缶蹴り恋愛逃走中【毎週ショートショートnote】
家に帰るとランドセルを玄関に置いて遊びに出かけた。友達と公園で遊ぶ約束をしていたのだ。
公園にはユズホがいた。隣にはリキトがいて楽しそうに話している。ちょっと嫌な気分だ。
いつもの友達が集まり、缶蹴りをすることになった。ジャンケンして、ユズホが鬼になった。リキトが缶を蹴るとみんな一斉に走り出した。
僕は木の陰から様子を伺っていた。ユズホがみんなを探し始めたとき、リキトが缶を目指して走りだした。ユズホが慌てて缶に戻ろうとしたら、つまずいて転んだ。リキトはユズホに近づいて心配そうに声をかけた。
僕は缶を目指して走り出し、勢いよく缶を蹴った。
…
「みんな変わってないわね」
「でも、リキトはもう二児の父親なんだな」
同窓会が終わり、帰る方向が同じだったのでユズホと同じ電車に乗っていた。
『コロコロッ』
電車の中で空き缶が転がっていた。足元に空き缶がくると皆ちょこんと蹴って、行ったり来たりしている。僕は足元に転がってきた空き缶を拾った。
(410文字)
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