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非通信事業への投資拡大『通信サービス』*日本経済68業界

日経平均株価(225銘柄)で登場する
合計68業界の動向を紹介します。

情報・通信・広告の『通信サービス』

▼業界動向
2014年→2020年    横ばい
2021年                 下落
2022年→2023年    横ばい

▼業界平均
・売上高   :1兆7896億円
・営業利益率 :9.82%
・自己資本比率:23.29%
・ROE          :8.59%
・ROA          :2.82%

※用語の詳しい説明は文章下段の
 【経営の基礎知識】から確認できます。

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1位 NTTグループ
増収減益:売上13兆3745億6900万円/24年3月期

NTTは、
NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONEの略。
1985年、日本電信電話公社から民営化しました。

NTTグループの主要5社
・株式会社NTTドコモ(移動通信)
・東日本電信電話株式会社(固定電話など地域通信)
・西日本電信電話株式会社(固定電話など地域通信)
・NTTコミュニケーションズ株式会社(国際通信)
・株式会社NTTデータ(システムインテグレーター)

データセンター事業など海外ITサービスは好調。

地域通信事業は固定電話の需要減に加え、
老朽化した設備の入れ替えもありコスト増加で減益。

天気予報サービス「177」を25年3月終了。
電話番号案内サービス「104」と
紙の電話帳「タウンページ」発行は26年3月終了。
需要低迷が続く旧来型サービスを見直しています。

24年1月からの新NISAによる
株式分割を機に個人株主が増加しました。
(24年6月時点226万人と23年3月の2.5倍)

