海辺での農業:日本での持続可能な自給自足の暮らしを築く
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今日はね、広島の「ピッチフォーク・ファーム」にトーマスを訪ねて来たんです。彼がどないして海辺で自給自足の農業をしてるか、みなさんにお見せしたいと思います。ここは素晴らしい場所で、柑橘類をようけ育ててはって、羊と豚を使って緑地の管理と畑の肥料づくりもしてはります。それに、CSAのお客さん向けに市場向け農園も運営してはるんです。せやから、今日はトーマスから色々教えてもらいましょう。
狭い道を運転して来たんですけど、ここに停めて...トーマスは下におるみたいです。うわっ、見てみ!でっかいバナナやわ。ここが正解やな。おーい、どこにおる?ちょっと周り見て回ったけど...
トーマス:やあ!
私:はじめまして!
トーマス:こちらこそ!来てくれてありがとう。ユニークな場所やろ?
私:うわぁ、ほんまに。この眺めはすごいな。この場所はどうやって見つけたん?
トーマス:2011年に、ここの街で外国語指導助手(ALT)として働いてたんです。大学で持続可能な農業を勉強してて、なんとかして食べ物を育てたいと思ってたんやけど、どこでどうするかはまだはっきりしてなくて。でも、この街に来て政府の仕事を始めた時に、教育委員会の人とかアドバイザーに空いてる土地はないかって聞いてまわったんです。
それで、しまなみ海道のサイクリングコースに出て、周りを見渡してたら、放置されたみたいな農地がめっちゃ多いことに気づいて。至る所にあるんですよ。空いてる土地がこんなにあるなんて、ほんま信じられへんかったです。
最初は教育委員会の人らに笑われて、「英語を教えに来たんやから、そっちに集中したら?」って感じやったんですけど。でも、何かしたいという思いは諦められへんくて。週末とかも時間あったし。それで、街のカフェに行って聞いてまわってたら、「ここに引っ越してきた友達を紹介するわ。向島に土地があるよ」って。たまたま私も向島の小学校で教えてたんです。ここが向島なんですけど。で、今も隣人である方が、この土地を紹介してくれたんです。
私らの年間を通じた生産の主な畑は、ここ下の方にあります。暖かい秋が長いんで、遅めに植えた茄子なんかも、まだ少しずつ実をつけてます。35、36度になったら花が咲かんようになるんですけど、9月、10月、11月になったらまた実がなるんです。ピーマンも同じように、10月、11月まで残しておきます。
ここら辺は井戸水で水やりしてるんですけど、あんまり使いすぎられへんのです。一時間も流しっぱなしにしたら枯れてしまうんで、1、2日待たなあかんくなります。せやから、水やりは最小限に抑えて、マルチをしたり、遮光ネットを使ったり、コンパニオンプランツを植えたり、間作をしたりしてます。
例えば、これはモロヘイヤっていうエジプトの緑の野菜で、オクラやワタに似た粘りのある野菜なんです。炒め物にするんですけど。このモロヘイヤの列の間に茄子も植えてて、生産を組み合わせてます。これらはズッキーニで、4月に植えたんですけど、もうほぼ終わりかけてて、ずっと種を採ってきました。
それに、太陽の下でよう育つのがゴーヤ(にがうり)です。アメリカではあんまり食べへんけど、沖縄では有名です。35度の気温が何週間も続くような環境でも育つ植物を考えてます。
で、斜面の方には柑橘類とイチジク、グアバ、桑の木があります。イチジクが1本、グアバが2本、ライムが...金柑もありますね。
多くの木は、ここ3、4年の間に植えたものです。特に上の丘の柑橘類は3、4年くらいです。ソーラーパネルのある方に、約30本の柑橘の木があって、そこに羊も連れて行きます。まだ手つかずの場所もあって、谷のような場所にも...
私:谷?南部出身?
トーマス:そうなんです。ジョージア州出身です。でも、農業とか園芸の経験は全然なくて。芝刈り機で草刈るくらいが精一杯でした。だから、日本に来てから本格的に始めたんです。
真ん中に豚を1匹飼ってます。ほら、ここに。色に溶け込んでるけど。やあ、buddy!
私:この子はどれくらい育てるん?
トーマス:この子は食用じゃなくてペットです。堆肥作りの名人ですよ。雑草を全部食べてくれて。去年もこのフェンスを動かして、ここにおったんです。そしたら、とうもろこし、かぼちゃ、豆を植えられて、肥料も何も使わんでよかったんです。
移動式の鶏小屋みたいな感じで、場所を準備するのに使ってます。彼女の排泄物を集めて、それを畑に戻します。次はたぶんここに移動させて...去年もここにおったんで、生えてきた雑草を食べてくれてました。
でも見てみ、食べ残した種から芽が出てきてる。これは冬瓜っていう日本のカボチャの一種です。それに菊芋(キクイモ)も生えてきてて...ほら、これとか後ろにもいっぱいあります。
ミニトマトも今では農場の雑草みたいなもんです。去年食べ残した種が落ちて、勝手に育ってきます。これはちょっとした野生のゾーンみたいなもんです。平地の畑に集中せなあかんから、こういう外れた場所では余分な食べ物が勝手に育ってて、手間いらずなんです。
誰かがフェンス材料をくれたんで、堆肥のリングを作って。4月か5月頃からミニトマトが生え始めて、ケージで囲っただけです。草も生えてこんし、すごくいいです。7、8種類の植物がこの1カ所で育ってて、冬瓜の白い花も咲いてます。
これは隣人の家ですけど...
