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化粧品や衛生用紙、台所や事務用品など『日用品・生活用品 』*日本経済68業界

日経平均株価(225銘柄)で登場する
合計68業界の動向を紹介します。

生活の『日用品・生活用品 』

化粧品、トイレットペーパーなどの衛生用紙、
石鹸やシャンプーなどのトイレタリー、
台所や浴室用品、文具事務用品、ペットフードなど

▼業界動向
2014年→2023年    横ばい

▼業界平均
・売上高   :1916億円
・営業利益率 :6.49%
・自己資本比率:56.42%
・ROE          :7.28%
・ROA          :5.41%

※用語の詳しい説明は文章下段の
 【経営の基礎知識】から確認できます。

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1位 富士フィルムホールディングス株式会社
増収増益:売上2兆9609億1600万円/24年3月期


富士フイルム株式会社と
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(旧:富士ゼロックス株式会社)を傘下に持つ
持株会社で、1934年に設立しました。

1986年、最初のレンズ付きフィルムカメラ
「写ルンです」を発売。
1998年、インスタントカメラ「チェキ」を発売。

2000年代、デジタル化が急速に進んだことで
主力事業の写真フィルムの需要が減少する中、
富士フイルムは事業転換に踏み切りました。

2006年、化粧品事業をスタートし
2007年に女性向け高機能化粧品の
「ASTALIFT(アスタリフト)」シリーズが誕生。

2019年には男性用の
「ASTALIFT MEN(アスタリフトメン)」で
男性用スキンケア市場にも参入しました。

直近では、
デジタルカメラ、インスタントカメラ「チェキ」、
半導体製造に使う高機能材料の販売増で増収。

バイオ医薬品の受託製造事業の
構造改革費用などを吸収し、
純利益は5年連続で過去最高を更新。

24年7月に社会貢献事業に用途を絞る
ソーシャルボンド(社会貢献債)で2000億円を調達。
バイオ医薬品の受託製造事業の能力増強。


2位 王子ホールディングス株式会社
減収減益:売上1兆6962億6800万円/24年3月期


新聞用紙、印刷・情報用紙部門を担当する
王子製紙株式会社などの子会社を保有。
紙パルプ業界では国内1位、世界4位。

ティシュ、トイレットロール、キッチンタオル、
ウエットティシュ、マスクなどを取り扱い、
「nepia」シリーズの鼻セレブが有名です。

海外事業では、販売数が回復し値上げも寄与。
売上高は過去最高となる見通し。

国内事業では、原燃料価格の高騰や、
鳥取県米子市に建設中のバイオエタノールの
パイロットプラント(試験用工場)建造コストが負荷。

北海道の苫小牧工場で排出された二酸化炭素と.
工場内の水力発電で生じる水素でメタン合成を検討。
2030年までに東京電力と設備導入を目指します。


3位 花王株式会社
減収減益:売上1兆5325億7900万円/23年12月期


石鹸、シャンプー、歯磨き粉、洗剤、化粧品、
衛生用紙(ティッシュ、トイレットペーパー、
おむつ・生理用品)などのトイレタリーを中心に

体脂肪をエネルギーとして燃やしやすくする
飲料「ヘルシア」などの機能系食品や、
ペット用品なども販売している日用品メーカー。

※「ヘルシア」は2024年8月に
 キリンビバレッジ株式会社に譲渡されました。

国内の日用品を中心に販売が伸び、
高付加価値製品の値上げや構造改革も寄与。
年間配当は2円増やし152円。35期連続の増配。

若者向け化粧品ブランド「KATE(ケイト)」で
初の直営旗艦店を開業。
約30ある化粧品ブランドの統廃合を進め、
ケイトなど計11のブランドに注力する。
「コフレドール」「オーブ」は2024年内に終売。

花王は食用油「エコナ」に
発がん性リスクのあるグリシドールに変換する
可能性があるグリシドール脂肪酸エステルが
多く含まれていることが判明したため、
2009年9月に製造・販売を中止しています。

現在、食品事業では、食品加工用製品として
起泡性のある洋菓子・パン用乳化剤、
凝固速度を調整する豆腐用添加剤、
老化を遅延させる食品乳化剤、添加剤などを提供。


4位 セイコーエプソン株式会社
減収減益:売上1兆3139億9800万円/24年3月期


株式会社第二精工舎
(現・セイコーインスツル株式会社)の出資を受け、

1942年、長野県諏訪市にて
有限会社大和工業を設立。

セイコー腕時計の部品製造、組み立て工場として
操業した、情報関連機器、精密機器の電機メーカー。

インクジェットプリンター、プロジェクター、
パソコン、スキャナーなど情報関連機器の製造、

水晶振動子(クォーツ)、半導体などの
電子デバイス部品の製造、

産業用ロボットや小型射出成形機、
分光ビジョンシステムなどの産業用機器の製造。

セイコーグループ株式会社、
セイコーインスツル株式会社と共に、
セイコーグループ中核3社の1つで、

現在もSEIKOブランドの各腕時計の
開発・生産を行っているほか、

子会社であるオリエント時計株式会社を事業統合し
機械式腕時計のオリエントスターや
オリエントブランド腕時計の開発・生産・販売も
セイコーエプソンが行っています。

主力のインクジェットプリンターは
目標通りの販売量を達成し、
大容量インクタンクモデルが新興国中心に好調。

欧米での教育需要停滞や中国の景気減速から
プロジェクターが不振に陥り、
円高による為替差損も発生して最終減益。

2024年、印刷関連のソフトウエアを開発する
アメリカのファイアリー社を約845億円で買収予定。
手元資金と有利子負債の調達で財源確保。
手続き中のため25年3月期通期の業績予想に未反映。


