実績動画やPVの再生数を上げるための映像テクニック講座【for Live2D】
実績動画やPVをたくさん見てもらいたい!!
そう思ったことはありませんか??
私は強欲なのでいつもそう思ってます!
Live2Dモデルを使った映像を作るときのコツや、意識すべきポイントを知る事ができたらーー。
今までよりもっと良い映像を作れるようになり、視聴者さんの注目をたくさん集められる可能性も高まります。
今回の記事では、私が映像を作るときに意識していることや、視聴回数UPを狙うために実践しているアイデアについて、例を出しながら出来るだけ分かりやすくお話してみます。
Live2Dモデラーさんはもちろん、これからLive2Dモデルのプロモーションビデオ(PV)を作ろうとしているVtuberさんにとってもお役に立てるような内容にしたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いください!
自己紹介
初めまして!スタジオももこと申します。
https://twitter.com/studiomomokoart
現在はLive2Dをメインにお仕事させて頂いてますが、もともとは映像専門のクリエイターでした。
広告動画やYoutube動画を中心に3000本ほどプロの現場で動画制作をしてきた実績があります。
映像の仕事をしていたときは、常に動画再生数を意識することが求められたので、いかに再生数を上げるかということに四六時中あたまを使ってきました。
SNSマーケティングについても独学で学び、映像の現場で実践と検証を繰り返してきましたので、数字を意識した動画作りにも長けているつもりです。
昨年のLive2D Creative Awards 2022 にて私の作品がLive2D賞を頂いたのですが、映像のクオリティーや動画構成の工夫が受賞につながったのかなと感じています。
Live2D ✖️ 映像。
どちらもプロとして経験している私だからこそ語れることがあるのではと思い、今回記事を書かせていただいています。
最重要な大原則③つ
まずは結論からお話します。
Live2Dモデルを映像化する際に押さえたい、最重要な原則③つです。
原則①:視聴者さんの満足感を最大まで高める
当たり前の事かもしれませんが改めて言語化しておきます。
たくさん高評価がつく動画や、
たくさん拡散される動画、
たくさん再生される動画には共通点があります。
それは『視聴者さんの満足度が高いこと』です。
これに尽きると私は考えます。
動画を見たあとの満足度が高く「誰かに共有したいな!」と思ってもらえる動画は自然と高評価が集まり、拡散・再生されやすくなります。
動画を見てくれた人をハッピーにする!ということを常に考え続けるのがとても大事であり、映像を作るときに一番大切にすべきポイントです。
それが出来たときに、再生数や高評価数という目に見える形の結果が後からついてきます。これから書く内容の全てが、ここに繋がっています。
ただの理想論のように聞こえてしまうかもしれません。では具体的にどのように視聴者さんの満足度を高めていけばいいか、順を追って解説させてください。
原則②:視聴者維持率を把握する
今回はわかりやすくするため、Twitter(X)で動画投稿をする際の話に絞ってお話しします。
【視聴者維持率とは…】
Twitter(X)のアナリティクスから、過去に投稿した動画の分析を行うことができます。
ここで重視するのは「何秒まで何%の人が再生しているのか」という事です。これを視聴者維持率と言います。私が投稿した下記の動画を例に解説します。
上の画像を見ると、開始10秒までは約50%の人が視聴してくれて、動画の最後まで視聴してくれたのは約10%以下の人ということがわかります。私の場合は、大半の人は10秒以下しか動画を見てくれないということですね。
なので逆に、動画で伝えたい事は最初の10秒以内に全部伝えてしまおう!と考えることもできます。
0秒〜10秒の間に動画でアピールしたい要素を全て入れてしまい、残りの時間に表情差分や全身の動きなどを補足情報的に入れる。こうすることで、よりたくさんの人に「アピールしたい部分」を見てもらうことができます。
このように視聴者維持率を把握する事で、どのような構成で動画を作れば良いかが自然と定まってきます。視聴者さんの傾向を知ることで、それに合わせた作戦を練れるというわけですね。
※私の場合は10秒を基準にしていますが、視聴者さんが離脱するタイミングは人それぞれ異なるので、過去動画をアナリティクス分析し、自分にあった秒数を見つけてみてくださいね。
原則③:"1カット7秒以内"を意識する
