コンタクトレンズや衛生用品など『医療・ヘルスケア・介護』*日本経済68業界
日経平均株価(225銘柄)で登場する
合計68業界の動向を紹介します。
医療医薬・バイオの『医療・ヘルスケア・介護』
▼業界動向
2014年→2023年 成長
▼業界平均
・売上高 :1225億円
・営業利益率 :7.43%
・自己資本比率:55.24%
・ROE :12.99%
・ROA :5.81%
※用語の詳しい説明は文章下段の
【経営の基礎知識】から確認できます。
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1位 ユニ・チャーム株式会社
増収増益:売上9417億9000万円/23年12月期
紙おむつ、生理用品などの
衛生用品(衛生用紙)メーカー。
ベビーケア、フェミニンケア、ヘルスケア関連製品で
アジア1位のシェアを誇り海外売上は60%超。
日本やインドで生理用品などの販売が伸び、
北米を中心にペットケアも好調。
新製品発売やリニューアルの
価格引き上げによる単価上昇で、
人件費などのコスト増を吸収。
卵子の凍結保管サービスを安く利用できる
社員の福利厚生制度を開始。
正社員やパートのほか、
その妻や子供なども対象としており
毎月5500円の保管料が3割ほど安くなる。
サウジアラビアでは、女性だけが働く工場を建設し、
女性の雇用と社会進出に大きく貢献している。
2位 HOYA株式会社
増収増益:売上7626億1000万円/24年3月期
眼鏡店向けの眼鏡レンズ・コンタクトレンズ製造、
フォトマスク(半導体などの電子部品で形成される
電子回路の基板に、写真技術で転写する目的で
回路パターンが描かれている原版=ガラス板)製造、
光学レンズ、医療用機器、医薬用ガスの製造。
コンタクトレンズ専門店「アイシティ」を運営し
24年7月現在は国内365店舗。
17年274店舗からは毎年微増を繰り返してます。
グループで世界約40か国に展開し、
レンズやガラスに特化したサービスを提供しています。
半導体やハードディスクの市況好調により最高益。
また、半導体顧客の在庫整理が落ち着き、
24年期の下半期はさらなる受注が見込まれています。
一方で、24年3月に発生したシステム障害の影響で
眼鏡レンズの売上は横ばい。
ハードディスク向けは新工場稼働で費用がかさむ中
停止していたラオス工場の再稼働も検討している。
5期連続で最高益を更新。
自社株式総数の内、300万株(0.86%)を上限に、
24年5-8月で市場から買い付けて費用化(償却)予定。
3位 セイコーグループ株式会社
増収増益:売上2768億700万円/24年3月期
1881年、服部金太郎が服部時計店を創業し、
中古時計を買い取り修繕して売る事業を開始。
1917年、株式会社服部時計店を設立。
高級腕時計のグランドセイコー、
高級・宝飾腕時計のクレドール、
セカンドラインとなるALBA、
ALBAの上級ファッションブランドWIRED、
使用許諾を得た「アニエスベー」を展開。
東京、バルセロナ、ソルトレイクシティ
オリンピックなどの公式時計を担当しています。
1983年、株式会社服部セイコー
1997年、セイコー株式会社
2007年、セイコーホールディングス株式会社
2022年、セイコーグループ株式会社に社名変更。
デバイスソリューション事業として、
時計のために作られたマイクロ電池が、
現在では防犯カメラやドライブレコーダー、
医療用モニタリングデバイスなどに活用。
また、スマートフォンなど
全ての電子機器が動作するために使われている
水晶振動子や水晶発振器用ICを生産。
システムソリューション事業として、
信頼できる時刻インフラを基にした
認証タイムスタンプ/電子署名は
金融業務電子化、電子契約、電子帳簿保存法対応、
インボイス対応などのデジタル技術で活用。
電子契約などあらゆる書類の保管において
電帳法に対応した保管システムを提供。
マイナンバー管理を支援するなど
多様な雇用体系を支える労務管理サービス
「かんたんHRマイナンバー」も提供。
東京都中央区銀座の商業施設「和光」を展開する
株式会社和光はセイコーグループの傘下。
持分法適用会社(関連会社)の
セイコーオプティカルプロダクツ株式会社は
