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バイク、初陣

 上司に転職したいということを話した。既に内定を得ていて、承諾までしているので、したいというよりする、という報告であるが。奇しくも朝に最近忙しそうだけど大丈夫?というメールが来ており、かつ珍しく私と上司が一対一になるタイミングが定時後にでき、ずっと不明だった入社日も昨日判明していたので、今ここで話せという天啓だと考え、思い切って話した。どうせいつかは話さなければならないことである。

 えー困るよーというような反応を予想していたのに、そっか、そうだよねという同意を示されて驚いた。退職したいという理由は例によって教育担当だった同僚との不仲が第一であり、これから先ずっと働いていくとなると酷い衝突をすることになるだろうと伝えると、君にとって居心地の悪い職場だったことはわかってたから、変えようとは思ってたんだよと返された。そう言われても、結局変えてないのだから意味がない。不可能だと思っていた別部署への異動も、希望するなら叶えられると言われたが、そもそも私はこの会社に所属しているということが辛いのだ。何より内定を承諾しているので変更はおそらくできないし、既にそのつもりで動いている。ひとまず今回は上司に転職予定の旨を伝えて終わった。お盆の休みの前にいうことができたので、休みの間は憂いなく過ごすことができる。

 上司には申し訳ないが、私にはこの会社で長く働いていく未来がどうしても見えない。それに、教育担当はどれだけ酷い目に遭おうが知ったことではないが、教育担当とのトラブルで他の人にまで迷惑をかけるのは本意ではない。教育担当が辞めない以上、私が辞めるしかないのだ。

 明るい話をしよう。先日の日曜日、納車されたバイクに初めて乗った。といっても、諸般の事情により1時間も乗ることができなかったが。

 いざ乗ろうとした際、まず駐輪場からバイクを出すのに一苦労した。わかってはいたが、400ccはやはり重い。走り出せば何のこともないが、逆に言えばそれまでは100kgを超える鉄の塊である。それを横にある車にぶつけないようにしながら出さなければならないのだから、神経を使うというものである。これからは事前に駐輪場の入り口まで運んでから、プロテクターなどを身につけるようにしようと思う。最も、扱いに慣れてくれればそれが一番早いのだが。

 当初の予定では、近くのショッピングモールのようなところまで行くつもりだった。そこの映画館で『デッド・プール&ウルヴァリン』を観ようと思っていたのである。しかし、いざ走り出すと様子がおかしい。バイクではなくナビの方がおかしい。例によって、今回もナビはペイズリー・パークことGoogleマップの音声案内に頼んでいるのだが、どうにも案内の仕方が悪い。普通右左折をする際には、その少し前に『何m先、右折です』というような案内をするものである。というより、前に走った時はそうだった。

 だというのに、今回は直前になるまでアナウンスしてくれない。既に直進レーンに入っているのにここを右折しろと言ってくるのである。ただでさえ、音声案内だけだと迷ったことのある身である。それに加えて曲がる案内が遅いとなれば、望む方向へ進むことは難しい。費用の関係でスマホホルダーをカスタムしなかったのだが、しておけばよかったと後悔した。

 やむを得ず、大通りに出たりせずに、家の近辺をうろうろして、見つけたガソリンスタンドで給油した。納車する際にどのくらいの量が入っているのが普通なのかはわからないが、走り出した時点で半分以下だったのである。満タンにして、家へとUターンし、撤収と相なった。ほとんど走れなかったが、炎天下の中だったので、この短時間でもものすごい汗をかいていて、夏のバイクはやべぇと実感した。安全のために、プロテクターなどはちゃんと装備したい派なので、暑さに耐えて走るしかない。

 帰ってきてからペイズリー・パークを調べたところ、どうやら歩行者用の案内になっていたらしい。歩行者であれば、直前に言っても曲がれるので、そのつもりでの案内だったのだろう。しかし、私が乗っていたのは車と同等のバイクである。私の設定ミスと言われればそうなのだが、前に使った時はちゃんと車用の案内だったのだから、そのあたり、自覚を持って欲しい。

 思ったより早く帰ってきたので、プロテクター等を外してから、バイクショップに行ってスマホホルダーがないか見てみた。スマホホルダーをつけるにはマルチバーなど必要とのことだったが、もっとお手軽に装備できるツールがないか調べたかったのである。ただ、残念ながらそういったものはなく、マルチバーをつける必要があるようである。ninja400用マルチバーカスタムセットなんてのがあったので、これを買って自分でつければいいかと思ったが、どうやってやるのかわからないし、取り付けに使う六角レンチを持っていない上、駐輪場のオーナーからカスタムを駐輪場でやるなと言われている。やったとて多分バレないだろうが、リスクは負いたくない。

 スマホホルダーの他にも、自前の鞄から荷物が出しにくいことに加えてボロいので、普段使いと兼用できるような鞄が欲しいとか、いつか紛失しそうなバイクのキーにつけるストラップを探したりとかしたのだが、結局何も買わずに帰った。結局どれにしようか決めかねて、持ち帰ることにしたのである。ネットで買うこともできるし、早急に必要なものでもないので、吟味した方がいい。ストラップに関しては早いうちに何か買うべきだが、現地のものは割高感が強かったのだ。

 総評として、夏の暑さを舐めてはいけないという教訓と共に、現時点で不足しているものを実感することができた。これらについてはいずれ用立てるとして、どれが良いのかを考えなければならない。こういった趣味のものに共通するところであるが、何かとこの手の品物は値が張るところがある。出費も馬鹿にならないので、自分にとって望ましいものを検討して購入したい。まあ、それができれば苦労はしないのだが。

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