映像制作を本業にしていた頃に、プロデューサーさんに口酸っぱく言われていたのが、"1カット7秒以内"を守るという事でした。
1つのシーンを7秒以内に収めて、7秒たったら次のにカットに移行するという事です。ではなぜ、そんなに頻繁にカットを変える必要があるのか解説します。
【1カットを7秒以内にする理由】
7秒以内に場面を変える理由は、映像に変化をつけることで、視聴者さんが映像に飽きるのを防げるからです。
カットが短時間で次々に切り替わると、伝えられる情報量が増え、おもしろい映像になりやすいというメリットもあります。
カットが変わることで情報量が増え、なんだかワクワクする!という感覚はアニメ・エヴァンゲリオンのOPなどを見ていると良くわかると思います。
(エヴァの場合は1カットがとても短いので極端な事例にはなりますが…)
特に、正面立ち絵のLive2Dモデルを使ってプロモーション映像を作る場合などは、意識して変化をつけていかないと単調な映像に仕上がってしまう場合があります。
そういう場合は、1シーンの時間を短めにしてカットを切り替えていく…というのは有効な手段だと言えます。
下記の、祈翠レイラさんの実績動画はカット割りを意識して私が制作した一例になります。
最初の15秒間は2~3秒ほどでカットが切り替わり、全身のアピールポイントを次々とアップで映す。そうすることで視聴者さんのワクワク感と期待感を上げていくような仕組みになっています。
さらに言うと、BGMの音に合わせてカットが切り替わるようにタイミングも合わせているので、音ハメ動画を見ているような気持ちよさが少し感じられる…ハズです。視聴者さんが飽きないようにそういった工夫もしています。
補足として…超すご腕モデラー様が作ってらっしゃるような、技術力と表現力が異次元なLive2Dモデルを映像化した場合は、カット割などを省略しても何時間でも見続けられる魅力を持っています。
Live2Dモデル自体が驚異的な魅力とコンテンツ力をもっているので、動画を見た後の満足感がすごいです。
¥乾物ひもの先生の実績動画に何時間も見入った経験があるのは私だけじゃないはずです…。
そういう意味でも、映像とこだわるのと同じように、そもそものLive2Dモデルのクオリティーをあげることはとても大事です。そのことについては私自身もすごく痛感していますし、現在意識して取り組んでいます。
話が本題から逸れましたが、原則①②③を把握して頂いたところで次の項目に移ります。
私が実践してるアイデア⑦つ
ここからは具体的な例を挙げながらできるだけわかりやすく、Live2Dの映像を作る時のポイントやコツを7つ解説していきます。ポイント1つ1つを確実に押さえることで視聴者さんの満足度を高め、再生数アップを狙います。
※Youtubeの動画再生数を伸ばしたい場合は、サムネイルやタイトル、タグも重要になってくるのですが今回は割愛します。
①リファレンス(参考動画)を集める
映像を作る前の超大事な下準備!
それがリファレンス(参考動画)集めです。
これができているかどうかで作品の仕上がりが大きく変わります。めちゃめちゃ差が出ます。
参考動画を集めると言っても、何をすれば良いかわからないという方は「Live2D Showcase」で検索してみてヒットした動画をたくさん視聴してみましょう。
YouTubeであれば、再生数順が高い順に並べ替えて、上から順に見ていく方法がオススメです。神モデラーさんの神動画を次々に見ることができ、参考にしたい動画がたくさん見つかります。
どのような動画がたくさん再生されているのか、流行の動画はどのようなものなのかも知ることができてとても勉強になります。
動画を参考にさせていただく際は敬意と感謝を込めていいね👍やチャンネル登録をしておきましょう!
参考とする動画が1つだけだと、映像を作ったときにほぼ丸パクリのような仕上がりになってしまう場合がありますので、オススメは「こんな感じの動画にしたいなぁ」というような参考動画を2〜5本ほど見つけることです。
表現の幅も広がりますし、いろんな動画の良い所を組み合わせることでクオリティーを上げやすいです。動画作りに慣れてきたら、自分なりのオリジナリティを少しずつプラスしていくと良いです。
Twitter(X)を眺めていると、毎日素晴らしい映像がタイムラインに流れてきますので、良い映像を見つけた時は忘れずにブックマークしておきましょう。
普段からアンテナを張って映像を見ておくことで、自分なりの映像の引き出しも増えていきます。リファレンス映像として見返す際も、ブックマーク機能がとても便利です。
私も何か映像を作る際はかならずリファレンス集めから作業をスタートしています。とても重要な作業なので、必ず行いましょう!
