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超高齢化社会に対応する『医薬品・バイオ関連』*日本経済68業界

日経平均株価(225銘柄)で登場する
合計68業界の動向を紹介します。

医療医薬・バイオの『医薬品・バイオ関連』

医薬品には、
医療用、一般用(OTC)、後発(ジェネリック)
バイオテクノロジー(バイオ)などがあります。

▼業界動向
2014年→2023年    横ばい

▼業界平均
・売上高   :3169億円
・営業利益率 :6.63%
・自己資本比率:51.73%
・ROE          :5.78%
・ROA          :4.18%

※用語の詳しい説明は文章下段の
 【経営の基礎知識】から確認できます。

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1位 三菱ケミカルグループ株式会社
減収増益:売上4兆3872億1800万円/24年3月


2005年、化学メーカーの三菱化学株式会社
(現:三菱ケミカル株式会社)と、
医薬品メーカーの三菱ウェルファーマ株式会社
(現:田辺三菱製薬株式会社)との株式移転により、
両社の共同持株会社として設立されました。

化学品、医薬品、ガス、電池材料、
樹脂などの総合化学企業として
化学繊維(合成繊維、炭素繊維など)も製造。

具体的な繊維は、
ポリエチレン (PE)、ポリプロピレン (PP)、
ポリスチレン (PS)、ポリ塩化ビニル (PVC) の
など汎用樹脂(汎用プラスチック)、

耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性、
透明性、耐薬品性に優れているエンプラ樹脂、

ゴムと同様の弾性と高温加熱で軟化する
熱可塑性があるエラストマー(弾性化合物)、

木材パルプなどの植物由来の原料を使用し
安価でシルクのような肌触りのアセテート繊維

アクリル樹脂、炭素繊維強化プラスチック、
工業用化学品、石化原料、溶剤、樹脂複合材、
合成紙、製造工程材、電池材料、
ディスプレイ材料、イメージング部材、
照明材料、半導体材料、絶縁材料などがあります。

アクリル樹脂原料MMA事業も復調。
ディスプレイ向けフィルムや
半導体向けなどで高機能材料も伸びました。

石油化学事業の市況は回復傾向ですが
国内設備の過剰感が強く生産体制の最適化を進め、
資産効率やコスト構造の改革を進めています。

旭化成株式会社、三井化学株式会社と共同で
基礎化学品エチレン生産設備の脱炭素化の連携検討。


2位 武田薬品工業株式会社
増収減益:売上4兆2637億6200万円/24年3月期


1925年に設立した大手製薬会社。
積極的なM&Aで業績拡大を続けています。

特許切れ薬によるマイナス影響がありましたが
主力の潰瘍性大腸炎治療薬が伸びて増収。
1400億円を投じて事業構造の再編を実施。

睡眠障害の1つ「ナルコレプシー」向け
治療薬候補の臨床試験(治験)が最終段階に入りました。

日本の大手製薬会社では、
武田薬品工業株式会社が日本1位(世界13位)。

2位以下は売上約1兆円規模の会社が並びます。
・大塚ホールディングス株式会社
・アステラス製薬株式会社
・第一三共株式会社
・中外製薬株式会社
・エーザイ株式会社

ちなみに、
世界1位だったアメリカのファイザーは、
武田薬品工業株式会社の約2倍の売上。
コロナワクチンの需要落ち込みで
世界1位から3位に転落しています。


3位 サントリーホールディングス株式会社
増収増益:売上3兆2851億1000万円/23年12月期


1899年、大阪市で鳥井信治郎(1879-1962)が
葡萄酒の製造販売を目的とした鳥井商店を創業。
1963年、サントリー株式会社に社名変更。

ウイスキーなどスピリッツ事業、ビール事業、
ワイン事業、清涼飲料水事業、健康食品化粧品事業、
外食事業(パパミラノ、プロント、ハーゲンダッツ等)
など各企業を束ねる持株会社。

事業の主要な部分はアルコール飲料ですが
1980年代以降は清涼飲料水も主力商品。

2005年、アメリカのスターバックス社と提携し、
コンビニエンスストア販売用チルドカップコーヒー
「スターバックス・ディスカバリーズ」を発売。

証券取引所に上場していない非上場企業で、
発行済株式数の約9割は創業家の資産管理会社である
寿不動産株式会社が所有しています。

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により
需要が増していることを受けて、
エタノールを生産し、厚労省などを通じて
医療機関や高齢者施設などに供給しました。

かつては、
第一製薬株式会社(のちに三共株式会社と合併して
第一三共株式会社)との共同出資で、
医薬品事業の新会社を設立したこともありました。


4位 富士フィルムホールディングス株式会社
増収増益:売上2兆9609億1600万円/24年3月期


富士フイルム株式会社と
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(旧:富士ゼロックス株式会社)を傘下に持つ
持株会社で、1934年に設立しました。

デジタルカメラ、インスタントカメラ「チェキ」、
半導体製造に使う高機能材料の販売増で増収。

バイオ医薬品の受託製造事業の
構造改革費用などを吸収し、
純利益は5年連続で過去最高を更新。

24年7月に社会貢献事業に用途を絞る
ソーシャルボンド(社会貢献債)で2000億円を調達。
バイオ医薬品の受託製造事業の能力増強。


5位 アフルレッサ ホールディングス株式会社
増収増益:売上2兆8585億円/24年3月期


2003年、大阪の株式会社アズウェルと
東京の福神株式会社が共同持株会社として
アルフレッサ ホールディングス株式会社を設立。

2004年、株式会社アズウェルの卸売事業部門と
子会社化したばかりの株式会社大正堂の営業部門を
承継した福神株式会社が、医薬品卸や開局支援を行う
アルフレッサ株式会社に社名変更。

株式会社アズウェルは製造事業の
アルフレッサ ファーマ株式会社に社名変更しました。

その他、医薬品の輸送を行う
エーエル プラス株式会社なども傘下に入っています。

アドレナリン点鼻液の製造販売承認を申請しており、
食物や薬物などで起こるアナフィラキシーに対する
補助治療薬として実用化を目指しています。

医療用医薬品の拡大などを受け、
2期連続で増収が続いています。

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【経営の基礎知識】これさえ分かれば大丈夫!

[ 損益計算書(PL) ]

売上高(客数 × 客単価)
−原価   :仕入など製造原価、人件費など売上原価
−販売管理費:営業活動費、物流、広告、水光熱など
=営業利益

−営業外損益:銀行利息、為替損益、株式損益など
=経常利益

−特別損益 :突発的な損益、固定資産の売却など
−税金   :法人税、法人住民税、消費税など
=当期純利益

営業利益率(=営業利益 ÷ 売上)
5%〜10%で優良な経営状況といえます。


年間の経営活動で得た当期純利益を
利益余剰金として自己資本(純資産)に加える。

ちなみに、自己資本(純資産)と、
銀行などから借りた他人資本を合わせた
「総資産」が会社のお財布になります。

自己資本比率(=自己資本 ÷ 総資産)
少なくても30%、50%以上で優良な経営状況。


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[ 貸借対照表(BS) ]

ROE(=当期純利益 ÷ 自己資本)
自己資本(純資産)は、返済不要な資産、
ROEは、自己資本利益率の略になります。
10%以上で投資価値があると判断されます。


ROA(=当期純利益 ÷ 総資産)
総資産は、自己資本(純資産)+他人資本(負債)、
ROAは、総資産利益率の略になります。
5%以上で投資価値があると判断されます。

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