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【ネタバレ注意】アンデッドアンラックは(略

前書き

アンデッドアンラックは週刊少年ジャンプで連載中の漫画であり、そのジャンルの多さで知られている。

個人的にはジャンルなんてその時々、あるいは週で変わるだろと思うがまあ話題になればなんでもよい。ということで、アンデッドアンラックがどんなジャンルを辿ってきたかを振り返る記事を書こうと思う。因みにアニメが絶賛放送中なので、一応ネタバレ注意と書いている。アニメ観てから原作読むぜ!という人はここでお別れだ。アリーヴェデルチ!(さよならだ)








もう戻れないUNBACKのバニーがラーメンを食うの図

というのも、今回扱うのはループ後のアンデラの話なのだ。ループ後のアンデラのジャンル変のペースというと、もはや給料日の頻度くらいなまであると思っている。というわけでループ後のアンデラを振り返りながらジャンルで言えば何になるかを勝手に決めていこうと思う。異論も反論も特に受け付けないですが構いませんね!


ループ後のアンデラ


みんなに「いってきます!」するボス。それにしても月で喋ってるルナが終始腹立つのん

ジーナ編

未来のニコイチ夫妻の惚気を堪能した後向かうはロシア、不変を発現して4万人を殺してしまう悲劇を回避するためにUMAヒートとの激闘へ…と思ったらファン乱入というのがこのジーナ編の一番の笑いどころ。なのでジーナ編のジャンルは「バトル漫画で乱入するやつ」です。のっけからガバガバで申し訳ない。

乱入するファン。声量だけで人間かどうか疑われている

どっちかというと、後の天下一武道への布石とか、シェンムイのお世話を頼むとか、そういう置石が重要なパートだった気がする。まあ隕石=ファンで笑うのが正解だと思うんだ、割と本気で。厄介ファンとはまさにこのこと

ギャンブル編

ギャンブル編ってなんだよ!というかクエスト受注する回は1話だけだろ!~編って言うほどか?と思った貴方、まあちょっと聞いて下さい。

ジーナを確保したユニオン(席はまだ2つ)は円卓に着き、アポカリプスからのクエストを受ける。そこで風子がとった方策とは

  1. ジーナ・ニコ達1970年代組の悲劇からボイド達2000年代組の悲劇の間をクエストの時間経過ですっ飛ばす

  2. どうでもいいクエスト(UMAゴースト等のあっても困らないもの)はすっ飛ばして余計な死傷者を避ける

  3. ついでにジーナは変わらないからハッピー(ここ重要

なのであった。この話数のニコは終始噴き出していたしキレ通しだったから好き。ジーナの次はボイドで28年空いているから、28回まではすっ飛ばすのが吉(ボスはリセマラと言った)。アポちゃんの律義な性格からして、アポちゃんがクエストを決めてるわけではなさそうなので、28回以内にボイドさん捕獲のクエストが引けるかどうかは運任せだったっぽい。そういうわけで、私は個人的にこの話数を「ギャンブル編」と呼んでいる。

悪い顔のボス。どことなくルインっぽいのはなぜか

スプリング編はギャンブルというよりゲームで勝負の側面が強かったけど、ここはどちらかというとはギャンブル漫画の読み味なんだよな…

オータム編

UMAオータム討伐!例によって本来クソつよUMAのはずのオータムくんは、ジーナちゃんの不変のパワーアップに使われてしまいましたとさ。ここらへんは全体的にループ前のオータム編のセルフオマージュで出来ている。前ループでは対立し、愛する人を奪い合った仲だったことを知ったジーナだが、ループ前ジーナが自分とデッドちんの相合傘ジャケットを着ているのを見て、風子が自分の想いを大切にしていることを知って、ループ後の自分に不変の使い方を伝授するのだった。「忘れなければ」を思い出して感動しかない。なのでオータム編のジャンルは?と言われるとタイムループもの…かな?まあセルフオマージュなのでこれでいいか