5位 日本製紙株式会社
増収増益:売上1兆1673億1400万円/24年3月期


1949年に設立した前身の十條製紙株式会社が
東北振興パルプ株式会社、山陽国策パルプ株式会社、
大昭和製紙株式会社と合併して日本製紙が誕生。
紙パルプ業界では国内2位、世界8位。

主なグループ会社)
紙・板紙事業の日本製紙パピリア株式会社
段ボール原紙やクラフト紙の新東海製紙株式会社
建材・パルプ材の日本製紙木材株式会社
衛生用紙など生活用品の日本製紙クレシア株式会社

日本製紙クレシアのティッシュペーパー
「スコッティ」「クリネックス」が有名。

日本製紙の株価は
2019年4月の2364円をピークに、
2024年8月に820円まで下落しています。

海外進出やティッシュなど成長分野の出遅れ、
新型コロナウイルス禍の印刷用紙の市場縮小。

祖業である「紙・板紙」の戦略投資をゼロとし、
新規事業に力を入れ始めたが、株式市場では、
遅すぎた戦略転換に疑念が残り続けています。


6位 マルハニチロ株式会社
増収増益:売上1兆306億7400万円/24年3月期


1880年、山口県下関市創業の
遠洋漁業/捕鯨/水産加工大手のマルハ株式会社
(旧・大洋漁業株式会社)と、

1906年、新潟県三条市創業の
北洋漁業/水産加工大手の株式会社ニチロ
(旧・日魯漁業株式会社)が、
2007年に経営統合し、2014年に合併。

漁業/養殖/買付から生産/加工/販売まで
世界中に独自のネットワークを構築し、

世界最大規模の水産物サプライヤーとして、
多種多様な水産物を年70万トン以上取り扱い
安全・安心な水産物を安定提供しています。

冷凍食品など加工食品の販売が
国内外で堅調に推移して増収。

前期に在庫調整で落ち込んだ
タイのペットフード事業が回復し営業増益。

政策保有株式として保有していた
株式会社C&Fロジホールディングスの株式を、
佐川急便を母体とする
SGホールディングス株式会社のTOBに応じて売却。
2025年4月〜9月期連結決算に特別利益60億円計上。


7位 株式会社資生堂
減収減益:売上9730億3800万円/23年12月期


1872年、日本初の洋風調剤薬局として
東京・銀座に「資生堂薬局」を創業。

その後、育毛剤の販売を開始。
日本初の練歯磨「福原衛生歯磨石鹸」を発売。

1897年、化粧品業界へ進出し
高等化粧水「オイデルミン」を発売。

1902年、東京・銀座の資生堂薬局内に、
日本ではじめてソーダ水・アイスクリームの
製造と販売を行う「ソーダ・ファウンテン」開設。

※後に、洋食・喫茶店の運営を行う
 株式会社資生堂パーラーに発展します。

その後、養毛剤「フローリン」を発売。
雑誌のタイトルでもある「花椿」を商標登録。

1927年、株式会社資生堂設立
1928年、資生堂パーラーが営業開始。
1931年、東南アジア向けに「ローズ化粧品」輸出。
初の本格的な海外展開を行いました。

2021年、マス市場向けブランド
「TSUBAKI」「SENKA」「uno(化粧品)」などを
イギリスのCVC キャピタル・パートナーズ社が
出資しているOriental Beauty Holding社に売却。
(資生堂はOBH社の株式35%を保有)

また、
2016年に締結した「DOLCE&GABBANA」との
ライセンス契約の解消を発表しました。
商標権減損による特別損失は約350億円。

現在展開している主なブランドは、
SHISEIDO、ELIXIL(エリクシール)、
MAQUillAGE(マキアージュ)、HAKU(ハク)
BENEFIQUE(ベネフィーク)、PRIOR(プリオール)

24年12月期は日本や欧米で
化粧品の販売が伸びて増収となりましたが

免税品販売を含む中国不振と
構造改革費用の計上により減益。

直営店事業や、
健康ドリンクなど体の中から美しくする
インナービューティーブランドの一部を

2025年1月1日付で連結子会社である
株式会社ザ・ギンザ(オリジナル化粧品の開発販売)
資生堂ジャパン株式会社(日本地域の化粧品販売)に
簡易(株主総会の承認不要)吸収分割で事業承継。


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【経営の基礎知識】これさえ分かれば大丈夫!

[ 損益計算書(PL) ]

売上高(客数 × 客単価)
−原価   :仕入など製造原価、人件費など売上原価
−販売管理費:営業活動費、物流、広告、水光熱など
=営業利益

−営業外損益:銀行利息、為替損益、株式損益など
=経常利益

−特別損益 :突発的な損益、固定資産の売却など
−税金   :法人税、法人住民税、消費税など
=当期純利益

営業利益率(=営業利益 ÷ 売上)
5%〜10%で優良な経営状況といえます。


年間の経営活動で得た当期純利益を
利益余剰金として自己資本(純資産)に加える。

ちなみに、自己資本(純資産)と、
銀行などから借りた他人資本を合わせた
「総資産」が会社のお財布になります。

自己資本比率(=自己資本 ÷ 総資産)
少なくても30%、50%以上で優良な経営状況。


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[ 貸借対照表(BS) ]

ROE(=当期純利益 ÷ 自己資本)
自己資本(純資産)は、返済不要な資産、
ROEは、自己資本利益率の略になります。
10%以上で投資価値があると判断されます。


ROA(=当期純利益 ÷ 総資産)
総資産は、自己資本(純資産)+他人資本(負債)、
ROAは、総資産利益率の略になります。
5%以上で投資価値があると判断されます。

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