「ちょイケじぃじぃの独り言」: 日経ビジネス『再エネ争奪戦』【出遅れ企業に未来はない】
1 はじめに
私は関心があった「日経ビジネス」を定期購読し、自由時間は十分あるので
気になった記事を整理しました。
2 今回の特集 : 『再エネ争奪戦』【出遅れ企業に未来はない】
(1) 企業が「脱炭素」を果たすために不可欠な再生可能エネルギーを、安価で安
定的に調達できるかが、国や企業の競争力を左右する時代に入った。
国際会議で2030年までに世界の再生エネ容量を3倍に増やすことになった
が、日本は地形や気候条件、コスト面から欧州などに遅れをとっている。
* 電源構成に再生エネルギーが占める割合
EU : 38.7% 日本 : 21.7%
* 企業が一段と再エネを迫られる理由
①取引先 : 米アツプルが2030年までに供給網からの「スコープ3」の
CO2排出量をゼロにする目標
②市 場 : 金融庁はプライム上場企業に対する排出量開示の義務づけ
を2024年内にも決める方向
③消費者 : 脱炭素化に寄与する製品・サービスを選択する傾向が強ま
っていること
(2) 「2040年までに世界で再生エネ利用100%の実現を目指す」台湾積体電路
製造(TSMC)が熊本県に、「再生エネを積極的に使い、グリーンな技術を生
かした次世代半導体工場を実現する」ラピダスが北海道に進出している。
再生エネが生命線と悟った先進企業が発電所の囲い込みを始め、再生エネ
を巡る争奪の前哨戦が始まりつつある。
外資大手が国外に進出する際、再エネ利用はもはや前提で、再エネ比率が
低いことを理由に日本への投資を敬遠する「新たなジャパン・パッシング」
が始まりかねない。
(3) 現在主流の結晶シリコン型技術開発では日本企業が先行し、世界シェアの
半分を獲得していたが、中国勢が量産化によるコスト低減を進めて日本のシ
ェアは2018年には1%まで落ち込んでいる。
新たな太陽光発電技術として注目される「ペロブスカイト型太陽電池(結晶
シリコン型太陽電池に比べて圧倒的に軽量で薄く、湾曲も可能)」などの未成
熟の技術にこそ日本の商機が宿るが、日本が敗者復活を遂げ「再生エネ立国
」を果たすには、産官学民の総力を集結し、世界を目指す覚悟が求められる
3 その他の内容
(1) 新入社員の定着を促す施策は一時的に会社や仕事に対する満足度を高める
が、ある時点でピークに達すると「逆U字型」の軌跡をたどる『ハネムーン
・ハングオーバー効果』があるらしい。
日本企業に新卒で入社する「Z世代」は「デジタルネーティブ」「タイパ
(時間対効果)重視」「自分の成長につながる活動に積極的」などの特徴があ
るが、若手が期待と現実とのギャップに立ちすくむのは今も昔も大きな違い
はない。
「入社式の数日後に、転職サイトに登録しました」のが、今どきの若者の
仕事観を象徴するエピソードらしく、活気あふれる研修を実施する個別企業
のケーススタディーを紹介している。
(2) 歴史学者が「近現代40年アップダウン説」として、1868年に元号が明治に
1905年に日露戦争の勝利、1945年に太平洋戦争敗戦、1985年に世界が驚
く経済大国の頂点をあげ、それによると、来年の2025年まで日本は堕落する
ことになるらしい。
歴史に学ぶこととして「危機管理」と「油断大敵」をあげ、今年はようや
く「失われた30年」から脱却できるのではないか、という明るいムードが生
まれているが、それこそ「油断」ではないかと指摘している。
(3) 日本の年金基金を運用するGPIFは、2014年、国債が60%という国内中心
のポートフォリオを国内・海外の株式を50%とし、外国債券も増やす形に変
更した。
そのポートフォリオの変更は投機的と批判されたが、2014年度末に137兆
円だったGPIFの資産は、今では226兆円まで増大した。
ある試算では、2014年の改革がなければ、現在のGPIFの資産は168兆円
で、改革のおかげで増えた58兆円は日本のGDPの約10%に相当し、GPIF改
