「ちょイケじぃじぃの独り言」: 日経ビジネス『瀕死のインターネット』【AIがばらまく嘘と悪意】
1 はじめに
私は関心があった「日経ビジネス」を定期購読し、自由時間は十分あるので
気になった記事を整理しました。
2 今回の特集 : 『瀕死のインターネット』【AIがばらまく嘘と悪意】
(1) 人類の知を共有する夢のインフラとして期待されたデジタル空間を、悪意む
きだしの偽情報や他者への容赦ない罵詈雑言が飛び交い、世界の50億人以上
につながるインターネットが病んでいる。
生成AIという真新しい技術も悪用され、腐敗に拍車がかかり、まるで悪貨
が良貨を駆逐するかのごとく「汚染」が進んでいる。
(2) 本誌が世界中からフリーランスの働き手を探せるサイトで協力者を見つけ、
「AIビジネスジャーナル」サイトの作成の依頼をすると、2万円弱の費用で4
0時間足らずで出来上がり、出来栄えは想像を超えていた(真偽のほどは別)。
サイト運営費は1日約3円で、ネットに偽情報などをばらまいて稼ぐための
ハードルは今や驚くほど低く、広告収入を稼ぐ目的でこうしたサイトが無尽
蔵に増殖するのもうなずける。
(3) 自動配信システムに掲載サイトを都度決めさせる「運用型」(日本ではネッ
ト広告市場の9割を占める)では、表示回数や閲覧数(「ボット」による)を水
増しする詐欺行為が生成AIの登場を受けて急速に広がり始め、企業は危機的
状況にあるともっと知る必要があると、専門家が警告している。
(4) 自由な言論空間だったSNSが誹謗中傷や陰謀論で老廃し、人々は発言をた
めらい、オープンな交流の場として機能しなくなりつつある(世界では、自分
自身について投稿する人が減っている)。
今年1月1日に発生した「能登半島地震」では、X(旧ツイッター)に投稿され
た偽の救助要請が混乱に拍車をかけ、Xで偽情報を投稿した多くは「インプレ
ゾンビ」と呼ばれる人々で、救助現場の人たちは「火事場泥棒と同じで、人
としてどうかと思う」と批判している。
*「インプレゾンビ」とは、投稿のインプレッション(表示回数)に応じて
利用者に広告収入を分配する制度の導入で出現した迷惑者である。
(5) 残念ながら、巨大プラートフォーマーの自浄能力に期待するのは無駄のよう
で、行政・立法・司法の国家権力を総動員して、市場の失敗を正す末期的な
フェーズに入った。
3 その他の内容
(1) 国内スマホ(2023年)は、円安や部材価格の高騰などが追い打ちをかけ、大
量撤退という惨劇につながり、国産スマホは絶滅の危機に瀕している(国内生
産高は携帯電話時代に記録したピークの1割を割った)。
日本の携帯は優れた技術を持ちながらも世界標準の仕様から外れ、海外進
出を果たせぬまま市場はガラパゴス化し、iPhoneという「外来種に食い荒ら
されて」今に至ると、専門家が指摘している。
グローバルプレイヤーの参入で地殻変動が続く日本市場では、スマホの外
需依存は大規模な貿易赤字を生み、経済面でも影響が大きい(スマホを含む「
通信機」の貿易赤字は年間で3兆円を優に超える:財務省の貿易統計)。
「スマホ✖️AI」で、端末に久しぶりの転換期が来ているが、残された日本
のスマホメーカーに、もはや先端技術にかける体力は残っていないと、業界
関係者の表情は暗い。
(2) ロボットアドバイザー(ロボアド)は、プログラムを用いて最適な資産配分を
提案し自動で運用するサービスで、初心者でも手軽に分散投資ができるため
新しい NISAをきっかけに資産運用を始める人などに人気である。
NISA口座は1人1金融機関しか開設できないため、特需を巡り熾烈な顧客争
奪戦が始まり、金融機関同士のゼロサム競争は熾烈を極める。
(3) AIが最適な結婚相手を提示してくれるマッチングアプリの利用者が増えた影
影(過去1年以内に結婚した人の4人に1人はマッチングアプリが出会いのきっ
かけ)で、2023年に22の結婚相談所が市場から退出し、人間でしか実現でき
ない付加価値を提供できるかどうかが今後の生き残りを左右することになる(
AIに親しみを持っている消費者は16.9%しかいない)。
4 「ちょイケじぃじぃの独り言」
私はSNSをあまり利用しないので、今回の特集記事は、あまりピンとこなか
った。
広告収益の最大化だけを目的とするサイトが「MFAサイト」と呼ばれ、企業
の広告費に群がる詐欺師たちの醜い実態だそうだ。
MFAサイトに広告が表示される回数の割合は、2020年頃までは全体の3〜4
%に収まっていたが、生成AIの登場で2023年以降は20〜30%まで急上昇して
いるらしい。
英調査会社の試算によると、2023年での世界の広告支出額の実に22%(約13
兆円)が広告詐欺により奪われ、2028年には倍増する恐れがあるらしい。
日本では、広告詐欺を十分に認知しておらず、日本での発生率は世界平均の2
倍超とのデータもあり、もはや看過できない状況にあると専門家が指摘してい
る。
広告の搾取と並んで深刻化しているのが、アダルトサイトなどに自社広告が
表示される「ブランド毀損リスク」で、企業は「広告セキュリティーシステム(
自動的に広告掲載をブロック)」で対策しているらしい。
悪意あふれるSNS(特に嘘や怒りの投稿)は拡散しやすく、プラットフォーマ
ーは、目をそらすことができないものをあえて見せるSNSを設計し、彼らにと
って利用者は顧客ではなく「広告収入を生む商品」であるらしい。
日本の著名人が無断で投資詐欺の「広告塔」として起用され、プラットフォ
ーマーに不満の声をあげているが、著名人自身もSNSを使い自らのビジネスで
収入を得ているので、上記で紹介した「セキュリティシステム(自動的に自分の
掲載をブロック)」などでリスク管理することは著名人として必要で、もしこの
ようなシステムがないのであれば、ビジネスチャンスになるような気がする。
シニア世代の私にとって、人との関わりはイイ面ばかりではないので、これ
からもSNSとは距離をとっていきたい。
最後に、私は運動での「体」の筋トレと資格学習やnotoでの「頭」の筋トレ
で「老いと闘える最後のチャンス」である70歳代を、運に全てを任せてハッキ
リした姿勢で過ごす一方、「宝物の孫」の世話をして、働きながら子育て(夫は
単身赴任中)をする一人娘をサポートしていきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?