コンビニコーヒー（フルver.）【今年の反省会(2024年)】【虎吉の毎月note】

『ちゃらららちゃらーん　ちゃららららー』

「すみません。肉まんとコーヒーのＭサイズ、お願いします」
「ハイ、カップ ヲ ドウゾ。フクロ ハ イリマスカ？」

「そのままでいいです」
「レシート ハ イリマスカ？」

「いらないです」
「アリガトウ ゴザイマシタ」

名札を見たが、名前と顔だけでは国籍はわからなかった。

カップをコーヒーマシンに置き、『Ｍ』ボタンを指差し確認して「ヨシ！」と心の中でつぶやいてから、押した。

コーヒー豆を挽く音がして、カップに注がれた。しかし、８割過ぎても止まらなかった。溢れる、っと思ったギリギリで止まった。よく見るとカップには『Ｓ』と表記されていた。

店員が誤ってＳサイズのカップを差し出したようだ。

さてどうするか？店員に言って交換してもらうか？そのままコーヒーを受け取るか？

…

『ちゃらららちゃらーん　ちゃららららー』

親子が入ってきた。

「ママ、おじさんのコーヒー、こぼれそうだよ」
「あら、いやだ。ほんとだわ」

「おじさん、ズルしてんじゃない？」
「店長さん。あの人、大きいサイズのボタンを押したみたいですよ」

店長は俺に話しかけてきた。

「お客様。どうされました？」
「いや、その、カップが」

「カップがどうされました？」
「サイズが違うんです」

店長は店員に話しかけた。

「ちゃんと注文されたカップを渡したのか？」
「ハイ、ワタシマシタ」

俺は口をはさんだ。

「ちょっと待った。違うでしょ」
「チャント、ワタシマシタ」

「そうだ、レシート！レシートは！」
「ステマシタ」

「捨てた？」
「ハイ、オキャクサマ、イラナイ ト イイマシタ」

店長が俺に話しかける。

「お客様。どういうことですか？」
「違うんだ」

「アツッ」
「アツッ」

溢れたコーヒーが俺の手元にかかった。その勢いで店長にコーヒーをかけてしまった。

『ちゃらららちゃらーん　ちゃららららー』

私人逮捕系 YouTuber が入ってきて、親子に話しかけた。

「どうされました？」
「あのおじさんが、コーヒーをズルしたの」
「突然、店長にコーヒーをかけたのよ」

「おい、お前！なにやってんだ！」
「違うんだ。店員がサイズを間違えたんだ」

「この後に及んで言い訳するのか？」
「違う、違う、そうじゃ、そうじゃない」

「現行犯だ！私人逮捕する！」
「やめろ！離せっ！うわー」

「逃げたぞ！待てっ！」

…

『ちゃらららちゃらーん　ちゃららららー』

親子が入ってきた。

「ママ、おじさんのコーヒー、こぼれそうだよ」
「あら、いやだ。ほんとだわ」

「おじさん、ズル…」

「ちがーーーう。店員さん、カップのサイズ間違えてますよ。ほら、ここ、見て、ねっ、『Ｓ』って表示されてるでしょ。俺が注文したのは『Ｍ』サイズ。あーーー、レシートは捨てないでっ！」

（おわり）

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1月某日に起きた話を盛ってみました。早いですが今年の反省は次の通りです。

・間違いはちゃんと指摘する
・レシートはちゃんと受け取る

昨日、『脱日本おじさん』さんからコメントを頂いたように、コーヒーの量を誤魔化して懲戒免職になった校長がニュースになっていました。世知辛い世の中になってしまいましたので、要らぬトラブルに巻き込まれないように自衛したいと思います。

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虎吉さんの企画に参加しています。
お題は「今年の反省会(2024年)」です。

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