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来たるべきAIスタートアップの崩壊

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ほなみなさん、AIスタートアップのバブルについて、わいの考えを話させてもらいますわ。まぁ実際バブルやと思うんですけど、それはそれでええことなんですわ。最近のスタートアップはちょっと常識はずれな企業価値で資金調達してはりまして、正直言うてあんまり筋が通らへん感じです。彼らが作ろうとしてる製品は競争の激しい分野にあって、経済性も厳しいもんがあります。多くの企業が失敗するやろうけど、それはそれでええんです。今はちょっと混沌としたことをやってみる時期なんやと思います。
このビデオでは、AIスタートアップに形成されつつあるバブルについて、ちょっと整理されてない考えを話させてもらいます。最終的にはうまくいくと思うんですけど、間違いなく崩壊は来ますわ。
まず最初に断っておきたいんですけど、わいはAIソフトウェアの専門家でもないし、人脈のある投資家でもありません。ただ動画を作ってる人間です。でも最近のトレンドについて考えてみて、いくつか気になることがあるんです。
まず、特に2024年後半のAIスタートアップの資金調達を見てると、現実的な投資収益を得るのが難しい企業価値で行われてるんです。例えば、元Salesforceの共同CEOで現OpenAI取締役会会長のBrett Taylorが共同設立したAIスタートアップのSierraは、40億ドル以上の企業価値での資金調達を目指してはります。Sierraは会話型AI製品を開発してるんですけど、その出来について意見は控えますが、今のところ大きな収益は上げてないように見えます。似たような製品もいくつかあるんです。
寛容に見て100万ドルの収益やとしても、それは収益の200倍の価値ということになります。AI検索スタートアップのPerplexity AIは、現世代のLLMスタートアップの中で多分一番目立つ存在です。Wall Street JournalとCNBCの最近の報道によると、80-90億ドルの企業価値で新たに5億ドルの資金調達を試みてるそうです。最近の収益ペースは5000万ドルくらいなので、収益に対する価格の倍率は160-180倍になります。
同じ月に、AIを活用したソフトウェア開発プラットフォームのPoolsideが30億ドルの企業価値で5億ドルを調達してます。まぁ、こんな感じです。Wall Street Journalは今年に入ってこのテーマについていくつか記事を書いてます。
2024年4月には、AIエージェントのラボ企業Imbuを取り上げてました。Imbuは2023年9月に収益がない状態で10億ドルの企業価値で2億ドル以上を調達しました。2024年8月には、AI文書検索スタートアップのGleanの資金調達ラウンドについて報じてます。Gleanは2億5000万ドルを調達し、わずか6ヶ月で企業価値を20億ドルから45億ドルに倍増させました。
その企業価値と年間収益5500万ドルという報告を考えると、倍率は約82倍になります。OpenAIの企業価値が1570億ドルで年間収益が40-50億ドルで倍率が42倍であることを考えると、かなり高いですわ。これらの企業は確かにめっちゃ成長してるんですけど、投資家がこの投資額を回収できるんかなぁって思います。
楽観的に見ても、これらの企業の出口戦略での企業価値は、現在のAtlassian、Snowflake、DataDogみたいに400-500億ドルくらいでしょう。そうすると、40億ドルでの調達やったら8-10倍のリターンになります。めっちゃ良さそうに聞こえますけど、SaaS企業が上場するまでに平均10-12年かかるので、年間リターンに換算すると18-25%になります。リスクを考えるとそんなに高くないですわ。
それに、AIの「セレブ」とその経歴が資金調達で果たしてる役割にも気になります。Sierraの高い企業価値と低い収益を見ると、投資家はチーム、つまりAIセレブ創業者に賭けてるということやと思います。
セレブ主導の資金調達の他の例としては、OpenAIの卒業生たちがいます。Ilya SutskeverのSafe Super Intelligenceだけやなく、元OpenAI CTOのMira Murati氏も自身のスタートアップの資金調達をしてるそうです。それにStanfordの有名教授、Fei-Fei Li氏が率いるWorld Labsは10億ドルの企業価値で1億ドルを調達しました。
これを見てると、数年前のストリーミングバブルの時のことを思い出します。その時代の特徴の一つが、Ryan Murphy、Shonda Rhimes、Greg Berlantiといった大物プロデューサーとの大型コンテンツ契約でした。2019年9月にWarner Brothersと締結したJJ Abramsとの2億5000万ドルの製作契約なんかもそうです。
