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ペットボトル/プラスチック/金属製などの容器製造『産業用資材』*日本経済68業界

日経平均株価(225銘柄)で登場する
合計68業界の動向を紹介します。

素材の『産業用資材』

ペットポトル(樹脂)やガラス瓶などの飲料向け容器、
プラスチック容器、金属製(アルミ、スチール)の容器、
梱包・包装材、トレーやフィルム、ポリ袋など

▼業界動向
2014年→2023年    横ばい

▼業界平均
・売上高   :3243億円
・営業利益率 :5.02%
・自己資本比率:44.50%
・ROE          :5.98%
・ROA          :3.78%

※用語の詳しい説明は文章下段の
 【経営の基礎知識】から確認できます。

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1位 三菱ケミカルグループ株式会社
減収増益:売上4兆3872億1800万円/24年3月


2005年、化学メーカーの三菱化学株式会社
(現:三菱ケミカル株式会社)と、
医薬品メーカーの三菱ウェルファーマ株式会社
(現:田辺三菱製薬株式会社)との株式移転により、
両社の共同持株会社として設立されました。

化学品、医薬品、ガス、電池材料、
樹脂などの総合化学企業として
化学繊維(合成繊維、炭素繊維など)も製造。

具体的な繊維は、
ポリエチレン (PE)、ポリプロピレン (PP)、
ポリスチレン (PS)、ポリ塩化ビニル (PVC) の
など汎用樹脂(汎用プラスチック)、

耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性、
透明性、耐薬品性に優れているエンプラ樹脂、

ゴムと同様の弾性と高温加熱で軟化する
熱可塑性があるエラストマー(弾性化合物)、

木材パルプなどの植物由来の原料を使用し
安価でシルクのような肌触りのアセテート繊維、

アクリル樹脂、炭素繊維強化プラスチック、
工業用化学品、石化原料、溶剤、樹脂複合材、
合成紙、製造工程材、電池材料、
ディスプレイ材料、イメージング部材、
照明材料、半導体材料、絶縁材料などがあります。

アクリル樹脂原料MMA事業も復調。
ディスプレイ向けフィルムや
半導体向けなどで高機能材料も伸びました。

石油化学事業の市況は回復傾向ですが
国内設備の過剰感が強く生産体制の最適化を進め、
資産効率やコスト構造の改革を進めています。

旭化成株式会社、三井化学株式会社と共同で
基礎化学品エチレン生産設備の脱炭素化の連携検討。


2位 三井化学株式会社
減収減益:売上1兆7497億4300万円/24年3月期


三井グループの総合化学メーカーとして
建物の内装外装、車体、エンジン周辺、
電子機器、医療機器、医薬品材料、化粧品材料
など幅広い分野の素材を提供しています。

産業用資材の分野では、
飲料ボトル、食品容器、洗剤容器、化粧品容器、
医薬品容器などを取り扱っています。

直近の業績では、自動車向け素材や
メガネレンズ、農薬の需要が伸びており、

石油化学事業は、交易条件が改善して
値上げもしていますが、市場に浸透しています。

大阪のエチレン設備での不具合や
半導体材料の伸びが鈍く減益になっていますが
配当は連続で増やしています。

出光興産株式会社と千葉県にある
基礎化学品エチレンの生産拠点の集約検討。

三菱ケミカルグループ株式会社、旭化成株式会社と
基礎化学品エチレン生産設備の脱炭素化の連携検討。
ポリオレフィン事業でも最適化の検討を進めます。


3位 TOPPANホールディングス株式会社
増収減益:売上1兆6782億4900万円/24年3月期


一般的に印刷産業は、
書籍、雑誌、パンフレット、ポスター、新聞などの
印刷物のほか、帳票、ラベル、紙器、包装材、建材、
テレビ・PC・携帯電話・部品などの工業品に
対応する印刷方式があり、

オフセット印刷(平板印刷)、凹版印刷、凸版印刷、
スクリーン印刷(孔版印刷)などがあります。

大半の印刷会社は各印刷方式の専業者であり、
前工程の製版、後工程の製本・光沢加工など、
印刷工程以外の各工程においても専業者がいます。

特徴としては、製造業でありながら受注産業であり
印刷機の高性能化、多様化による技術の平準化で
競争が加速。海外展開に苦戦。内需依存型の産業。

コロナ明け2023年の内需は減少傾向で
下支えしていた巣ごもり需要が一巡する中、
外出増加や訪日客回復による段ボール需要など
「板紙」の印刷においては底堅さを見せるも、

印刷用紙などの「紙」印刷は
はデジタル化や値上げを背景に低迷しています。

政府は2023年、
法令や企業情報、破産・相続などの裁判内容を
載せる「官報」をデジタル化する法案を決定。

官報への掲載=公布として法的効力が発生しますが
ネット版にも法的効力を持たせる法律も成立させ、
世の中的にデジタル化が進んでいきました。

2023年10月、
凸版印刷株式会社は「印刷」を社名から外し、
世界中の課題を突破するという決意を
英字の「TOPPAN」に込め、
TOPPANホールディングス株式会社に社名変更。

