日本の医療大国化は無理
あけましておめでとう御座います、とるねこです。
さて、新年早々隣の国は、大混乱がつづいておりますね。
そんな中で、日本は医療産業で稼いでいくという話が出ています。
日本の医療財政は実質破綻しているのですが、
そのなかで、日本は再生医療に光明を見いだそうとしています。一方、アメリカを含めた諸外国は再生医療にはさほど力をいれていません。
もちろん、再生医療の肝となるips細胞の権利関係の話かもしれませんが、それ以前に再生医療そのものを理解する必要があると思います。
まず、再生医療の考え方は、機能を失った臓器や脳に、正常な細胞を注入すれば、失われた機能が多少なりとも回復するかもしれない、というのが基本的な考え方です。その細胞がips細胞であり、人間にはみな備わっており、どの臓器にも成り代わる代物です。
これはすごいと、ips細胞が発表された時から、さまざまな研究が目の色を変えて開始されました。ips細胞が発見されたのは2006年、
これで人類は不老不死も夢じゃないと真剣に語られていました、、
時はながれ、はや2025年、残念ながら正式承認された再生医薬品は世界でひとつもなく、
日本の例外的承認として唯一認められたアンジェスのコラテジェンも結局、有効性は認められずおわりました。
再生医薬品はたしかにうまくいけば、夢のような技術です。しかし、再生医薬品ならではの問題がありました。
1.細胞を用いているため、材料の時点で均質性が担保できず、安定品質提供が困難
2.再生能力は限定的であり、周辺組織の活動状態に依拠することになるため、比較的軽度かつ急性な臓器損傷にしか効果はなく、さらに回復能力も人によりバラバラ。
3.他家細胞(他人のドナーからの細胞)を注入した際に本当に長期的に問題ないのか、圧倒的なサンプル不足のため、安全性に疑問
4.自己の細胞をつかえば、理論的に拒絶反応リスクは抑えられるが、医薬品にするにはオーダーメイドになるため、時間とコストがかかりすぎ、経済的価値がない
と、極めて絶望的な状況です。
まぁ、人類が不老不死なんて許してはいけないという、神の意志を感じますね。よくできてます。
つまり、再生医療を産業化するには、
1.安定的かつ低コストでの大量他家細胞の短時間生産技術
2.技術発展のための多大なるサンプル
の二つが最低でも必要です。
、、、わかりますか?無理なんですよ笑
だから、発見から19年たっても一つも再生医薬品は生まれないんです。
わかってほしいのは、実験室ベースや、サンプルベースでよければ、いくらでも最先端技術はあります。
ですが、社会実装して、産業化するには、どうにもならない障壁がたかすぎるのです。
せめて、人命軽視の世の中になれば、新技術の社会実装は加速できますが、腐れ民主主義の世界では無理でしょね。人命軽視、人権無視できる中国やロシアはだから強いわけです。
おわり