読者全員がボスになるの図

ボイド編

ボイド編、飛んだり跳ねたり能力使ったりといったアンデラの格闘描写から一転、リングにかけるボクシングにチェンジする。一応ジャンルは「ボクシング漫画」ということになるだろう。前ループでは荒んでいた・大体の仲間から嫌われていた、くらいの情報しかなかったボイドさんを、読者全員が好きになったボイド編。スラムでは暴力をふるっていたが(自分からではないけど)、ボクサーとしてルールに則ったボクシングで勝負することを良しとするスポーツマンになる。

ボイドさんがボクサーになるきっかけの警官さん。こういう黄金の精神のモブ好きになりがち

明らかに丹下段平みたいな眼帯のニコとか、ボスのデンプシーロールとか、否定者バトルになるまではボクシング漫画をやろうという気合が見える。勿論否定能力解放してからの打ち合いもカッコいいコマばかりなので好き。決着の大ゴマとかね。

埼玉在住の除津健二さん御年98歳。当時すごい笑った記憶ある

そういえば決着から間を置かずに円卓の間に行くくだり、ボイドさんがアンディぽいのは、前ループのジーナ戦後のユニオン突入回のオマージュだったりするのだろうか(ムーブで移動→アポちゃんに一発カマす→円卓の席に座って挨拶までの流れ含めて)

セコンドが「クリンチしちゃえ!!隕石落とせ!!」はガラが悪すぎる

戦争編

ボイドさん加入後の1話で一気に一心・友才・ショーンの3人を仲間にする爆速展開を経て、ユニオン一行は古代遺物リメンバーを求めて紛争地帯・ブロージャへ赴く。そこではビリー・テラーのいる「水平の秤隊(ホライゾンバランス)」とクリードさん率いる傭兵部隊が衝突していた。一応ジャンルで言うと「戦争もの」ということになりそう。ここは本当に男共の曇らせが多すぎることで読者の皆様方からお墨付きを頂いている。ではなぜかエッチな目で見ている人も多いテラーから


月が綺麗でLUNAの顔がありありと浮かんでくる。今から一緒に殴りにいこうか


みんなに危険を伝えるために叫ぶことは出来ないが


他人に伝えるためでなく自分の絶望を表す「あ゛…あ゛ぁ…」は発音できるという不通の徹底ぶり

禁断のテラーさん曇らせ“三度打ち”、いかがだったでしょうか。お次はクリードさん。

これで残弾ゼロだったら一応帰れていたと思うと本当に神(クソヤロー)

このあと「クリード大尉」と呼ばれる最悪さよ。「少尉→大尉」の殉職二階級特進の胸糞悪さ、さらっとお出しされる神発言で好きですね。最後はショーン(ビリーおじさまは前ループで悪役頑張ったから今回はパスします)

今ループでも都合よく使われるショーン

ショーンの過去。脇役ばかりのお父さんとは違い、主役として輝きたいショーンに付与された不可視の否定能力。前ループでも都合よく使われ、第三の目を埋め込まれて主人公コンビを殺そうとしてなんか死んだ…したのでこの時点では印象薄い読者もいたと思う。

だからこそ風子を心からの兄弟(ブラザー)と認めて不可視の解釈が広がったのはカッコいいし、ユニオンのエンブレムが消えるのも涙が不可視の適用じゃないのも芸コマで大好きですね。お父さんの「誰かを輝かせる脇役もいいもんだぜ」という思いが言葉でなく心で理解できたシーンは、戦争編屈指の名シーンだと思う。煽りの「視出した新たな居場所!!」もパーペキですね。

最後にこの戦争編、早撃ち対決が始まる。まあビリーおじさまの土俵で戦うならまあそうだろうという感じだが、やっぱ戸塚先生西部劇やりたすぎでしょ(オータム編といいUMAスポンジといい)。そんなことよりビリおじ妻帯者ェ…

早撃ち対決。驚いてるテラーさんかわいいね

フィル編

宇宙で育てられたフィルくんとお母さんを助けるために宇宙船作ってGO!これDr.STONEでやったやつだ!読み味的には「コズミックホラー」がしっくりくる気がする。フィルくんの登場シーンとか特にね。本当になんでもありだなこの漫画…

