ダウンロードファーストクラス【毎週ショートショートnote】
22××年。超小型受信機を人体に埋め込み、クラウドによって直接脳内にデータがダウンロードされる『ログ・エラ』の世界になっていた。記憶力は不要となり、データを解析する論理的思考力やコミュニケーションとしての交渉力が必要とされる。そのエキスパートは『リエゾン』と呼ばれ『ファーストクラス』のデータにアクセスすることができる。『ファーストクラス』とは階層化された最上位のデータであり極一部の者がダウンロードすることを許されている。
『ログ・エラ』は自らの崩壊が近づいていることを示唆していた。それは『Aso-5』の予知だった。九州の火山群が全て破局噴火を起こし、巻き上がった噴煙が地球を覆い、地球規模で電子データが全て破壊される『ビック・クラック』を予見していたのだ。
いち早く情報を入手した『リエゾン』達は国家存亡の危機の対策を講じて、紙の資料でまとめていたところに訪問者がやってきた。
「真理省です。資料を受け取りに参りました」
(410文字)
先日観劇した『背信者』をベースに前日譚みないな感じで創作してみました。ネタバレしないように異なるストーリーなっています。ちなみに『背信者』の配信チケットはまだ販売中ですのでリンクを貼っておきます。
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