書籍や雑誌、チラシ印刷、
証券類やキャッシュカードなどの製造、
商品開発や空間デザイン、マーケティング、
ブランディング、デジタル変革支援を行う
情報コミュニケーション事業が売上全体の約53%。

商品包装・ラベリング等のパッケージ、
壁紙・床材など建装材を手掛ける
生活・産業事業が売上全体の約31%。

ディスプレイや半導体関連の電子部材を提供する
エレクトロニクス事業が売上全体の約15%。

時代に合わせて変化をし続け、
営業利益は増加しているものの、

前期に計上した投資有価証券の
売却益を見込まずに最終減益。

24月4月、エチオピア政府系の投資機関と
共同出資(合弁)会社を設立しパスポート工場を設置。
エチオピアや周辺国の需要を取り込みます。


4位 大日本印刷株式会社
増収減益:売上1兆4248億2200万円/24年3月期


印刷業界ではTOPPANに次いで、売上2位。

マーケティングや出版事業を含む
スマートコミュニケーション部門(売上約50%)では、
昇華型熱転写記録材、認証セキュリティ、
新規事業のXRテクノロジー
(VRなど現実と仮想を融合する画像処理)など。

ライフ&ヘルスケア部門(売上約33%)では、
電気自動車向けリチウムイオン電池用
バッテリーパウチや太陽電池などの製造。
製造拠点の最適化も進め営業利益が増加。

エレクトロニクス部門(売上約17%)では、
スマートフォンなど有機ELディスプレイの
製造工程で使用するメタルマスクや、
半導体製品の製造用フォトマスクなどを製造。

福岡県の工場で新ラインが稼働し、
ディスプレイの大型化需要に対応しています。

また、常温での長期保存が可能な液体紙容器、
断熱性を持つ紙カップ、開封時の問題を解決した
易開栓キャップなど紙容器の開発も行っています。

前期計上した投資有価証券の
売却益を見込まずに最終減益となっています。


5位 DIC株式会社
減収減益:売上1兆387億3600万円/23年12月期


1908年、川村インキ製造所として創業。
1962年、大日本インキ化学工業株式会社に社名変更。
2008年、創業100周年でDIC株式会社に社名変更。

2009年、国内の印刷インキ事業を分社化し
     DICグラフィックス株式会社を設立
2017年、スマホ等の配線基板に使う絶縁膜を作る
     太陽ホールディングス株式会社と
     資本業務提携契約を締結しました。

印刷インキ、有機顔料(着色料)、合成樹脂、
などの化学メーカー。

海外における顔料の出荷数量が回復し
収益性の高い電子機器やモビリティ向けも好調。

欧米で印刷インキの販売価格を維持し採算が改善。
前年に顔料事業で計上した減損損失がなくなり
2024年12月期は最終黒字転換しています。

グループ会社のDICプラスチック株式会社は、
化学素材メーカーのノウハウと、成形加工技術を
生かしたプラスチック成形品事業を展開。

密封容器やコンテナーなどの容器資材分野、
ヘルメットや仮設資材などの安全資材分野、
診断薬検査用デバイスなどの理化学分野に
製品を提供しています。

千葉県佐倉市に保有するDIC川村記念美術館の
運営体制を見直し24年内に継続・縮小を判断予定。
美術作品の売却も検討しています。

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【経営の基礎知識】これさえ分かれば大丈夫!

[ 損益計算書(PL) ]

売上高(客数 × 客単価)
−原価   :仕入など製造原価、人件費など売上原価
−販売管理費:営業活動費、物流、広告、水光熱など
=営業利益

−営業外損益:銀行利息、為替損益、株式損益など
=経常利益

−特別損益 :突発的な損益、固定資産の売却など
−税金   :法人税、法人住民税、消費税など
=当期純利益

営業利益率(=営業利益 ÷ 売上)
5%〜10%で優良な経営状況といえます。


年間の経営活動で得た当期純利益を
利益余剰金として自己資本(純資産)に加える。

ちなみに、自己資本(純資産)と、
銀行などから借りた他人資本を合わせた
「総資産」が会社のお財布になります。

自己資本比率(=自己資本 ÷ 総資産)
少なくても30%、50%以上で優良な経営状況。


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[ 貸借対照表(BS) ]

ROE(=当期純利益 ÷ 自己資本)
自己資本(純資産)は、返済不要な資産、
ROEは、自己資本利益率の略になります。
10%以上で投資価値があると判断されます。


ROA(=当期純利益 ÷ 総資産)
総資産は、自己資本(純資産)+他人資本(負債)、
ROAは、総資産利益率の略になります。
5%以上で投資価値があると判断されます。

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