そういえばここはフィルを仲間にするのと同時に、ジーナがボスの右腕に進化する過程も描いている。


「信頼が減っちゃうからね」と言いつつ、実は自分もニコに同じことを言われていたボス


勝手に乗り込んで怒られ、反省したからこそ、ボスの右腕に相応しい人物になていくのも宇宙編の好きなポイント。話を戻してコズミックホラー感あるシーンの話をしよう。

フィルくん登場シーン。前段の操縦桿が勝手に動くところも含めてゾクッと来たんですよね。

皆が宇宙服着てる中何も着ていない違和感、どこを向いているのか分からないグルグルお目目、メカバレ、アンデラっぽくないシーンの連続で新鮮だった記憶。あとはこれも外せない、戸塚先生の大好きな

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

ガンダム。隙あらばねじ込もうとするガンダム要素。あとはアッツアツ(アッツアツってレベルではないが)のフィルに触れるジーナはエヴァを思い出した。二重の意味で激熱だった大気圏突入。その後の駆け付けるお母さんも好き。

天擂祭編

宇宙船の不時着先が香港で、ラーメン喰いながらメイちゃんに遭遇、立ちながら食っていたラーメンを不運のタネにして勝利後に本題の天擂祭の話に移行する。なんて自然な導入なんだ(棒読み)

ファンの主催する天擂祭に出場する風子たちは、出場者のシェンの悲劇を誘発して不真実を発現させ、「皆で」ファンに立ち向かうことになる。ムイちゃんvsシェン、語られる今ループのファンの過去、そして天下一武道会。そう、ジャンルで言うと「天下一武道会」です。

トーナメントあるあるの理不尽な組み合わせ。何度見てもボーボボ

この天下一武道会編、ちょくちょくボスがいじられているのが好き。最初の「太ってる」に始まり、「バケモノ」も笑ってしまう。あとはシェンムイの供給。こことかもはやプロポーズだろ…

偕老同穴ってやつですね。墓に入ってもやりあってそう

前のループのファンは「全盛期を過ぎて老いた状態が固定されてしまう」という悲劇だったが、今ループでは「自分だけ全盛期で他の人は後進に譲っていってしまう空虚さ」が悲劇だった。そんななか(ボスに言われて)律義に子育てをするファン。あの家族として過ごした日々は、ある程度は彼の心を埋めたんだと思う。というか子育ての様子を見ると結構真面目にやってるし、そのパンパンダのグッズはお前が買ったのか…?ただのいいパパか?そんなんだから不真実の適応に入っちゃうんだゾ

前ループ・サマー編の「それが不真実(しんじつ)なんだね」のセルフオマージュ。「不真実(ウソ)だよバーカ」という台詞になるのも今ループの親子のような関係性のままきているからこそ

しかし、ファンのおもしれー男はここでは終わらないのだ…

学校編

力くん加入編。不動を発現に伴う悲劇を防ぐため、力くんと学園生活を送るユニオンの面々+ファン。なのでジャンルで言うと「学園ドラマ」かな。どっちかというと学パロが正しい気がする。公式で学パロをやってくれるというのは大変贅沢なことなのじゃ(学パロ博士)


ここで笑わなかった人は子宮に笑いを置いてきている

校長役の一心じいちゃん、保健室のイチコに科学教諭ニコ、ビリーの持ってる歴史の本は点字だし、シェンはしばしばノーパンを晒し、意外と学園生活をエンジョイしていたのはショーン・ダッツなのだった(情報過多)。これが全部公式だから参るね。今ループは若作りじゃなくてマジなギャルのジーナと、その年(ウン百歳)でJKは無理でしょのボスも面白い。

この学校編、力が写真をやりたいという設定が随所で活きていて秀逸だと思っている。学校行事があれば写真を撮り、写真係に任命されれば家業とどちらの道を行くかの葛藤でドラマを作りる。不動の悲劇は「生活の瞬間を止めたいのに、不動で止めた一瞬しか撮れない」こと。最後の集合写真でもファンを止めるという重要な役割がある。ところで力くんの話と並行して、学校編では「前ループでは経験できなかった風子ちゃんの高校生活」を描くという側面もある。

漫画とかでしか高校を知らないから授業中手を挙げて答えちゃうボス
反復横跳びでやりすぎるボス。「あちゃー」のジーナも味わい深い
もはやネイティブのボス。ここのheって彼氏のことですか?ねぇ彼氏?

