無人島生活福袋【毎週ショートショートnote】

机に座ったまま眠ってしまったようだ。目が覚めると教室のようなところにいた。クラスのみんなもあくびをしている。おかしい。たしか、バスに乗っていたはずだ…

ジャージ姿の中年男性が入ってきた。

「よろしくね」

正面を見ようと顔を上げたとき、首輪が装着されていることに気づいた。金属製でひんやりとしている。

「みなさんにはゲームをしてもらいます。うしろに福袋を人数分おいたので、各自受け取ってください」

みんなざわついているが誰も福袋を取ろうとはしない。いま起きている現実をなんとか理解しようとしているようだ。

「ここはどこですか？」
「質問は一切受け付けません。私の指示に従ってください。みなさんには、この無人島で生活してもらいます。早く福袋を受け取った方がいいですよ」

一斉に奪い合うように福袋をつかんだ。

「マシンガン？」
「サバイバルナイフだ」
「なんで鍋の蓋？」

「それでは、はじめましょうか」

お笑い養成所名物、恐怖のモノボケ合宿が始まった。

（410文字）

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