レンズ、フレーム双方の製造を行う眼鏡事業を展開。
4位 小林製薬株式会社
増収増益:売上1734億5500万円/23年12月期
1919年に設立した大阪本社の会社で
処方箋が不要な一般用医薬品と
衛生雑貨(トイレタリー)の企画・製造・販売。
コーポレート・スローガンは
「"あったらいいな"をカタチにする」
1886年、愛知県名古屋市に
雑貨や化粧品店として合名会社小林盛大堂を創業。
1919年、株式会社小林大薬房を創立。
1939年、頭痛薬「ハッキリ」を発売。
1940年、株式会社小林大薬房の製剤部門を分離し、
小林製薬株式会社を設立。
1967年、肩こり治療薬「アンメルツ」を発売。
1969年、トイレ製品「ブルーレット」を発売し
2014年には売上がギネス世界記録に認定されました。
2023年、コロナウイルスとインフルエンザウイルスを
同時に検出可能な第一類医薬品に区分される
一般用検査薬「エスプライン」を発売。
2024年、紅麹の成分を含む自社販売の健康食品を
摂取した人が腎臓病などを発症し、5人が死亡。
健康被害問題を巡り製品回収や
被害者補償の費用など特別損失は100億円を超え、
24年12月期は減益。
5位 株式会社メニコン
増収減益:売上1161億9200万円/24年3月期
1957年、
日本コンタクトレンズ株式会社として設立した
愛知県名古屋市のコンタクトレンズのメーカー。
1965年に東洋コンタクトレンズ株式会社に
社名変更するなど国内だけではなく、
国外企業の買収を行なってきました。
2009年、イギリスのコンタクトレンズメーカー
デイビッド・トーマス・コンタクトレンズ社を買収
2012年、コンタクトレンズ専門店
「エースコンタクト」を運営する
株式会社ダブリュ・アイ・システムを子会社化。
2015年、コンタクトレンズ専門店
「富士コンタクト」を運営する
富士コンタクト株式会社を子会社化。
2016年、コンタクトレンズ専門店
「シティコンタクト」を運営する
株式会社エーアイピーを子会社化。
「エースコンタクト」「富士コンタクト」
「シティコンタクト」の共通ブランドとして
「Miru Partner」を展開。
2020年、中国のコンタクトレンズ製造会社
温州欣視界科技有限公司を子会社化。
コンタクトレンズ専門店
「ハマノコンタクト」を運営する
株式会社ハマノコンタクトを子会社化。
2021年、「アキュビュー」を展開するアメリカの
Johnson & Johnson Vision社と業務提携。
2023年、特殊コンタクトレンズメーカー
フランスのLaboratoires Dencott SA社を子会社化。
シンガポールのコンタクトレンズメーカー
Oculus社の東南アジア販売会社3社を子会社化。
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【経営の基礎知識】これさえ分かれば大丈夫!
[ 損益計算書(PL) ]
売上高(客数 × 客単価)
−原価 :仕入など製造原価、人件費など売上原価
−販売管理費:営業活動費、物流、広告、水光熱など
=営業利益
−営業外損益:銀行利息、為替損益、株式損益など
=経常利益
−特別損益 :突発的な損益、固定資産の売却など
−税金 :法人税、法人住民税、消費税など
=当期純利益
営業利益率(=営業利益 ÷ 売上)
5%〜10%で優良な経営状況といえます。
年間の経営活動で得た当期純利益を
利益余剰金として自己資本(純資産)に加える。
ちなみに、自己資本(純資産)と、
銀行などから借りた他人資本を合わせた
「総資産」が会社のお財布になります。
自己資本比率(=自己資本 ÷ 総資産)
少なくても30%、50%以上で優良な経営状況。
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[ 貸借対照表(BS) ]
ROE(=当期純利益 ÷ 自己資本)
自己資本(純資産)は、返済不要な資産、
ROEは、自己資本利益率の略になります。
10%以上で投資価値があると判断されます。
ROA(=当期純利益 ÷ 総資産)
総資産は、自己資本(純資産)+他人資本(負債)、
ROAは、総資産利益率の略になります。
5%以上で投資価値があると判断されます。