繰り返しになりますが、何かを参考にさせていただく際は敬意を払いましょう。相手が嫌がるような丸パクリや完全コピーはNGです。参考にさせて頂いた際はフォローやチャンネル登録もするなど、ささやかながらお礼もしておくと良いと思います。
②メインディッシュから映像に入る
原則①でご説明した通り、(私の場合)視聴者の大半は動画開始0秒〜10秒の間に居なくなってしまいます。
ならば、開始0秒から10秒の間に動画のメインディッシュとなる要素を全面に出すべきだと考えます。
イントロなしで1番重要なサビ部分から歌い出すadoさんの「新時代」やYOASOBIさんの「夜に駆ける」などと同じイメージです。
実績動画の場合もサビ(メインコンテンツ)から映像をスタートさせ、開始10秒で視聴者さんに大満足してもらうべく、全力を賭けます。
メインディッシュから動画に入る、開始10秒に全てをかけるという考え方で作ったのが、1年前に作った下記の動画です。
私の工夫が功を奏した…のかはわかりませんがLive2D Creative Awards2022の受賞作品となりました。
お胸のドアップ(メインディッシュ)
↓
お顔のドアップ(メインディッシュ)
↓
カメラに向かって全力笑顔(メインディッシュ)
という形で動画をスタートさせ、
・動画の中で1番美味しいところ
・1番見せたいところ
・1番アピールしたいところ
を開始10秒でまとめています。
「おっぱいと顔」がこの動画のメインディッシュであり、メインコンテンツであるというわけですね。
視聴者さんが離脱しちゃう前に全力で魅力しちゃえ!という考え方で制作した動画なのですが、実際に視聴者さんからのとても反応もよいので、活用できる場面は多いのではないかと考えています。
このように、Live2Dモデルの可愛いところや、1番好きな表情差分などを、最初に持ってきて情報量を詰め込むことを大事にしています。
逆に、10秒以上見てくれるのは私のモデリングに興味を待ってくれてる方や、動画内容に共感してくれてる方々だと思うので、最初の10秒間に盛り込めなかった表情差分や全身の動きのモーションを紹介したりなど、より満足して帰ってもらえるような映像を作るように工夫しています。
③カメラ(視点)を動かす
視聴者さんを飽きさせない映像を作るうえで、1番簡単で効果が高いのがカメラを動かすことだと私は考えています。
カメラを左右に動かしたり、ズームアップしたり、ズームアウトしたりなど、視点を動かし続ける事で画面に変化をつけることができます。
上の動画は、カメラ移動を特に意識して制作してみました。カメラが移動することで画面にも動きが出るのでとてもオススメです。
私の場合は、Live2Dモデルの動きをトラッキングで撮影した後に、動画編集ソフトを使ってカメラの動きを追加しています。
カメラを動かすことで、アピールしたい箇所を強調することもできますので、まだ試したことがない方はぜひ挑戦してみてください。
④モデルを動かし続ける(動き続ける)
方法としてはすこし地味ですが、視聴者さんを飽きさせないための工夫として、モデルを動かし続ける(動き続ける)のも大事だと感じています。
私が過去にやってしまった失敗パターンを2つご紹介します。
①ロゴ(静止画)を表示させてから動画をスタートする
②モデルが静止した状態で動画がスタートする
この2つはガクッと視聴者さんの反応が落ちたので私の中では失敗しやすいパターンだと考えています。具体的に、どのような点で失敗しやすいか見てみましょう。※私の失敗例なので皆さんには当てはまらない事もあります。
①ロゴを表示させてから動画をスタートする
②モデルが静止した状態で動画がスタートする
見て頂けたらわかる通り、ロゴの4秒間やモデルが静止している3秒間というのは永遠を感じてしまうほど長いです。長すぎます。Twitterに流れてきても一瞬で見るのをやめる人が大多数だと思います。そうなると動画の再生数も伸びません。
現代人はとても忙しいので、動画を見た一瞬でその映像を見るかどうか、スワイプするかを判断します。そんな中で、動画の冒頭で静止している時間があるのはかなり致命的です。
動画の初手から変化に乏しいので、興味を引くのもとても厳しくなります。そういう事態を避けるために、開始0秒からモデルが動いている事を私はとても重要視しています。
以上を元に、改善してみたのが次の動画です。
動画開始0秒からモデルを動かす。
それに合わせてカメラもズームさせたり横に移動させる。
1カットを7秒以内にする。
これまでご紹介した内容を盛り込むだけで動画の見栄えとしてはかなり向上しました。どうしてもロゴを見せたい場合は、動画の最後に持ってくるようにしています。
ツイッターに流れてくる有名モデラーさんの実績動画なども、必ず開始0秒から動いていますのでその辺りも注目してみると良いかもしれません。
実際、視聴者さんもLive2Dモデルの動きが見たくて動画を視聴してくださっているわけですから、静止して3秒待たせてからから動き出す…などではなく、最初からモデルが動いている動画にする。それは視聴者さんにとっても優しい考え方だと思います。
⑤画面を分割する
