旅するような絵画展 〜日本初のカナレット展〜
新宿のSOMPO Museumで開催(2024.10.12ー12.28)されていた日本初のカナレット展に行ってきました。
本当に綺麗で旅するような絵画展でした。ヴェネツィアを食べしているような気分になりました!大好きな絵画を見て旅ができるなんて最高!!そんな展示でした。
最初に展示されていたヤーコポ・デ・バルバリ『ヴェネツィア鳥瞰図(第3版)』は飛行機やドローンがない時代に「どこから描いたの?」と思うような緻密な鳥瞰図で神々が描かれており、その大きさと面白さに10分くらい眺めてしまいました。ヴェネツィアは蛇みたいに島の真ん中に水が通っているのも初めて知り導入から旅への気分を高揚させる展示となっています。絵の近くに「探してみよう」的なものもありついつい探してしまいました。
カナレットとその時代
カナレットといえば、18世紀に流行したイギリス貴族たちの「グランドツアー」「ヴェネチア」「緻密な風景画」というキーワードが思い浮かびます。グランドツアーは、今で言う修学旅行のようなもので、現代と同じように教育の総仕上げとして各地を周りました。中でも祭りが多く、美しい風景のあるヴェネツィアは人気のあるツアー先だったそうです。
私は旅行先では記念としてポストカードを買ったり、もらったりすることが多いのですが、当時の人も同じようでポストカードはなかったのですが、カナレットのような画家がかいたヴェネツィアの風景画を買いもとめたそうです。現代では、スマホのカメラがあり「パシャパシャ」撮ります。しかし、なかなか見返すことはない気がします。でも、カナレットをはじめ当時の画家が描いたヴェネツィアの風景画は本当に緻密で、綺麗で、絵画から熱気や人々の動きが伝わってきます。
さっきから風景画、風景画と言っていますが、正確にはこの時期にカナレットが書いたのは『ヴェドゥータ(景観画)』と言います。「ヴェドゥータ」は主に都市などの景観を遠近法で正確に、そして緻密に描いた絵画で、先ほどから出ているようにグランドツアーなどの旅行のポストカード的な役割があるものを指します。本当に緻密でびっくりします。
念願のカメラ・オブスキュラ
フェルメールを調べている時に、「カメラ・オブスキュラ」で正確に描写すると言うのがわかり、どう言う装置でどうやって使っていたのか気になっていました。今回の展示では、本物を覗く機会がありました。覗くと綺麗に投写されており、薄いトレーシングペーパーでなぞれば綺麗に下書きができると思いました。それでもそこから色を塗り仕上げていくのは神技としかいえないと思い、1人で頷いて満足していました。笑
カナレットだけではない
時代は変わりますが、ヴェネツィアに魅了された画家の作品が展示されていました。シャニックとモネです。カナレットの緻密さではなく、印象的であり、幻想的な旅先のワクワク感や異世界感が描かれているように感じました。
ポール・シャニック
カナレットとは違う別の緻密さがある作品です。点描で描かれた風景は、目の前で見ているような立体感があります。個人的に空や水の色味やカラフルな建物や船の色彩が大好きです。点描だからできる、水面の動きや建物などが水面に反射している描写がずっと見ていると動いているようです。旅のワクワク感とヴェネツィアの陽気な雰囲気が伝わってくる作品です。「やっぱりシャニックの絵が好きだな〜」と思いましいた。
クロード・モネ
モネの代表的な睡蓮のようなタッチはヴェネツィアを別の世界に変えてしまいます。筆の滑らし方など独自のタッチは初めての土地で思う幻想的な異世界に誘います。
最後はゴッホの『ひまわり』
SOMPO美術館といえばゴッホの『ひまわり』です。
今まで初めてSOMPO美術館の『ひまわり』を見たのですが、1番好きな『ひまわり』でした。カンヴァスのほとんどが黄色で描かれており、優しい黄色、情熱的な濃い黄色と様々な黄色で描いてあります。寂しい、悲しい絵など様々な解釈がありますが、僕は穏やかだけど、情熱的な絵に感じます。
グッズ
グッズはモノが増えるから買わないでおこうと思っていましが、素敵な絵を見た後では、毎回買っているポストカードは我慢できなかったです。また、ちょうどリップとかを入れる小物入れが欲しくて、キャンディー入りのポーチを買いました。
そして、中でも1番良かったのがジュニア版になりますが、「フィンセント・ファン・ゴッホーその人生と作品ー」です。500円くらいでかえたゴッホの人生を簡単に買いた解説本ですが、ジュニア版というだけあってわかりやすくていいです。農民時代を描いた作品から亡くなる1890年までに描いた作品も紹介されていました。アルル、サン=レミなどの地図もあり勉強になりました。
終わった後のカフェ
展覧会と関係ないですが、終わった後に久しぶりにPaulBassettに行きました。地下にあるのですが、ガラス張りになっている天井があり、光が届きます。
本格的なエスプレッソで本当に美味しかったです。
写真を見ながら余韻に浸れました。