これらの数億ドル規模の契約の背景には、プロデューサーたちがGame of Thronesみたいな大ヒット作を作り出して、ストリーミングサービスの加入者を大幅に増やせるという考えがありました。数年後、これらの契約について最も良く言えることは、いくつかの面白いヒット作が生まれ、契約を結んだストリーミングサービスが破産しなかったということくらいです。
でも、今の市場環境では、これらの契約の多くは更新されへんと思います。あれはバブルやったんです。そして今また同じことが起こってると思います。ただし、はっきりさせておきたいのは、セレブに対して何か言いたいわけやないんです。お金と機会が提供されるんなら、それを受け入れることを非難するつもりはありません。
もしかしたら、AIセレブがより優秀な人材を引き付けて、より優れた製品につながるかもしれません。わかります。ただ、これらのセレブや大物が本当に数十億ドルの企業価値に値するんかということについては疑問に思います。
実際、これらのスタートアップの多くが何故数十億ドルの企業価値に値するのか、理解するのが難しいです。多くの企業がアプリケーションを作ってて、それは正しいアプローチやと思うんですけど、そういうAIを活用したアプリケーションの経済性が数十億ドル規模のビジネスを示唆してるんかというと疑問です。
まずコスト面では、AIを活用したアプリは従来のクラウドアプリよりも訓練と運用にコストがかかります。これについては多くの人が議論してると思います。利用者が増えれば増えるほど、提供者のコストが増えていきます。
ある時点で、提供者はサービスの質を下げるか、コストをユーザーに転嫁せなあかんようになります。後者の場合、価格を上げるか、従量課金モデルに移行することになります。データコストの問題もあります。
法律関係のAI企業が社内にエリート弁護士を抱えてるように、これらのスタートアップの中には、製品の訓練と評価を手伝うために、高額な特殊な労働力を使ってるところもあります。それはコストがかかります。
そういうコストの面はそうとして、収益面はどうでしょう。AIに関する基本的な第一段階の考え方は、人の仕事を置き換えることでコスト削減が図れるということです。つまり、給料を払う必要がなくなるということです。
でも、これらのAIエージェントが人間の介在なしで運用できるかというと、それは明確ではありません。そうなると、得られるはずの金銭的な利益は減ってしまいます。カスタマーサービスなんかの使用例は、わいも可能性があると思うんですけど。
でも仮に人間を置き換えて給料分を節約できたとしても、似たようなことができる安い製品を持って他のAIスタートアップが参入してきて、利益を奪っていくのを防ぐことはできるんでしょうか。
次に、業界で誰かが大きな成果やブレークスルーを出したとしても、他の企業がすぐに追いついて競争で消されてしまうということがあります。OpenAIは業界に対して2年のリードを持ってスタートしました。収益の面では今でも好調ですけど、技術の面ではそのリードは短いものです。
全ての研究者が互いに話をし、同じハードウェアにアクセスでき、似たような業界の考え方に従ってます。最近のGPT-4モデルで導入された新しいイノベーションも、競合製品に取り入れられるのに数ヶ月しかかからへんでしょう。
実際、テックスタートアップや大企業が作る市場のAI製品は、どれも6ヶ月くらいしか差がないように感じます。ベンチャーキャピタルの出資を受けた企業が大勢ひしめき合ってる分野もあります。
先ほど言及したAIコーディングアシスタントのスタートアップPoolsideを例に取ると、コーディングアシスタント分野の他のVC出資企業には、Magic、Codium、Cognition、Deyon、Augment、TabNineなどがあり、全て1億ドル以上を調達してます。そしてもちろん、この分野の大御所であるGitHub Copilotもいます。
これを見てると、1977年から1984年のハードディスクドライブのブームと崩壊を思い出します。43の異なるディスクドライブメーカーがベンチャーキャピタルから4億ドルを調達し、その半分以上が最後の2年間に集中してました。業界は70社くらいまで成長しましたが、結局これらの企業は互いにあまりにも似通ってました。
HDDのエコシステムはあまりにもモジュール化されすぎてて、ある企業が他の企業のやってることを簡単に真似て再現できすぎたんです。そして1983年と1984年に、彼らが頼りにしてたPC市場が最初に後退した時、多くのスタートアップが生き残れませんでした。
ハードディスクドライブは依然として製造され、PCに販売され続け、大きな技術的進歩も見られました。ただ、ゴールドラッシュが終わっただけです。