こちらも画面に変化をつけるアイデアの一つなのですが、2分割、3分割といった具合に画面を分割するという方法があります。
たくさん表情差分を紹介したい時や、髪型差分を見せたい時、トランジションしたい時などに使うと楽しいかなと思います。色んな画面分割の仕方があるので、表現の幅も広がるかと思います。
上の動画は、画面を横に2分割したり縦に3分割したりと、序盤は画面の分割を意識して作っています。動画に多少のオシャレ感もプラスすることができるのでその点も良いのかなと思います。
⑥アピールしたいところはアップで映す
実績動画やPVを作る際に、Live2Dモデルのアピールしたい箇所を大きめにアップで映すように心がけています。
視聴者さんの印象にも残りやすくなりますし、動画でアピールしたいことも伝わりやすくなります。動画の主張が分かりやすい・共感できると感じることが視聴者さんの満足度につながります。
このように同じ場面を撮影していても、アップで映しているか、カメラを引いて小さめに映しているかで視聴者さんに伝わる情報は変わります。強調したい箇所などは大きめに映すと印象に残りやすくなります。
また、パソコンで動画編集をしているときはついつい忘れがちなのですが、ツイッターやYoutubeをよく見る20代の方々は8割前後がスマホから閲覧しています。
スマホの小さな画面で映像を見ることになるので、視認性を高める意味でもモデルを大きめに映しておくというのは有効です。
私の場合は、一度パソコンで映像を制作したものをスマホからも視聴してみて、どのように映っているか・視認性は大丈夫かをチェックしてから動画投稿をするようにしています。
スマホの画面を意識した映像作りはとても重要です。
⑦モデリングのクオリティを上げる、wipを投稿する
そもそも論なのですが、Live2D動画の再生数を伸ばしたい!たくさん見てほしい!と思ったときに避けて通れないのがモデリング自体のクオリティーが高いかどうか、みんなの注目を集められるような動画のパワーを持ってているかどうかです。
動画のパワーに関しては下記のように求められると思います。
Live2Dのクオリティー X 映像編集のクオリティ = 動画のパワー
今回は映像面のことをメインに書いてきましたが、Live2Dのクオリティーが足りてない場合は映像をいくら頑張っても動画のパワーはなかなか上がってくれません。(=再生数も取れない)
私自身もいろいろとLive2Dモデルの動画を作って投稿し結果を検証してきたのですが、そのことをとても痛感しています。
なので最近は動画投稿をお休みして、全力でモデリングのクオリティーを上げていくことに注力しています。(その結果、実績動画が半年以上出せていないという悲惨なことにはなってしまってますが…泣)
今回のLive2Dアドベントカレンダー2023でも、モデルのクオリティーを上げるためのアイデアがたくさん投稿されると思いますので、ぜひ活用して一緒にモデリングをがんばっていきましょう!
記事の本筋からはだいぶ逸れてしまうのですが、作業途中のモデルを撮影してwip(work in progress:製作途中のもの)として短い動画で公開するというのを最近はじめました。
映像編集でごまかしたり盛ったりするのではなく、(作業途中ではありますが)Live2Dモデルの純粋なクオリティーを視聴者さんに見せて反応を知ることができますので、モデリングの力試しにもなります。
私自身の話で言いますと、wipの段階で軽めにバズれるようなモデルが作れれるようになるまで努力したのち、実績動画やPV映像の編集にも再度チカラを入れていこうと考えています。
モデリングの力と、映像の力。どちらか片方ではなく、両方のチカラを合わせて再生数を取りに行くのがベストかなと思います。
最後の最後が完全に蛇足になってしまいました🙏
今回の記事で私が書きたかったことは以上になります。
さぁ、挑戦しよう。Live2Dアドカレ2023開会宣言!
このような場で記事を書くことは私にとっては大きな挑戦でした。
ただ、新しいチャレンジから逃げずにやり遂げたことですこしだけ自信が持てた気がします。
この記事を読んでくださった方の中にも、新しい映像制作の方法を試したり、今までと作業内容を変えたりといった挑戦が待っていることと思います。
何かに挑戦する時、すごく不安になります。
でもそれを乗り越えられた時に新しい発見があるのも確かです。
今回のLive2Dアドカレ2023でも、色んな記事が公開されると思います。
読んで終わりにするのではなく、ぜひ自分のスキルアップのために実践するところまでチャレンジして頂けたら嬉しいです。
さぁ、挑戦しましょう!
Live2Dアドカレ2023、開会です。
ーー
【各種リンク】
Live2Dアドベントカレンダー
2023年版https://adventar.org/calendars/8580
2021年版 https://adventar.org/calendars/7003
2019年版 https://adventar.org/calendars/4268
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