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フリー台本「取り調べ」 3人台本   作:書木持 沙羅

A 犯人 
 目的:妹の犯罪を隠す。自分は犯人である。
B 刑事
 目的:犯人を捕まえる。
C 妹
 目的:罪を償う

◯◯=Aの名前
△△=Cの名前


B「◯◯さん、なぜ、3人もの人を殺害したんですか?」
A「死ぬべき存在だから」
B「…確かに、被害者3名、性犯罪の前科があります。
  しかし、それは殺して良い理由にはなりません」
A「罪を認めてんだから、もう取り調べはいらないだろ」
B「そうなんですが、少し気になったことがありましてね」
A「・・・」
B「はじめの事件、これだけこれまでの事件と少し違うんですよ」
A「なぁもういいだろ、俺がやったっていってんじゃん
  もう話は終わりだろ?」
B「何人の人が被害を受け、亡くなったとおもってるんですか。
  そう簡単に、はい、そうですかって受け入れられないんです」
A「じゃあさ、俺が殺した奴らの犯罪は?
  被害者はどう助ければ良いんだよ
  お前ら警察がなんとかしてくれたのか?」
B「それは、警察に通報か相談に来てくれれば、我々だって対処します。
  …分かってますよ、明るみにならない犯罪が
  今も多く起っていることくらい
  だから、今働きかけているんです」
A「警察だけじゃ、できないこともあるだろ
  だから、あの気色悪い奴らを殺したんだ」
B「人の命は、そんな軽いものじゃない」
A「…あいつらは、何をしてたと思う」
B「…1人目は、女子大生を無理矢理強姦…その1件から
  あなたは性犯罪の加害者を刺殺しましたね」
A「あいつらは、嫌がる相手に無理矢理、汚い…
  あいつらは人を殺したんだ
  もう、一生、外に出れないであろう恐怖を植え付けられたんだよ
  殺したやつは殺される覚悟が必要だろう?なぁ?」
B「あなたの意見は分かりました。
  だからって、殺して良いことにはならないんだ…」
A「はぁ」
B「…事件の被害者について調べていたら、
  はじめの事件、この被害者あなたの妹さんですよね?
  …名前は変わっていて、幼少期にご両親が離婚され、
  調べるのに少し苦労しました。」
A「だからなんだ」
B「いやね、さっきも言いましたけど、はじめの事件だけ、
  これまでの事件と違うんですよ
  だから、一件目の事件はあなたが殺したわけではないのではないかと
  思いまして」
A「それも俺がやった、何回も何回も
  何を話せば良い、殺し方?最後の言葉、何を言えば、
  この話は終わるんだよ」
B「さっきから、この話になると、話題をそらしたがる
  それはなぜ?」
A「俺がやった、俺しかいない」
B「そればかり、妹さんに話を聞きました」
A「おいっ…もう、やめろ」
B「事件を知るためには、…必要だった
  妹さんは、あの時のことを思い出しながら話してくれました」
A「やめろ」
B「逃れようと必死で、そのときのことをあまり覚えていないと…
  気づいたら、男が血まみれだったと、
  でね、この話の最中、妹さんは手をぎゅっと握ったり、
  顔に触れたり、目線は常に下を向いていた」
A「…何が言いたい」
B「これは、嘘をつくときのサインなんですよ
  …妹さんは何か嘘をついてることは確実なんです。
  ただ、それがどんな嘘か、どんな風に事件に関係があるか
  私達は知らなきゃいけない。だから、」
A「もういい!俺がやった」
B「あなたは、妹さんをかばっているのでは?」
A「違う!アイツは何も知らない
  なぁ、頼むよ、あいつはもう悲しまなくて良いんだ」
B「あなたは認めないと思いました。
  …どうぞ」
A「なっ!!」
C「…ごめん」
A「なんで、来た」
B「私が、呼びました
  お話を聞かせていただこうと思いまして」
A「…こいつが来ても変わらない
  俺が全員殺した」
C「…ごめん、ごめん
  あのとき…あのときのこと…」
A「いい、思い出さなくていい
  なぁ、もういいだろう!あんなこと、思い出したくもない
  吐き気がする」
B「あの日のこと、聞かせていただけますか?」
C「帰り道に…知らない男の人が…後ろから、きて、それで」
B「それで?」
A「おれが、やったんだ」
C「それで…それ、で…ごめんなさい、ごめんなさい」
A「大丈夫だ、落ち着け、大丈夫」
B「すみません、お辛い経験でしたもんね
  無理にではないので、できる限り教えていただけないですか」
C「………いろいろされて…私、逃げなきゃって…だから、
近くにあったもの投げたり、して
  でも、逃げれなくて」
A「そこに、俺が来たんだ。」
B「あなたには聞いていない、今は妹さんに」
A「内容は同じだ」
C「…ごめんなさい…それで、鞄の中にあったカミソリ」
B「首を切った?」
C「…はい」
A「違う!」
C「…私が、やりました」
A「ちがう、違う違う違う
  何もかも違うんだ」
B「私も、犯人たちが許せません
  もっと、警察が動いていればと、悔いるばかりです。
  しかし、殺してしまっては、罪に問えない
  犯罪者もただの被害者になってしまう
  そして、△△さんも罪を償わなきゃいけない」
A「頼む、見逃してくれよ」
B「それはできません」
C「私…罪償うよ、お兄ちゃん」
A「…なんで、俺が、守れなかったんだ」
B「私達の力が及ばず、すみませんでした
  今後こんな事件が起らないように、します
  本当にすみませんでした」


#フリー台本 #声劇 #Reality

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