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フラッシュコア(音楽ジャンル)の紹介

僕の大好きな音楽ジャンル「Flashcore/フラッシュコア」について紹介するよ。
結構マイナーなジャンルだから、皆にも知ってほしいなと思って書いてみるよ。ただ、マイナーなせいで明確な定義がされていないので、僕が個人的に選んだ、フラッシュコアと分類されることが多い音楽やアーティストを紹介するよ。だからそれらをフラッシュコアとみなすかは各自の感覚に任せるよ。まずこのジャンルの大まかな説明をするね。

1.前衛的、実験的なスピードコア
2.高速で激しいIDM

フラッシュコアというジャンルの共通認識はこの2つだと思うよ。もっと嚙み砕いて説明をするならば、「速くて激しくて複雑で実験的な電子音楽」という感じかな。

フラッシュコアに共通して現れる特徴として「冷たい暴力性」というものがあると思うよ。デスメタルとかブレイクコアとかも暴力的な音楽だと思うけど、それらと比べて感情がこもっている感じが全くしないんだ。なんとなく不気味さもあるね。

今まで聴いたことがないような新しい音楽を聴きたいという人、実験的な電子音楽が好きな人、鼓膜を今すぐ破りたい人、などにおすすめだよ!

個人的に必聴だと思う5人のアーティスト+その他のおすすめアルバム
を紹介します。



La Peste/Krystal Jesus

まずは、La Peste。フランス出身の方だよ。 Krystal Jesusという名義でも活動している彼は、フラッシュコアというジャンルにおける始祖と呼べるような存在。フラッシュコアがどんな音楽なのか知りたかったら、とりあえずLa Pesteの2005年にリリースしたEP(タイトルがない)を聴いてみると良いよ。↓

ハードコアテクノのDJだった彼は、フランスの音楽学校で電気音響音楽を学んだんだ。それが激しさと実験性を兼ね備えたこの独自の音楽性を生み出したと言うわけだね。とっても密度が濃くて、機械的なビートやノイズが全体を覆っているこの音楽こそがフラッシュコアという音楽です!

2004年にリリースされたスタジオアルバム『WTC.XTC』もとてもおすすめ↓


特に私が好きな作品はKrystal Jesus名義でSoundcloudにアップロードされた90分の作品『For Liza, beyond the event horizon.』(2021)。これはフラッシュコアというジャンルの1つの到達点だと思うよ。とても構成がドラマチックで、嵐のようなビートの猛攻の中間部が、冒頭と終盤の静謐なセクションで挟まれているよ。聴き終わった後に言いようのない感動を味わえるはずです。↓



Xanopticon

次は、ブレイクコアの文脈でもよく名前が挙がるXanopticon。彼の緻密に構成された複雑なビートは本当に素晴らしく、思わず感嘆の声をもらしてしまうよ。唯一のスタジオアルバムである『Liminal Space』(2003)は、電子音楽というジャンルに燦然と輝く金字塔です。ぐしゃぐしゃのビート以外には控えめに差し込まれたパッドがわずかにメロディとして機能しているだけ、というとてもシンプルなつくり。極限まで無駄がそぎ落とされた引き算の音楽。それによって非常に冷たい独特な世界観が構築されているってわけ。本当の本当にだいすき。



Richard Devine

皆大好きRichard Devine先生。IDMのアーティストとして非常に有名なので知っている方も多いと思うけれど、彼の音楽の中にもフラッシュコアとされるものがいくつかあるんだ。アルバム『Cautella』(2005)は、サブスクにもbandcampにも無く、もちろんCDもほとんど出回っていない作品だけど素晴らしい作品だよ。押し寄せるビートは相変わらずかっこいいし、ぱきぱきぐしゃぐしゃなグリッチパートに頭をぶっ飛ばされるぜ!



UndaCova/Atomhead

ベルギー出身。彼は様々な別名義を持っているけど、UndaCovaAtomheadの2つが特に有名。彼の音楽の魅力は、一切妥協のない力強く敷き詰められた暴力的なビートの波!そして不気味で恐ろしいメロディ。Xanopticonとかなり作風が似ているよ。たった1分聴いただけでも、フラッシュコア随一の凶暴性に耳をやられるかも。UndaCova名義ではアルバム『Intrusion』(2006)、AtomheadはEP『Spiral Field Velocity 1.0』(2005)がそれぞれ必聴。



qebrus

そして最後はqebrus。彼もフランス人。
宇宙人のような音楽を聴きたければqebrusを聴きましょう。個人的に彼の音楽は、独創的な音楽を作っていたらたまたまフラッシュコアというジャンルに分類されてしまった、という感じがあるよ。他に類を見ない唯一無二の音楽性を有していてこのジャンルの中でも特異な作風かも。
とにかくサウンドテクスチャの作り込みが半端ない。ビートの面白さとかもあるけど、何より1つ1つの音が聴いていて面白いよ。スピーカーよりもイヤホンの方がより音の面白さを味わうことができると思うのでおすすめ。正直この音楽を上手に説明することはできないから、聴いてみよう!
アルバムは、『◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙◙』(2017)、『⊶⊑∷⌊∴⊹∵⌉∷⊒⊷』(2012)の2枚がおすすめだよ。



その他

とりあえず上の5人を聴けば良いと思います。他にもいくつか良いアルバムがあるので、置いておきますね。

7E Phalanx『Pulse』
Xanopticon、UndaCovaなど7人のアーティストで合作された1曲。



・Neurocore『』



・Satanoid『Paikal』



・Supire『Lustre』
日本人の方。
qebrusのような緻密で破壊力のある音楽



・Venetian Snares 『She Began to Cry Tears of Blood Which Became Little Brick Houses When They Hit the Ground』



・Various Artists 『Vortex』
レーベルEntityからリリースされたコンピ盤。La Peste、Atomhead、Xanopticonらが参加。



以上です。

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