就活の恥はかき捨て
経理をやっていると、当然色々な領収書を見る訳だが、中でも社員の費用の清算などは時折目が止まるものもある。伝票に記載されていた店の読み方がわからなくて、ネットで調べたところキャバクラだったということもある。会社の金でキャバクラ行くな。接待費の請求で、万単位の金額を飲食費として処理することもある。羨ましいことだ。私も会社の金で叙々苑に行きたい。
合同説明会に行くと、当然だがいくつもの企業のブースがある。それぞれ気になる企業のブースに行き、説明を受け、その後選考を進むか決めるというのが大まかな流れだろう。
この時、選考を進むかどうか決めるのはあくまで自分である。なので、その企業との関係を繋ぐか切るかもこちらが決めることになる。もちろん選考に落ちた場合はその限りではないが。
どういうことかというと、合同説明会のブースに、純粋にただの興味で座ったところで、そしてその場で何故このブースに来たかという志望理由を言えなかったところで、その失敗は何ら大きな影響を及ぼさないのだ。そもそもブースにいる人と面接する人が同じとは限らない。面接だって同様である。どれだけ失敗しようと、どんなにトンチンカンなことをしてしまおうと、落ちてしまえばそれまでだし、受かればそれも含めて認めてくれたということになる。
結局のところ、合同説明会でも、面接でも、興味の赴くままに動き、全力でぶつかることが必要ということである。何せ失敗したところで後には続かない。その会社が第一志望で、その会社に何が何でもということであれば話は別だが、私のようにもはや志望もへったくれもなく、受ける会社全てが実質的な第一志望と化している人間にとってはそのような考慮もいらない。
にも関わらず、面接で毎度のように緊張し、合同説明会でも気になる会社のブースに行くことができずひたすらウロウロしてしまうのは、コミュニケーション能力の低さもあるだろうが、恥をかきたくないというのがあるのだと思う。このような場でそのようなことを気にしたところで、誰が気にする訳でもないし、担当してくれた人だって明日には忘れているだろう。
しかし、興味本位でブースに座って、なぜここにきたんですかという質問に興味だけですと言うことができなかったり、それ以前になかなかブースに座る為に話しかけることもできないというのは非常に重症といわざるを得ない。多くの場合、その場限りなのだから、ちょっとやそっとのミスなど無視して突っ走って行けば良いのにそれができない。
おそらく、以前合同説明会でいい感じだからと行った面接でズタボロにやられたのが響いているのだろう。同じような目のあいたくないというのがどこかにあって、説明会の場でのやり取りに不安がある。就活する者が嘘をつくように、ブースにいる人たちだってある程度は嘘をついているというのは、往々にしてあることである。
そんな訳だから、わざわざ休みの日にスーツを着てえっちらおっちら電車に乗って都会に出ているというのに、大した成果もなく終わる。志望動機などは後からいくらでも考えれば良いのだから、興味があります!と言うだけ言ってブースで話を聞けば良いのに、毎回臆してしまうのである。どうしたものか。