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「AED使用で訴えられる?」①女性に使う際の訴訟リスクを解説


上記のブログ記事をプレーンテキストでコピペしたものです。
ブログ記事の方が読みやすいです🙇

救命講習の指導者としての見解

救命講習で10年以上指導をしてきた自分の意見をつづります。

今回は 「①訴訟のリスク」 について

次回は 「②脱がさずにAEDを使用できるのか、本当の救命とは」 について書きます。

「女性にAEDを使ったら訴訟された」という話題について


この話題はSNS上でしばしば議論され、ニュース番組でも取り上げられるほど関心を集めています。

AEDを使用する際、女性の胸部が露わになるため、

「善意の救命処置がセクハラと捉えられるのでは?」と不安に思う男性
「配慮が必要だ」と主張する女性
という二つの意見が対立しているのが現状です。

よくある意見と、それに対する自分の見解を述べていきます。

① 訴訟のリスクがあるからAEDを使わない?


この意見の背景には、「善意の救命処置が社会的制裁につながるのでは?」という恐れがあります。

しかし、自分の答えはこうです。

A. 訴訟のリスクはゼロではないが、前例はない。 倒れている女性の意思は確認できない以上、まずは助けてほしい
訴訟リスクについて
当然、世の中には様々な考えの人がいるため、訴訟を起こす女性が 「ゼロ」とは言い切れません。

しかし、 実際にAED使用で訴訟が起きた事例は確認されていません。

その根拠を以下に示します。

  1. ①救急車を呼んで自身も病院に?
    話題になった訴訟されたと言う人の証言には不可解な点が多いです。

救急車を呼んだ際、

救命処置に関与しない第三者が救急車に同乗することは通常あり得ない。
搬送先の病院を関係者以外に知らせることも考えにくい。
搬送先病院を知るには救急車をストーキングするくらいしか方法がない という状況になります。

  1. 救命指導者として情報が入ってこない
    自分は 救命処置を指導する立場 です。

もし 「若い女性にAEDを使ったことで訴訟された」 という事例が本当にあれば、業界内でも話題になり、嫌でも情報が入ってきます。

また、長年購読している 『プレホスピタル・ケア』(救急隊向け実務情報誌) にも、そのような事例は記載されていません。

  1. 情報源が不確かなSNSの噂が多い
    実際、米山隆一衆院議員が 警察庁に事実確認を行った際、「そのような事案はなかった」との回答を得ています。


つまり、訴訟されたという証言は虚偽であり、訴訟のリスクは限りなく低い のです。

「万が一起こったら…」と不安になる気持ちはわかる
そもそも 「目の前にCPA(心肺停止)の女性が倒れている」という状況自体が極めて低確率 です。

10年以上救急隊員をしていましたが、 「若い女性のCPA事案」は数えるほどしかありませんでした。

街中で一般の方が遭遇する確率は さらに低い でしょう。

それでも 「訴訟の可能性がゼロではないから、AEDを使わない」 という意思を普段から持って生きることも本人の自由です。

しかし、その選択をした場合——
助かったかもしれない命を見捨てたという 「負い目」 を背負って生きていくことになります。

自分の 「身を守る」 というリスク回避と、

誰かの 「命を守る」 という選択肢を、

天秤にかけて 「自分の魂に恥じない決断」 をしてほしいと強く願います。

余談:痴漢冤罪の恐怖を知っているからこそ思うこと


正直、 痴漢冤罪の怖さは痛いほど理解できます。

実際、自分も 身に覚えのない「覗き」疑惑をかけられた経験 があります。

エスカレーターで「覗き」と騒がれた話
ある日、イオンで買い物中。

エスカレーターの上から 「キャーー!!!」 という女性2人の叫び声が聞こえました。

反射的に 「何事!?」 と思って目をやると、

ミニスカートを履いた女子高生が こちらを指さし、「覗きだ!」と騒ぎ立てた のです。

……5〜6メートル離れていたにも関わらず。

「え、俺?」とビビったのを、5年経った今でも覚えています。

もしその場にいた第三者が、善意で自分を取り押さえていたら?

そう考えると ゾッとします。

女子高生が可愛い子だったら取り押さえられてたかも笑

余計なお世話はヒーローの本質
それでも、 自分は女性に救命処置をしないという選択肢は取りません。

たとえ、 自分を痴漢冤罪に追い込もうとした相手でも、倒れていたら助けます。

なぜなら、

どんな人でも、誰かに愛され、ここまで生きてきたから。
助けなければ、一生負い目を感じてしまう人間だから。
「自分がどう行動するべきか?」

余計なお世話はヒーローの本質。僕はヒーローになりたいから助ける。

この問題について、少しでも考えるきっかけになればと思います。

②脱がさずにAEDを使用できるのか、本当の救命とは に続く

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