【美術展感想】テート美術館展2023.09.01
以前、光をテーマにした『LIGHT光TATE テート美術館展-ターナー、印象派から現代へ』を鑑賞しました。その時のことを書いて見ようと思います。
展示物は非常に印象的で、特に近代アートの作品には驚かされました。色彩の鮮やかさやアーティストの創造力に感動しました。
展示スペースの配置が素晴らしく、現代と印象派時代が混ざり合った場所もあり、光をテーマに現代と印象派時代の相違点を鑑賞できた面白い内容でした。
また、展示解説も充実しており、作品についても深く理解できました。
テート美術館展は約120点の作品が来ていました。作成過程の絵も含み芸術愛好者にとって必見の展示となっていました。
【なぜ鑑賞しようと思ったのか】
光のある風景画が好きだからです。
もともと風景が好きで、特に陽光がある空や海や川の景色に惹かれます。
日常でも写真を撮ったり景色を眺めています。
モネの『印象ー日の出』に始まり
ゴッホの『カフェテラス』
ルネ・マグリッド『光の帝国』
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール『大工の聖ヨセフ』
ルノワール『陽子の中の裸婦』
という光が関係ある絵画が好きです。
なぜ好きっかは説明ができなかったけど、とにかく好きでした。
光をテーマにした本展示会の絵を見た時、
「あぁ、僕が好きなのは海や空や雲だけでなく太陽の光が差し込んだ光がある輝くような空や海が好きなんだ」と改めて気づきました。
そんな昔から光と景色を探求した画家たちの絵を見たい衝動にかられたのが見るきっかけでした。特にジョン・ブレットの『ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡』の絵に非常に惹かれてどうしてもみたいと思いました!!
【ジョン・ブレットの『ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡』】
テート美術館展で1番僕が惹かれて観たいと思った作品です。
ジョン・ブレットの『ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡』は、真ん中に堂々と展示されていました。
本作を見つけた瞬間、息を呑みその場に佇んでしまいました。
空と海が広がり、雲からの差し込む陽光が照らす海が神々しく、まさに目の前にあると錯覚するほど自然がリアルに模写されていました。
航海の経験を持ち天文学者でもあるブレッドの絵を見ていると凄い緻密で波の動きや雲のもくもくして重なり合った感じがとてもリアルでした。この絵は自分の空を撮った写真と見比べても同じくらい丁寧に描かれていました。
上部は雲一つない時の空のように青く、だんだん薄くなり雲とぶつかり白っぽくなります。そして、海はエメラルドブルーになり、ところどころ光が差し込んでいます。個人的に海の色がただ単に青や水色だったら綺麗な海と空の風景だなーで終わっていたと思います。しかし、この作品の色がエメラルドブルーだからこそ、宝石のような非日常的な神秘さが出ているのではないかと思います。
陽光が真ん中を頂点に三角形に注がれており、海には逆三角形で広がるため全体的に菱形に見えます。その構図が自分が立つ画家と同じ崖からの視点から見ているようでリアル感が出ます!
よく観ると4隻船がいて、それを発見するのも楽しいと思いました!
【印象派時代だけでなく現代アートにも光をテーマに触れられる】
テート美術館展では、草間彌生やカンディンスキーをはじめ現代アートにも触れられました。
現代アートは本当に風景画や宗教画などと違い、「どういうことを表現しているんだろうか」と捉え方が難しいのが多いと思います。
説明されればわかりますが、見ただけでは正直わかりません。
本展でもどう解釈すればいいのかわからないな〜というのもがありましたが、光という1つのテーマのもと鑑賞できるため少しわかるような気がしました。
ちょっと面白かったのが草間彌生さんの『去ってゆく冬』で、鏡で作った立方体に穴が空いており、そこを覗くと・・・
見てのお楽しみですが、草間彌生さんの世界観がわかる気がしました。
大きさや緻密さなど圧巻な作品が多かったです。
海外の方も多く、注目の美術館展だと思いました。