2位 ソニーグループ株式会社
増収減益:売上13兆207億6800万円/24年3月期

携帯電話などの通信機器、通信サービスの展開、
テレビやカメラなどの電気機器の製造・販売を行なう
総合電機メーカーです。

その他、
半導体や航空機の部品製造事業や、
金融事業(ソニー銀行、ソニー生命保険、
ソニー損保など)を展開しています。

また、コンテンツ制作・配信の事業では、
ゲーム事業は買収費用の減少などで利益拡大。

音楽や映画事業も堅調に伸びておりますが、
日本やアメリカにおける税額控除減少に伴い
法人所得税の負担が増えてしまい最終減益。

半導体事業においては、
新型イメージセンサーの不良率改善など
収益改善に努めています。

27年3月期を最終年度とする
新たな中期経営計画を発表しました。

戦略投資枠を1兆8000億円とし、
金融事業を除く営業利益率を
年平均で10%以上拡大させる目標を掲げました。


3位 ソフトバンクグループ株式会社
増収増益:売上6兆7565億円/24年3月期

主力事業の携帯電話、固定電話などの
モバイル通信サービスでは
2015年にワイモバイル株式会社を買収。

第99代内閣総理大臣菅義偉が
2021年4月以後から実施した
官製(政策)値下げの影響が一巡し法人事業も好調。

成長領域のPayPayなどを含む
ファイナンス事業も黒字の見通しです。

25年3月期の連結最終損益は、
4期ぶりに黒字転換する見通し。

ビジョン・ファンド事業の投資損益は
株高の影響で改善する見込みです。

傘下のイギリス半導体設計アーム社を中心に、
時価純資産(株式価値−純有利子負債(≒他人資本))の
拡大が続いています。

また、ソフトバンクグループが主導により、
アメリカの半導体メーカー
「エヌビディア社」が新規投資家として、

イギリス新興の自動運転技術会社
「ウェイブ・テクノロジーズ社」への
10億5000万ドルの資金調達を実施。

既存投資家のマイクロソフト社も
追加で資金調達を実施しました。

また、生成AIの開発に必要な計算基盤の整備に
1500億円を追加投資、
計算能力を現状の37倍と国内トップ級に増強。

世界の最先端モデルと
同水準の生成AI開発を進めています。


4位 KDDI株式会社
増収増益:売上5兆7540億4700万円/24年3月期

主力事業の携帯電話、固定電話などの
モバイル通信サービスは5G推進で通信料収入増加。

金融やデジタルトランスフォーメーション(DX)
支援といった非通信事業も好調です。

TOB(株式公開買い付け)が成立した
ローソン事業も寄与し全体で増収増益。
株主への年間配当は5円増の145円へ。

運営に参画する共通ポイント
「Ponta(ポンタ)」をテコ入れ、経済圏を強化。
月額制の会員サービス
「auスマートパスプレミアム」との連携も構想。


5位 日本電気株式会社(NEC)
減収減益:売上3兆4772億6200万円/24年3月期

携帯電話などの通信機器、通信サービスの展開、
コンピューターや周辺機器、レジなどの業務用機器
自動車用電池など、電気機器の製造・販売を行なう
総合電機メーカーです。

日本航空電子工業株式会社を
非連結化した影響で減収になっています。

棚卸資産(在庫)の評価替えによりコストをなくして
営業増益を確保したものの、

税金が減少した23年3月期からの反動で
一時的な利益・費用を除いた当期純利益は減少。

また、企業向けに新たな生成AIサービスを開始。
自社製サーバーとセットで提供し、
機密性の高いデータの社内運用を求める
企業の需要を取り込みます。

会計ソフトなど業務用パッケージソフトの開発や
システムインテグレーターとして
システム設計、開発なども手掛けています。

6位 楽天グループ株式会社
増収増益:売上2兆713億1500万円/23年12月期

スマートフォンやタブレット端末の普及、
即日配送などのサービス拡充により
ネット通販市場は年々拡大しています。

EC(ネット通販)事業、
銀行、クレジットなど金融事業が好調。

株式市況の影響を受ける証券サービスを除いた
実力値では22年12月期から2桁増収。

赤字が続く携帯電話事業は、
EBITDA(減価償却前利益=営業利益+減価償却費)
ベースで単月黒字化を目指しています。
グループ全体の赤字は続いていますが赤字幅は縮小。

電波が繋がりやすい周波数帯「プラチナバンド」の
商用サービスを24年6月27日に開始し、
通信品質を改善。
ARPU(1契約あたりの月間平均売上)を向上へ。

また、楽天グループ株式会社
(旧・楽天トラベル株式会社)として
宿やホテルと宿泊者を繋ぐ旅行マッチングサイト
「Rakuten Travel」を運営しています。

主なグループ企業)
楽天モバイル株式会社(通信/携帯電話)
楽天コミュニケーションズ株式会社(DX推進)
楽天エナジー株式会社(電気/ガス)
楽天カード株式会社(クレジット/ファイナンス)
楽天銀行株式会社
楽天証券株式会社
楽天生命保険株式会社
楽天Edy株式会社(電子マネー)
楽天ウォレット株式会社(仮想通貨)
楽天チケット株式会社
株式会社楽天野球団
楽天ヴィッセル神戸株式会社

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【経営の基礎知識】これさえ分かれば大丈夫!

[ 損益計算書(PL) ]

売上高(客数 × 客単価)
−原価   :仕入など製造原価、人件費など売上原価
−販売管理費:営業活動費、物流、広告、水光熱など
=営業利益

−営業外損益:銀行利息、為替損益、株式損益など
=経常利益

−特別損益 :突発的な損益、固定資産の売却など
−税金   :法人税、法人住民税、消費税など
=当期純利益

営業利益率(=営業利益 ÷ 売上)
5%〜10%で優良な経営状況といえます。

年間の経営活動で得た当期純利益を
利益余剰金として自己資本(純資産)に加える。

ちなみに、自己資本(純資産)と、
銀行などから借りた他人資本を合わせた
「総資産」が会社のお財布になります。

自己資本比率(=自己資本 ÷ 総資産)
少なくても30%、50%以上で優良な経営状況。

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[ 貸借対照表(BS) ]

ROE(=当期純利益 ÷ 自己資本)
自己資本(純資産)は、返済不要な資産、
ROEは、自己資本利益率の略になります。
10%以上で投資価値があると判断されます。

ROA(=当期純利益 ÷ 総資産)
総資産は、自己資本(純資産)+他人資本(負債)、
ROAは、総資産利益率の略になります。
5%以上で投資価値があると判断されます。

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