なので、はい、AIスタートアップのバブルが膨らんでると感じます。でも同時に、AIへの投資ブームとそこから得られる利益は本物やと思います。HDDの業界と同じように、メガキャップの世界では、世界で最も収益性の高い企業がデータセンターを建設するためのチップ、土地、コンピュータ、電力に数十億ドルの利益を注ぎ込んでます。
Joseph Politanoは経済学の観点から、アメリカ企業がデータセンターに年間260億ドルを費やしてて、これは前年比で60%近く増加してると指摘してます。Politanoが指摘するように、これはアメリカが小売店やレストランに費やす金額と同じくらいです。
それに、TSMCの2024年第3四半期の決算報告もありました。彼らは誰のAIチップの購入計画についても知見を持ってて、彼らが「夢にも思わなかった」ほどの需要を見てるって言うてます。わいはその言葉を信じますわ。
この投資の波がどこに向かうのか、わいにはわかりません。これは、経済全体に波及する壮大な投資とスペンドの始まりに過ぎないのかもしれません。それは我々の働き方を革新し、階級を超えて繁栄をもたらし、輝かしい未来を作り出す波かもしれません。
あるいは、そうでないかもしれません。もしかしたら、これは全て前倒しで、コロナブーム後のように、データセンターへの投資が3-4年間停滞するだけかもしれません。その場合は厳しいですけど、壊滅的ではありません。
歴史上の大きなブームとバブルには多くの注目が集まってきました。1980年代の日本の不動産、1990年代の通信用光ファイバー、2000年代のアメリカの住宅など。人々はこれらの崩壊を覚えてるのは、特に大規模で、より大きな経済に破壊的やったからです。
わいの友人で、Fabricated Knowledgeのダグ・オラフィンが指摘したように、それはハイレバレッジが関係してたからです。Amazon、Microsoft、Googleは、彼らの巨大な独占的利益からこれらのデータセンターの建設資金を調達してます。彼らがおばあちゃんや年金基金にAI債券を売り出すようになるまでは、より大きな経済はAIスタートアップの崩壊を何とか乗り切れると思います。
AIスタートアップのエコシステムに話を戻すと、これらのベンチャーキャピタリストや類似の投資家も大丈夫やと思います。彼らは洗練された投資家で、自分たちが何をしてるかわかってます。通常の買収による退出の黄金のパラシュートがなくても、投資のソフトランディングを工夫できるくらい賢いです。
わいはInflection AIを見てます。彼らはChatGPT、Claude、Geminiに挑戦するチャットボットの競合を作るために数億ドルを調達しました。結局失敗しましたが、Microsoftとの特別な取引のおかげで、スタッフと投資家は少なくとも資金の一部を回収できました。たとえそれが上手くいかなくて、お金を失い、今後数年間の資本収益率が低下したとしても、彼らはすでに裕福で分散投資してるので、きっと対処できると思います。
わいが心配なのは、これから失敗するAIスタートアップで働いてる普通の人たちです。家族を養わなあかん人たちです。ストリーミングコンテンツのバブル終焉で一番つらかったことの一つは、その影響との向き合い方です。
ブーム期に金持ちにならなかった映画業界の、特にロサンゼルスの何百人もの人々が、崩壊後に取り残されてしまいました。これらのスタートアップに対して、お金を慎重に管理し、従業員が頼りにしてることを忘れず、できる限り資金を延ばし、持続可能な収益源を構築することに集中するという以外のアドバイスはできません。できるだけ早くそれをやってください。この状況がいつまで続くかわからへんので。
今日、わいたちはAIブームの只中にいると思います。わいはそれが好きです。人生にちょっとした資本の活気が必要やと思います。それは新しいビジネスの可能性を評価し、市場でその勇気をテストするのに役立つと思います。
例えば、プロシューマー向けチャットボット分野に流れ込んだお金のおかげで、AnthropicのClaudeやInflectionのPiみたいなものができました。一方は成功し、もう一方は失敗しました。その後、お金は市場の他の部分にスムーズにシフトしました。
今年初めのベクトル埋め込みモデルへの小さな波や、今のAIエージェントへの殺到を見てください。それが上手くいかなければ、資金の流れは再び別の方向に向かうでしょう。たぶんロボット工学とかに。これらの企業は製品を開発し、牽引力を得ようとします。
多くは脱落するでしょう。それが人生です。でも、いくつかのものは残り、それらは世界を変えると思います。
ほな、今日はこれくらいにしときます。チャンネル登録してもらって、Patreonにも登録してもらえたら嬉しいです。また会いましょう。

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