストは格別なんだ。そこいらのチーズトーストと一緒にしてもらっては困る。」
Tomy 「行かないとはいってませんよ。そのかわり、アイスコーヒーもつけてくださいよ。先輩のおごりでw」
千頭 「ったく。しっかりしてやがる。そういうところ、死んだ誰かさんにそっくりだなw」
一瞬、Tomyの目に哀しみが宿る。
Tomy 「あたりまえじゃないですか。姉弟なんですから。」
千頭 「そうだな。(遠い目をして)さて、腹ごしらえして捜査に合流するか。」
Tomy 「あっ!ちょっと待ってくださいよ~、先輩~。」
ナレーション
千頭斗司夫こと、チーズトースト刑事はかつて署内一の名刑事と称された敏腕刑事であった。とある捜査を任された彼は事件の真相まであと一歩というところまで迫っていたが、突如捜査から外された。その後任として捜査にあたったのが彼の最愛の恋人であり、同僚の彼女であった。捜査は順調に進んでいたが、ある日突然彼女の死をもって未解決事件となり、現在にいたっている。はたして、チーズトースト刑事は事件の真相に再び迫ることができるのか?そして、亡き恋人の死の真相とは?今後のチーズトースト刑事にご期待ください。
つづく