革は、故安倍晋三氏の最大の遺産である。
(4) 日本のインターナショナルスクールは増加傾向で、外国人駐在員の多様化に
合わせて多様化し、日本人の間でもインター校に対する関心は高い。
日本は、教育環境が人材獲得にとって大事だという認識が低く、制度不備
は日本の人材流出にもつながっている。
(5) 歴史的な円安は日米の金利差だけでなく、日本経済の構造問題の表れで、①
国内から海外に製造拠点を移転し、結果として円が流出しやすくなった②生
活スタイルが変化し、米テック企業のサービス利用が増えて同社らが日本円
の売り上げをドルにして本国に送る流れが太くなっている(デジタル赤字)③2
024年からの新NISAで海外資産の投資信託を購入する動きが増え、円売り・
ドル買いが加速していると、専門家が指摘している。
4 「ちょイケじぃじぃの独り言」
半導体工場やデータセンターが再生エネを調達しやすい場所で産業集積を進
め、太陽光パネルや風車を並ぶだけでは地域の雇用は生み出さないが、再生エ
ネが「一極集中から地域分散」へと日本の産業地図を大きく塗り替える入り口
に立っていると、本誌は指摘している。
バブル崩壊後の「失われた30年」を経て、日本の社会環境や事業環境などが
大きく変わり、本誌が指摘している「出遅れた企業に未来はない」はやむを得
ないような気がする一方、日本人の生き方にも当てはまるような気がする。
私達シニア世代は、日本の高度成長(バブル)やバブル崩壊後の不況など、歴
史学者がいう「近現代40年アップダウン説」のアップ面とダウン面を経験し、
私は正直言って、日本はこのまま衰退していくと思っていたが、歴史学者の説
では2026年からはアップ面に入るということ(どんな風にアップするのかイメ
ージできないが?)なので、とりあえず信じたいと思う。
それは、私には「宝物の孫(中学1年生と小学2年生の女の子)」がいて、この
子らが「衰退していく日本社会」の中で、ずーと生きていくのかなぁと思うと
可哀想に思ったからである。
日本の社会環境や価値観などが大きく変化する中、その環境に流されるだけ
ではダメなような気がするので、まずは、孫たちの気持ちや思いをしっかりと
聞き「自分なりの価値観を持つことの大切さ」を人生の先輩として教えていき
たいと思う。
私は2度目の仕事を退職してから、NHKの朝ドラが楽しみで、この3月までは
「東京ブギウギ」で知られる歌手笠置シヅ子をモデルにし、戦後を明るく照ら
したスターの物語である「ブギウギ」で、その主人公の趣里さんが可愛くて好
感を持った。父親は水谷豊で、私達の若い時の人気番組であった「傷だらけの
天使」の主人公であるショーケン(萩原健一)の弟分であった。
4月からは、日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に
基づいた「虎に翼」で、どちらの作品も主人公が自分の考え方をしっかり持ち
戦後を生き抜いた話で、女性の強さを感じる。
今回の本誌のコラムでも、女性の雇用がまだ進んでいなかった時代に、就職
差別に直面して起業した女性起業家を取り上げ、その女性は戦禍の記憶を携え
て復讐するつもりで向かった米国の地で起業のアイデアを得たそうで、これか
らの連載が楽しみである。
私は、当時成長が期待できた情報関係の日本株式を買ったが、その後の経営
悪化等もあって運用成績は散々で、その損失を補うべく日本の大手金融機関が
発行する外国債券(金利4%)を購入し、今の円安でウハウハの気分であり、専門
が指摘する「円安は日米の金利差だけでなく、日本経済の構造問題も起因して
いること」を知って心強く思っている。
最後に、私は運動での「体」の筋トレと資格学習やnotoでの「頭」の筋トレ
で「老いと闘える最後のチャンス」である70歳代を、運に全てを任せてハッキ
リした姿勢で過ごす一方、「宝物の孫」の世話をし、働きながら(夫は単身赴任
中)子育てをする一人娘をサポートしていきたい。