ライトクオンタム考察 ~最後のディープ産駒は本物なのか?~
🌟前書き
今年のオークスにおいてライトクオンタムは12番人気。単勝オッズは44倍。
(5/21 10時時点)
桜花賞では最終的に2番人気8.0倍まで支持された馬がここまで評価を落としている。
桜花賞では、ディープインパクト最後の産駒に武豊騎手が騎乗すること、無敗馬であったことが人気の要因だったと考えている。
今回のオークスでは、桜花賞での惨敗、田辺騎手への乗り変りなど、前走人気になっていた要素がなくなり、世間的な目がこの馬に向かなくなったことで人気急落、という形だろう。
このような人気要素とは別に、この馬は同世代でもトップクラスの素質を持っていると考えている。
そう考える最大の理由は、新馬戦でこの馬が見せたパフォーマンスにある。
今回はその新馬戦のことについてふれ、今年のオークスとのつながりについても述べたいと思う。
🌟新馬戦のパフォーマンス
ライトクオンタムが出走した2022年11月22日の新馬戦。
大外枠から素晴らしいスタートを決めて先頭へ行った。
直線では軽く仕掛けただけで鞭を使うことはなかったが、
後続に2馬身半差をつけての完勝だった。
上記のレース内容だけ見てもかなり強いことがわかるものだったが、
注目すべきはラスト5Fの数字。
この馬が記録したラスト5Fは57.7秒。
この数字が素晴らしい。
東京芝コースは直線が525.9mと他場に比べて長く、馬のスピード性能がフラットに発揮されやすいコースである。
そして、2歳時に東京コースを走る馬は、陣営も期待している馬が多い。
陣営としては馬の素質を早い段階で把握したい思惑もあって、レース自体はスローペースで折り合いをはかり、最後の5F(1000m)のスピード勝負になりやすい。
ここが大きなポイントで、前半のペースに関わらず後半5Fのスピードが速いほどその馬の素質が高いと考えることができる。
2歳限定の東京芝1600mに絞ってレース上り5Fの数字を早い順に並べたものは以下の通り。データは2014年以降のレースを対象としている。
これをみると、上位のほとんどが重賞馬であり、G1でも勝ち負けになった馬がほとんどである。
このランキング表からもれたほかの上位馬をみても、
・シャンパンカラー
・モズメイメイ
・レイベリング
など、去年から今年にかけて世代戦で活躍した馬が多数いる。
特に注目すべきことは、主なG1実績にも示した通り、東京のG1レースにつながりやすいということ。
🌟オークスとのつながり
さきほどの表の中で牝馬に着目すると、
去年のナミュール、一昨年のアカイトリノムスメと2年連続でオークスの好走馬が出ている。
グランアレグリア、ルーツドール、プリモシーンはオークスに出走していないため、馬券内率でいうと100%である。
1着馬以外でみても、去年のオークス馬スターズオンアースはナミュールと同じ赤松賞に出走して3着だった馬であり、オークスとの相関度は高いのではないかと推測する。
オークスは出走する馬のほとんどがマイル以下しか走ったことのない馬であり、現時点での距離適性をはかるのはプロでも難しいといわれている。去年のナミュールは距離への不安から人気を落としていたことは記憶に新しい。
実際にレースペースによってはスタミナが強く求められるレースになることもあり、血統やこれまでのレースから見出されたスタミナに特化した馬が馬券内にくることもあった。
それでもやはり東京の良馬場ではスピードが重要なことは周知のとおり。
それであれば上記の東京芝での上り5Fに着目してスピードに特化した馬を狙うのがよいのではないかと考える。
今年は表の中から、アルテミスステークスの勝ち馬ラヴェル、2着馬リバティアイランド、そしてライトクオンタムが出走する。
リバティアイランドは1倍台がほぼ決まっているほどの人気馬であり、
これまでのレース内容からも怪物であることは疑いようがない。
それ以外の2頭については東京で見せたパフォーマンス以外の敗戦で人気を落としている。
それならばこれら2頭の巻き返しに期待してもよいのではないだろうか。
🌟最後に
ディープインパクト産駒は去年までに12世代連続でクラシック制覇を成し遂げている。
長年にわたって種牡馬リーディングのトップに君臨してきた偉大な産駒のラストクロップ。日本で登録されたのはわずか6頭であり、ライトクオンタムはそんな数少ない精鋭の中の一頭である。
今回の投稿タイトルの答えは今後の結果を見てみないとわからない。
しかし、ライトクオンタムがここまでに見せてきた素質だけであれば、今回のオークスで通用しても全く不思議ではないはずだ。
長い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました!
みなさんよいオークスとなりますように!
おず