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クルマ離れで成長鈍化/低燃費タイヤなどエコカー需要『ゴム・ゴム製品』*日本経済68業界

日経平均株価(225銘柄)で登場する
合計68業界の動向を紹介します。

素材の『ゴム・ゴム製品』

ゴムには、
天然ゴムと合成ゴムの2種類あります。
・天然ゴム:ゴムの木の樹液が原料
・合成ゴム:石油が原料

▼業界動向
2014年→2020年 下落
2021年→2023年 成長

▼業界平均
・売上高   :6280億円
・営業利益率 :3.55%
・自己資本比率:47.96%
・ROE          :4.16%
・ROA          :2.74%

※用語の詳しい説明は文章下段の
 【経営の基礎知識】から確認できます。

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1位 株式会社ブリヂストン
増収増益:売上4兆3138億円/23年12月期


石橋正二郎によって1931年に創設された
日本のタイヤメーカーで、
石橋(Bridge stone)が社名の由来です。

自動車用タイヤサプライヤーとして、
フランスの「ミシュラン」
アメリカの「グッドイヤー」と並ぶ
世界3大メーカーの1つ。

乗用車用、小型トラック用、
トラック・バス用タイヤをはじめ、
航空機用、建設・鉱山車両用、
モーターサイクル用、農業機械用、
産業車両用など幅広い種類のタイヤを
世界150ヶ国以上に展開・販売しています。

グループ会社には、
スポーツ向け、子供向けなど自転車を販売する
ブリヂストンサイクル株式会社

ゴルフクラブやゴルフウェアなどの
「ブリヂストンゴルフ」ブランドを持つ
ブリヂストンスポーツ株式会社

など、タイヤ製造の技術を活かして
事業の柱を増やして増収増益。


2位 旭化成株式会社
増収増益:売上2兆7848億7800万円/24年3月期

繊維/化学品/医療機器/電子機器/自動車/住宅/建材
などの事業を行う日本の大手総合化学メーカー。
医薬品や検査薬の製造も行なっています。

・基礎化学品、原料樹脂/樹脂フィルムなど化学品、
 合成化学繊維やフェルト生地、合成ゴムの製造。

・医療用機器/電気機械/半導体/水処理機器用/
 自動車用電池など化学品の材料や機器類も製造。

直近の業績では
医療機器や自動車用樹脂の販売が好調です。

主なグループ企業)
・旭化成メディカル(医療用機器)
・旭化成エレクトロニクス(半導体製造)
・旭化成ファーマ(医薬品/検査薬の製造)
・旭化成ホームズ株式会社(住宅販売)
・旭化成建材株式会社(建築材料/土木資材販売)

旭化成ホームズ株式会社のヘーベルハウスは
ダイワハウスや積水ハウスよりも高単価で
耐震/耐火性能に優れている戸建て注文住宅です。

旭化成建材株式会社は
コンクリートなど建築物用材料土木資材を
製造・販売し、付随する工事を請負。
産業用断熱材「ネオマフォーム」も手掛けています。


3位 住友化学株式会社
減収減益:売上2兆4468億9300万円/24年3月期


1925年に創業した
住友グループの総合化学メーカーとして

エッセンシャルケミカルズ(合成繊維・合成樹脂)
エネルギー・機能材料(ゴム、アルミニウム)
情報電子化学(ディスプレイ向けフィルム、半導体材料)
健康・農業関連、医薬品の5つの事業を展開。

ディスプレー向けフィルムや半導体材料が好調。
医薬品などの構造改革でコスト圧縮し採算改善。

ラービグ精製石油化学会社(通称ペトロ・ラービグ)の 
保有株を一部売却することで特別損失を見込むが
最終損益は黒字へ回復傾向。

在庫削減、資産や政策保有株の売却などで
約6000億円のキャッシュ創出。
グループの住友ファーマ株式会社の再建策が焦点。


4位 三井化学株式会社
減収減益:売上1兆7497億4300万円/24年3月期


1955年に創業した
三井グループの総合化学メーカーとして
建物の内装外装、車体、エンジン周辺、
電子機器、医療機器、医薬品材料、化粧品材料
など幅広い分野の素材を提供しています。

エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)
(エチレンとプロピレンとゴムの化合物)を
初めて国産化しました。

加工性、耐候性、耐オゾン性、耐熱性、
耐寒性、耐薬品性、電気特性に優れており

機能性、経済性から自動車部品、土木建築資材、
電線ケーブル、工業薬品などで使用されています。

合成ゴムの新しい領域を拡げるため、
小型化、高耐久、加工性の向上ニーズに応えるべく
開発されたのが「VNB-EPT」「EBT」で、

クロロプレンゴム、アクリルゴム、
シリコーンゴムに代わる新素材です。

直近の業績では、自動車向け素材や
メガネレンズ、農薬の需要が伸びており、

石油化学事業は、交易条件が改善して
値上げもしていますが、市場に浸透しています。

大阪のエチレン設備での不具合や
半導体材料の伸びが鈍く減益になっていますが
配当は連続で増やしています。

出光興産株式会社と千葉県にある
基礎化学品エチレンの生産拠点の集約検討。

三菱ケミカルグループ株式会社、旭化成株式会社と
基礎化学品エチレン生産設備の脱炭素化の連携検討。
ポリオレフィン事業でも最適化の検討を進めます。


5位 株式会社レゾナック・ホールディングス
減収減益:売上1兆2888億6900万円/23年12月期


子会社の株式会社レゾナックは化学メーカー。

株式会社日立製作所の化学部門が独立した
日立化成株式会社が日立グループから離脱して
2020年、昭和電工株式会社の連結子会社となり、
昭和電工マテリアルズ株式会社に社名変更。

2023年、昭和電工株式会社と事業統合し
株式会社レゾナックに社名変更。
親会社の昭和電工株式会社が持株会社となり
株式会社レゾナック・ホールディングスが発足。

AI(人工知能)半導体の基幹部品や、
電子材料需要が伸びており、

データセンター向けの記憶媒体や、
半導体を最終製品に組み立てる後工程材料が好調。

石油化学製品は、ナフサ価格の上昇で
在庫の評価益が膨らんで改善しています。

大分市の大分コンビナートで手掛ける
石油化学事業のスピンオフ(分離・独立)に向け、
クラサスケミカル株式会社を設立。
分社化は2025年1月を予定しています。

合成ゴムのブチルゴムは、
耐熱性、耐候性、耐水性、耐薬品性など
様々な特性に優れた材料として

コンデンサパッキン、高圧スチームホース、
医療品用ゴム栓、ゴム手袋など
幅広い製品に使われています。

乳化重合した合成ゴムのクロロプレンゴムは
機械的強度、耐候性、耐薬品性、耐熱性などの
バランスに優れています。

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【経営の基礎知識】これさえ分かれば大丈夫!

[ 損益計算書(PL) ]

売上高(客数 × 客単価)
−原価   :仕入など製造原価、人件費など売上原価
−販売管理費:営業活動費、物流、広告、水光熱など
=営業利益

−営業外損益:銀行利息、為替損益、株式損益など
=経常利益

−特別損益 :突発的な損益、固定資産の売却など
−税金   :法人税、法人住民税、消費税など
=当期純利益

営業利益率(=営業利益 ÷ 売上)
5%〜10%で優良な経営状況といえます。


年間の経営活動で得た当期純利益を
利益余剰金として自己資本(純資産)に加える。

ちなみに、自己資本(純資産)と、
銀行などから借りた他人資本を合わせた
「総資産」が会社のお財布になります。

自己資本比率(=自己資本 ÷ 総資産)
少なくても30%、50%以上で優良な経営状況。


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[ 貸借対照表(BS) ]

ROE(=当期純利益 ÷ 自己資本)
自己資本(純資産)は、返済不要な資産、
ROEは、自己資本利益率の略になります。
10%以上で投資価値があると判断されます。


ROA(=当期純利益 ÷ 総資産)
総資産は、自己資本(純資産)+他人資本(負債)、
ROAは、総資産利益率の略になります。
5%以上で投資価値があると判断されます。

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