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#61 子どもの目標意識と所見:字が雑な子のケーススタディ

所見シリーズ第8弾!

クラスにいる子をタイプ別に分けると以下の4つになります。

①目標意識が高い子
②目標はもつが意識は普通の子
③目標意識が低い子
④上記3つの分類にあてはまらない子

④は具体的には支援を要する子をさします。

今回は③の事例を紹介します。

その前に、
所見を書く際に気をつけることとして、
価値付けたいことは何でしょうか?
私の場合、他者意識、努力に加え、切り替え、自分事になります。
これは、学級経営の核にもなっています。
学級経営と所見は切っても切れない関係です。価値付けたいことが明確になれば、所見もそれほど苦労しなくなります。

ということを知っておいてください。

さらに、ここに目標を付け加え、学級経営、目標、所見の3つをセットで考えて日々生活していくことがポイントです。でないと、締め切り迫ってきたから仕方なく書くことになってしまいます。

学級経営で掲げた目標を達成するためには、子どもたちにも目標をもたせないと始まりません。
そして決めた目標に向かって日々努力していきます。
普段から価値付けたいことを子どもたちに伝えていれば、目標意識が高い層の子どもは、目にみえる形になって表れてきます。
そのタイミングを見逃さずにメモをしましょう。
メモなんてとってないよという方。
安心して下さい。

教室には子どもの作品やらノートやらいっぱいあります。
それらを読み返すだけでも十分顔が見えてきます。
また、ちょっとしたいいなと思ったことをタブレットで写真記録しておきましょう。
写真記録あると記憶がよみがえってきます。メモ苦手な人にはオススメです。
ちなみに私は併用してます。

今回は、目標意識が低い子の書き方例の紹介です。

どんな子がこの層にいるかというと、おそらく多くは男子。
なかでも字が雑な子、話を聞いてない子などが考えれます。
まあ字が雑な子は話の聞き方も雑ですが…。
想定児童は、字が雑な子です。

自分の字が雑であるのをなんとかしたいと思い、字を丁寧に書くことを目標にしたという設定で考えていきます。

漢字ドリルなどでは、丁寧に字を書けるようにはなったののの、担任からの花丸(よい評価)がなかなかもらえてませんでした。
担任から花丸をもらいたいという思いがこの目標につながりました。

ですが、授業中にちょっとがんばったくらいでは字形を整えて書くのは難しいです。
だから宿題で漢字練習の宿題があるのです。
継続は力なりとはこのことです。
その宿題をものすごい雑にやってくるので、なかなか上達していきません。
そこで、保護者に伝えます。
字を丁寧にかけるようになりたいという目標もって頑張ってるので家庭でも協力してほしいとお願いしました。
話を聞くと、これまで宿題は子どもまかせだったので、ほとんど子どもの宿題などみていていなかったとのこと。
目標をもったことをしり、できる限り支援してくれることになりました。

学校だけで字を丁寧に書かせるのはなかなか難しいです。
このように、必要に応じて家庭と連携とりながらすすめていくのがよいです。

連携さえとれたらあとは、努力の過程を価値付けしていけば成長します。

不思議なことで、1つのことができるようになると、他のこともできるようになります。
今まですすんで挨拶などしてこなかった子がなぜか挨拶するようになります。
困っている友達がいたら、すすんで手助けするようにもなります。
できることが増えるとそれが自分の自信につながり、ほかのこともやってみたいという意欲がわいてくるのです。
このサイクルに入ってしまうとあとはほっといてもどんどん成長していきます。

字を丁寧に書くことを目標にしていた子どもの所見例を妄想してみました。

メモ
漢字ドリルに花丸をあげた。○月○日

写真
振り返り日記に、花丸もらえたことが嬉しかったとを書き、担任に見せてるところ

所見
字形整えて漢字を書けるようになりました。すすんで挨拶する意識が高まり、担任以外にも元気よく挨拶しています。できることが増え、自信をつけました。

顔見えポイント
ポイントはどこかわかりますか。

「担任以外にも」です。

普通、挨拶といえば担任という意識が子どものなかにはあります。
特に低学年ならその傾向が強いです。
これまで、担任にも自分から挨拶などしていなかった子が隣のクラスの先生に挨拶したことは大きな変容と言えます。
その瞬間を見逃さずに写真に取ります。
もしその瞬間を逃しても、お願いして再現してもらい写真におさめておくこともできます。

字を丁寧に書くことを目標にしていた子が、学期の終わりには、すすんで挨拶するようにまで成長したという事例でした。

もし、昔の先生がこのような子の所見を書いたら
「字が雑で何を書いているのか読み取れません。家庭でも字を丁寧に書けるよう指導してください。」
こんなふうに、できないことをクローズアップした所見になっていたのでは…
みなさんは子どもの頃の所見を覚えていますか?
もし記録が残っているようでしたらぜひ読んでみてください。
差し支えなければ、教えていただけると嬉しいです。

参考になる方がいたら幸いです。

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