
#10. 高校時代の練習から学び、今でも大切にしていること
みなさん、こんにちは!
大阪エヴェッサ#12 土家大輝です。
今回のnoteでは、高校時代に行っていた「画期的な練習」について紹介していきます。
僕の母校である福岡大学附属大濠高校、通称"大濠トロージャンズ"は言わずと知れたバスケットの名門校であり、昨年行われたU18日清食品トップリーグ、ウィンターカップ共に優勝という成績を収めています。
どうして大濠トロージャンズが強いのか、高校時代の練習を振り返ってみると、単純に全国から有力選手が集まるというタレント性だけでなく、練習のひとつひとつのメニューに大きな目的があるということに気づきました。
今回はその一部ですが、私たちの代で行っていた朝練習の形式と目的について紹介していきます。
大濠流、画期的な朝練習とは?
基本的に高校生の練習メニューは、コーチから指示されたり、与えられたものを選手たちが取り組んでいくパターンが多いと思います。
しかし、自分たちの代では学年もポジションもバラバラの3人グループを作り、その3人で自分たちの弱点や共通する課題を話し合い、それを克服するためのメニューを自分たちで考え、取り組んでいくというものでした。
実は、この形式を取り入れたことには大きな目的がありました。
①主体性を育む
1つ目の目的は、主体性を育むことです。
大前提として、「自主性」と「主体性」は大きく異なる意味を持っています。
自主性とは、ある程度やるべきことが決められている中で、自ら率先して行動すること。
主体性とは、自らの意思や判断のもとでやるべきことを決めて、自らの責任のもとで行動すること。
つまり、やるべきことを決めるのが他者であるのか自分自身なのかという違いがあり、自主性よりも主体性を育むほうが難しいと私は思います。
まさにこの朝練習の形式では、誰かから指示されることもなく、自分たちで話し合って決めなくてはなりません。
最初は簡単なことではありませんが、続けていく過程で「考える力」が身につき、他の人に言われる前に自ら考え行動できる選手になるのです。
こうして選手ひとりひとりが主体性を持って行動できるチームだからこそ、強いチームであり続けるのだと思います。
②各自がリーダーシップを発揮する
2つ目の目的は、各自がリーダーシップを発揮することです。
リーダーシップはキャプテンだけが持っていればいいのか?
私はそうではないと思います。
「コートに入ったら年齢は関係ない」と言うように、年齢もポジション関係なく、ひとりひとりがリーダーシップを発揮できるチームが強いチームの条件だと考えています。
しかしながら、特に体育会系というのはオフコートの部分では上下関係も厳しく教育される場合が多いと思います。
それが原因で、下級生たちは上級生たちに発言し難い環境が無意識のうちに作られていることがよくあります。
しかし、この朝練習の形式では、僅か3人という少人数制のグループワークのため、大人数の環境と比較して、下級生も自分の考えを発言しやすくなっています。
むしろ、発言しなければ、共通の課題を克服する練習メニューを組むことができないようになっています。
このように意図的に発言する機会を増やしていくことで、全員が当事者意識を持って、練習に取り組むようになります。
同時に、自分の発言に対する責任感を持つようになるので、それこそがリーダーシップを発揮していく第一歩に繋がるのではないかと思います。
③縦と横の繋がりを強くする
3つ目の目的は、縦と横の繋がりを強化していくことです。
縦の繋がりというのは学年が違う選手たちとのチームワークであり、横の繋がりというのは同じ学年の選手たちとのチームワークのことです。
つまり、縦と横の繋がりを強くすることで、逆境に対してもチームとしてブレることなく前進していくことができるのです。
この朝練習の形式では、先述したように、学年もポジションもバラバラな3人組のグループです。
またグループメンバーも1ヶ月ごとに変わっていきます。
そのため、いろんな選手たちと関わる時間があり、お互いに相手のことを知る機会でもあります。
それまではお互いに関わりが少なかったとしても、同じグループになることでコミュニケーションの機会が増え、新たな一面を知ることができるのもメリットのひとつです。
「実はこの人、バスケに対して熱いな」
「1年生なのによく考えているな」
「ビッグマンからしたら、ガードにこう動いてもらったほうがいいのか」
「こんなにシュート力高いのか」
などなど、たくさんの気づきがあります。
自分が正しいと思っていたことも、考える角度を変えて他のポジションの気持ちを考えると、より良い選択ができるようになったりします。
この朝練習の形式を用いれば、コミュニケーションの量や幅や質が向上され、結果的に、縦と横の繋がりを強化していくことができます。
このように創意工夫が施された練習メニューも大濠トロージャンズの強さの要因のひとつだと考えています。
成長するためには、"ただやる"というより"目的を持ってやる"ことが大切で、"誰かにやらされる"よりも"自ら考えてやる"ことが大切です。
大濠トロージャンズでは、バスケットボールスキルの向上はもちろんですが、それ以外でも成長していくために大切なこと(今回でいえば主体性、リーダーシップ、チームの繋がりなど)を気づき学べることができました。
これはプロ選手になった今でも多くの場面で活かされていますし、自分の中で大切にしていることでもあります。
大濠トロージャンズで過ごした3年間の中で気づけたこと、学んだことはまだまだありますし、今回だけでは書ききれないので、また別の会でも書いていきます。
今回の紹介した朝練習の形式は一例に過ぎませんが、是非参考になれば嬉しいです。
最後になりますが、大濠トロージャンズはアプリもやってるので是非登録して一緒に応援しましょう!
よろしくお願いします!
最後まで読んでいただきありがとうございました!