見出し画像

持続可能な社会を実現する電子機器/自動車/住宅などの素材作り『建設資材・設備』*日本経済68業界

日経平均株価(225銘柄)で登場する
合計68業界の動向を紹介します。

建設・不動産の『建設資材・設備』

▼業界動向
2014年→2023年    横ばい

▼業界平均
・売上高   :2212億円
・営業利益率 :5.49%
・自己資本比率:46.90%
・ROE           :7.09%
・ROA              :4.42%

※用語の詳しい説明は文章下段の
 【経営の基礎知識】から確認できます。

◆--------------------------------------------
1位 パナソニックホールディングス株式会社
増収増益:売上8兆4964億2000万円/24年3月期

「より良いくらしと持続可能な地球環境を
両立するために、カーボンニュートラルと
サーキュラーエコノミーの実現に挑み、
様々なインパクトを拡げていきます。」

主力の総合電機事業における各種機器の製造と、
住宅関連の資材販売を行なっています。

・通信機器/スマートフォン/PC
・防犯/防災機器
・家庭用調理家電
・エアコンなど空調機器
・テレビ/照明
・自動車部品(ライト/電装品)/カーナビ
・電動機(モーター)
・油圧/空圧機器/溶接機械
・半導体/電子部品/液晶製造装置
・電池/太陽電池
・住宅の建設資材(床材/内装材)
・住宅設備(システムキッチン/システムバス)

海外における家庭用エアコンや
電動機など電気設備資材の販売が堅調な好調な一方、 

投資分野のEV電池やヒートポンプ暖房は
市況の悪化で伸び悩みましたが、全社的に増収。

液晶関連の子会社解散に伴い
24年3月期は法人税などの税金費用が減ったため、
反動で25年3月期は減益の見通しです。

また、車載機器を手掛けている
パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社の
株式をアメリカ投資ファンドに売却しましたが

簿価(帳簿価額/純額)を下回る譲渡価格となったため
25年3月期以降に約500億円の損失計上を予定。


2位 旭化成株式会社
増収増益:売上2兆7848億7800万円/24年3月期

「クリーンな環境・エネルギー社会と、
健康・快適で安心な長寿社会を目指して
世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します」

化学品/繊維/医療機器/電子機器/自動車/住宅/建材
などの事業を行う日本の大手総合化学メーカー。
医薬品や検査薬の製造も行なっています。

・基礎化学品、原料樹脂/樹脂フィルムなどの
 化学品製造を主力事業としており、
 合成化学繊維やフェルト生地、合成ゴムも製造。

・医療用機器/電気機械/半導体/水処理機器用/
 自動車用電池など化学品の材料や機器類も製造。

直近の業績では
石油分野における化学事業は減損でしたが、

医療機器の需要が回復しており、
自動車用樹脂の販売も好調で、
全社の純利益は大幅増加しました。

自動車のホンダとカナダで共同出資会社を設立。
電気自動車(EV)の電池に使われる主要部材の
セパレーター(絶縁材)工場を27年に稼働目標。
(売上は22年度から31年度で約5倍にする目標)

建設資材(建築材料)のコンクリート、
戸建て住宅の施工/販売、リフォーム/内装工事
など住宅事業も堅調です。

3位 東レ株式会社
増収増益:売上2兆4645億9600万円/24年3月期

「素材には社会を変える力がある」

合成化学繊維/半合成繊維、炭素繊維、
不織布/フェルト生地など繊維を製造する会社です。

原料樹脂/樹脂フィルム、
合成皮革などの化学品の製造を行うと共に、
医薬品の製造も行なっています。

自動車用電池などの化学品や、
電気機械/半導体/医療用機器/水処理機器
など化学品を素材とする機器類も製造。

タイル、レンガ、石材など
建設資材(建築材料)の製造事業も行っています。

直近の業績は、
落ち込んでいた風力発電設備向け
炭素繊維複合材の需要が回復し、

電子機器/情報通信機器/自動車用電池などの
環境エネルギーまで幅広い用途がある
機能化成品の販売が伸びています。

全社的に進めている価値に合わせた
価格改定も寄与して増収増益です。

25年3月期から27年3月期までの3年間で、
約1000億円の政策保有株式(取引先との関係維持を
目的として所持している株式)を削減し、
全て自社株式買いに充てて株主還元を強化。

4位 住友林業株式会社
増収増益:売上1兆7331億6900万円/23年12月期

戸建て住宅の施工/販売、リフォーム/内装工事など
住宅事業を主力として、建設資材の木材管理/調達。

国内は資材高や住宅需要の弱含みで苦戦する一方、
アメリカは金利上昇の一服感が追い風となり、
新築戸建て住宅の販売棟数が回復しています。
海外不動産の売却益も大幅に伸びています。

熊谷組やNTT都市開発と組み、
ベトナム南部のホーチミン市近郊にて
大規模分譲住宅の開発が決定しました。
25年に着工し、34年までに約6700戸を完成予定。

5位 三菱マテリアル株式会社
増収増益:売上1兆5406億4200万円/24年3月期

金属/非鉄金属の製造を主力事業として、
アルミニウムなどの圧延(管/板/棒)、プレス、
ダイカスト(溶かして金型に流し込む)加工を
行なっています。

電気機械工具/超硬工具、
半導体を作る土台となるシリコンウエハ、
建設資材のセメント/生コンクリートなども製造。

電気自動車(EV)向け銅加工の需要増加や
半導体市況の回復に伴い販売が増えています。

各国の銅鉱山からの
配当金収入減少を見込んでいますが、

金属純度を高める精錬所における
生産トラブル解消により業績改善。

超硬工具に使われるタングステンを
扱っているドイツの素材メーカー、
エイチ・シー・スタルク・ホールディングの
全株式を25年3月期に取得予定。

研究開発などにおいて
既存事業との相乗効果を見込んでいます。

➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
【経営の基礎知識】これさえ分かれば大丈夫!

[ 損益計算書(PL) ]

売上高(客数 × 客単価)
−原価   :仕入など製造原価、人件費など売上原価
−販売管理費:営業活動費、物流、広告、水光熱など
=営業利益

−営業外損益:銀行利息、為替損益、株式損益など
=経常利益

−特別損益 :突発的な損益、固定資産の売却など
−税金   :法人税、法人住民税、消費税など
=当期純利益

営業利益率(=営業利益 ÷ 売上)
5%〜10%で優良な経営状況といえます。

年間の経営活動で得た当期純利益を
利益余剰金として自己資本(純資産)に加える。

ちなみに、自己資本(純資産)と、
銀行などから借りた他人資本を合わせた
「総資産」が会社のお財布になります。

自己資本比率(=自己資本 ÷ 総資産)
少なくても30%、50%以上で優良な経営状況。

◆-----------------------------------------
[ 貸借対照表(BS) ]

ROE(=当期純利益 ÷ 自己資本)
自己資本(純資産)は、返済不要な資産、
ROEは、自己資本利益率の略になります。
10%以上で投資価値があると判断されます。

ROA(=当期純利益 ÷ 総資産)
総資産は、自己資本(純資産)+他人資本(負債)、
ROAは、総資産利益率の略になります。
5%以上で投資価値があると判断されます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?