「ちょイケじぃじぃの独り言」: 日経ビジネス『ファストリ、見えた10兆円』【柳井正の頂上戦】
1 はじめに
私は「日経ビジネス」を定期購読し、自由時間は十分あるので、気になった
記事を整理しました。
2 今回の特集 : 『ファストリ、見えた10兆円』【柳井正の頂上戦】
(1) ファーストリテイリングは、ユニクロ1号店から40年、中国などアジアにと
どまらず、世界のアパレル企業が争う欧米でも躍進し、人材育成やデジタル
活用でも、日本発のグローバル企業として地平を開き、売上高が3兆円を突破
したが、飽くなき挑戦は「世界一」に立つまで続き、次の目標は売上高10兆
円である。
(3) ファストリは今や売上高の半分以上を、海外ユニクロ事業で稼ぎ、躍進を支
えるのが「ライフウエア(究極の普段着)」という価値観の広がりで、柳井氏
は「使い捨ての服ではなく、長く着られる究極の普段着で、国籍・年齢・職
業・性別を超え、世界中のあらゆる人々が気楽に買えるメード・フオー・オ
ールの服である」と力説している。
(3) 欧州では現在11カ国で店舗を運営するが、どれも立地、内外装ともに唯一無
二の存在感があり、「映えるユニクロ」がブランド力の底上げに大きく寄与
し、欧州での認知度が高まった。
北米も2年前に黒字転嫁し、2024年8月期は欧州に次ぐ高い成長率を刻み
欧州と北米の単純合算で、営業利益率は日本と同水準の16%に達する。
死角があるとすれば、中国事業で、2024年8月期は中華圏(中国・香港・台
湾)の売上高は、海外の地域別成長率で最も低かった。
(4) 柳井氏は「今後の成長に最も必要なことは人材への投資だ」と強調し、世界
に約500人いる幹部候補は、日本流の定期異動で異国に送り込み、経験を積
ませる。
外国人の管理職比率は50%を突破し、日本人にも年収を最大4割上げて奮
起を促す(平均年間給与は1147万円:2023年)。
(5) 柳井氏は、売上高10兆円の目標を掲げ、「真のグローバルブランド」を目
指すが、成長持続には、課題1「ディグローバリゼーション:世界では米中対
立や保護主義の台頭が進む」・課題2「サステナビリティー:世界的に環境意
識が高まり、各国が衣料品製造に対する規制を強める流れ」・課題3「サク
セッション:後継者による新経営体制への移行」が待ち受ける。
3 その他の内容
(1) 日本取引所グループのJPX総研は、かって2200社あった採用銘柄を、202
5年1月までに約1700社に減らす取り組みの中、2028年7月までに500社を
削り、採用銘柄を約1200社に絞るという改革案を発表した。
採用銘柄から外れることは、指数と連動するように運用するパッシブファ
ンドに株を買ってもらえなくなり、株価の下支えを失うことになる。
(2) 東京証券取引所に上場する企業数が、①東証による「資本コストや株価を意
識した経営」の要請で、投資向け広報の強化などの上場維持コストが増え、
企業の負担が重いこと②グロース市場の株価低迷を受けて、低い時価総額で
のIPOを避け、未上場で成長を目指す動きが広がり始めたことなどで、2024
年には、減少に転じる可能性が濃厚になり、転換期を迎えている。
(3) IT(情報技術)は、企業のビジネスプロセスとコア機能を統合する役割を担っ
ているが、ITとビジネスを整合させるのは難しく、不整合を示す兆候は2つあ
ると、米大学院教授が指摘している。
一つは、企業の技術インフラがニーズに追いついていない状況である「技
術負債」で、もう一つは、事業部門がIT部門と相談せずに進めるIT投資を指
す「シャドウIT」である。
(4) 日本的な雇用管理の仕組みの制度疲労は顕在化し、変革は不可欠だが、社
内で変革を託せる人材を見つけ出すのも容易ではなく、近年は、最高経営責
任者や最高財務責任者などと同様に、人事領域の幹部人材でも外資系企業の
出身者を中心とした「社外のプロ」を登用する動きが広がり始めた。
変革の軸になるのは、グローバル企業では当然とされてきた考え方『人的
資本経営: 人材を「資本」として捉え、その価値の最大化に取り組むこと』で
日本では比較的新しい経営のあり方である。
(5) AIで自律的に動くAIアバターがチューリングテスト(AIなどの機械が人間と
同じように会話できるか調べるテスト)に合格できるようになれば、有名人な
どになりすましたAIアバターが世界中の被害者から自律的に金銭を巻き上げ
ることとなり、日本の女性が「国際ロマンス詐欺」で7500万円の金銭をだま
しとられた。
4 「ちょイケじぃじぃの独り言」
今回の特集の主人公である柳井氏は、本誌のインタビューで、『数多くの失
敗を繰り返しつつ学び、今でも「即断・即決・即実行」を現場にクチ酸っぱく
いい続け、大企業になりたくない」と話していて、その表情からは75歳という
年齢は感じられない。
前回の第2特集の主人公である高橋豪久氏(ユニ・チャーム社長)も、本誌の
インタビューに答える姿からは63歳という年齢を感じられず、二人の「凛々し
く、若々しい」表情は、オーナー企業者で果敢に外国にチャレンジしているこ
とが大きく影響しているように思える。
その表情からは、サラリーマン経営者のような「理念だけを言い続け、実行
力がない」面影は感じられない。
「老いと闘える最後のチャンス」である70歳代を意識している私にとって、
柳井氏を最良の鏡にして頑張っていきたいと思う(柳井氏にとっては、迷惑な話
かもしれない)。
最後に、私は運動での「体」の筋トレと資格学習や notoでの「頭」の筋トレ
で、「老いと闘える最後のチャンス」である私の70歳代を、運に全てを任せ、
ハッキリした姿勢と「まぁ、いいか」という気楽な気持ちで過ごす一方、「宝
物の孫」の世話をして、働きながら子育てをする一人娘をサポートしていきた
い。