ここらへんのボスは「また私何かやっちゃいました?」みたいな感じで好き。だからといって、やらかしたから失敗だ~というわけでもなく、なんやかんやでエンジョイしていて微笑ましい。反復横跳びのところのジーナに現れているが、今までは風子から諸々教わる方だったのが、相対的に常識があるからツッコミ役に回っているので、関係性の微妙な変化も味わえる。

学校編のクライマックス、UMAカラーとの戦い。ここは丁度TVアニメ『呪術廻戦』第2期「懐玉・玉折」放送中で、オープニングである『青のすみか』がバリバリ流れていたんだよな。

というわけで「ならその青 赤色に染めてあげる」「そんなチンケな赤で変わる青じゃないんだよ!!」という台詞が印象に残っている。

そして卒業式の校長の話が流れる中のバトル、こういうのもアンデラっぽい。描写を兼ねたり、本人たちにとっては大事なシーンだけどそれはそうと周りの状況も目まぐるしく動いている、みたいな演出が好きなのかもしれない。

ところで不動+不可視ってクソコンボだと思うんだけどどう?禁止カードに指定されない?

病院編

次なる舞台はフランスのイズー病院、動き出すリップとラトラとライラの関係性、マスタールールであるUMAシックとの激闘、そして手術!なればこそ、ジャンルで言うと…「スーパードクターK」?だと思います多分…。ボスも手術してるし間違いない。

でもライラの手術だけじゃなくて病院中の患者片っ端から手術してるし、どっちかというと救命病棟24時の集団食中毒回とかそういうヤバさがあったよね

ライラに白馬の王子スタイルでプロポーズするおもしれー男リップ=トリスタンは、病院中の患者のカルテを頭に叩き込み、他の追随を許さない技術を身に着けたスーパードクターRになった。しかしそんな彼でもUMAシックに対抗するすべはない。あるとすれば不治を発現させ、足を切断することでブレードランナーを装着するしかない。前ループでリップだけ両足を切ってラトラ号泣の大惨事になった訳だが、それを今ループではどう処理するのかと思ったら

「俺が死ぬまで治らない」は重要な台詞だから覚えてくれ…マジで

二人で背負うことで解決した。このグダグダ感堪らねぇな…。ささやき女将かよ!しかもブレードランナーが合体して二人で放つ必殺技まで用意されている。福利厚生が行き届いておりまする。まあこのあとアンディが太陽にいたり、風子がユニオン突入回のセルフオマージュしたりするけどそこは飛ばします。何といっても病院編のクライマックスの見せ場はここ

No. 183 三人で

もう面白い。なんなら前日のイラストで「流れ変わったな…」してたまである。おいなんで指輪を用意してる…

やりやがった!!マジかよあの野郎ッ やりやがったッ!!

なんでブレードランナーが合体するのが伏線として機能しているんだよ!あとライラとラトラのお父さんの「一日に娘が二人もおヨメに…」じゃないよ!気にするとこそこじゃねぇよ!まあフランスには三人婚みたいなのがあるらしいし、そうでなくとも「否定者がルールにしばられてちゃあ世話ないぜ」という話である(前ループのアンディも言っていた)。ポリアモリーとかそういう言葉で定義するのもなんだか無粋だし、リップが欲しかったのは三人で笑いあう景色だったんだろうなと思える。

のちに100人の彼女と結婚する男である

この結婚には寧ろ賛否両論あってしかるべきだと思うし、どちらかと言えば現実の我々読者の反応と作中の周囲の反応が一致するくらいでいいのだろう。ところでまだpixivとか見てないんだけどなんて言うカプ名なの?リプラトライ?リプライラト?ドリトライ?

終わり

現在(2023年11月25日時点)では、アンデッドアンラックはラーメン対決に入ろうというところだ。ジャンル:グルメだ。ここまでお読みくださった酔狂な読者の皆々様なら、もうこの漫画のジャンルが何かということは完全に理解したと思われる。

それではみなさんご唱和ください「アンデッドアンラックは(略


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