私:日本人?どう思ってはるん?
トーマス:彼女は英語を話せて、ノースカロライナに住んでたことがあるんです。すごくいい人で、彼女も移住者なんです。元々は横浜出身で。2011年の福島の地震の後、西日本に引っ越してきた人が多かったんです。それも自分で食べ物を育てたいと思った理由の1つでした。
日本に来た時、漢字が読めなくて。大学で持続可能な農業を勉強した時に、地産地消の大切さを学んだんですけど、もう日本におったんで、それを実践したかったんです。彼女も子供が生まれたばっかりやったんで、この家を買って、一緒にこのプロジェクトを始めました。自分たちの食べ物を少しでも育てたかったんです。
私が最初に始めたのは、この四角い区画だけでした。ビニールハウスにはまだビニールも張ってなくて、向こう側は全部青いシートで覆われてました。元の地主さんが何も育てたくなかったからです。ここから上は全部歩けないくらいセイタカアワダチソウとか雑草だらけで...
私:ジャングルやったんやね。
トーマス:そうそう。今もちょっとジャングルみたいやけど、その時は全然多様性がなくて、3、4種類の雑草だけやったんです。せやから、少しずつ区画を区切って、最初はヤギを入れました。まだここに住んでなかった時も、町から自転車で毎週通って、隣人と一緒にヤギを共有して、エリアを開墾してもらいました。
2017年にこの土地を買って、より本格的に管理し始めて。2020年くらいから果樹をようけ植え始めました。ここらへんの柑橘類は全部3、4年物です。みかん、柚子、ダイ、グレープフルーツ、レモンとかです。
私:冬はここ海に近いから温暖なん?
トーマス:そうなんです。レタス、ケール、キャベツ、スイスチャード、ビーツ、人参、カブ、全部育ちます。ちょっとビニールをかけたり、べたがけしたりしたら、ずっと育てられます。
気候はほんまにいいです。でも、島やから土が砂っぽくて。他の場所に行くと少し羨ましくなることもあります。せやからマルチをして、堆肥もようけ入れます。動物の堆肥もそうやし、牛糞堆肥も安く手に入るんで。木材チップみたいな炭素も土に入れるのが大事です。
砂質土やから、入れた栄養分がすぐ流れ出てしまうんで、それを保持するものが必要なんです。だから最近は堆肥とか、刈った草とか、藁とかをようけ入れてます。
これらは全部野生っぽい桑の木です。植えたんじゃなくて、もともとあった木を残しておいて、農場を登っていく時の日陰になるようにしてます。朝顔の列と、また勝手に生えてきたミニトマトがあって、これは遅くまで実をつけます。
これはアスパラガス豆と四葉キュウリを間作してます。
私:すごいなぁ、その豆!
トーマス:四葉キュウリは最高ですよね。ここの上の方は、雨が降った時にしか植え付けせえへんし、この季節は水やりもせえへん。自然に任せてます。でも、ヨモギみたいな食べられる野草やハーブがようけあって...
バジルも植えて、トマトの列もあります。菊芋もまた出てきてて、柑橘類と一緒に植えてます。ここに3列の柑橘があって...あそこの大きいのはグレープフルーツです。5年前に植えました。
これが他の柑橘エリアで、最後に植えた分です。ここには一週間前まで、とうもろこしの列があったんですけど、イノシシが森からやって来て、全部倒してしまいました。
最初にここに来た時は、インフラが何もなくて、金属のフェンスもなかったんです。古い屋根材と竹を使って、これで大丈夫やろと思ってたんですけど...初めてズッキーニを種から育てた時、収穫しようと思った日に全部潰されてしまって。最悪でした。イノシシに見つかって、「ここに食べ物があるで!」って気付かれてしまったんです。
今年はカボチャ、ズッキーニ、とうもろこし、サツマイモが全部やられました。でも柑橘類は実がなるまでは荒らされへんです。
これは全部豆です。アスパラガス豆とは違う種類の、9月、10月に植える豆です。地面を這わせるか、このフェンスに絡ませます。上の方の種は、ほとんど耕してないところにまいてます。小さな耕運機しかないんで、「ピッチフォーク・ファーム」っていう名前の通り、フォークで畝を作ることが多いです。まずシートで覆って、フォークで耕して、直接種をまきます。
ここまでが主な耕作地ですけど、この谷を上がっていくと竹林があって、そこも昔は全部柑橘畑やったんです。30、40年前は、この山の斜面全体が柑橘と蚊取り線香に使う菊の畑やったんです。
トーマス:蚊取り線香に使う「除虫菊」って菊なんですけど、日本では多分400、500年前から栽培されてたんです。化学薬品を使う前は、この花を乾燥させて使ってたんです。ここは日本で一番暑くて乾燥した気候の1つやから、この花を育てるのに理想的な場所やったんです。
面白いことに、これは完全に自然なものなんです。市立大学で見つけた本によると、輸出作物として、アメリカ軍が「日本が輸出するなら、これや」って言うてた作物の1つやったんです。
他の作物、例えばお米とかを他の国と比べたら、輸出する価値がなかったんです。今でも、高級寿司屋とかに出すような特別なもの以外は、他の国の方が安く作れるんです。
日本の他の作物も...油を採る作物とかもそうでしたね。絹は技術的にはすごく良かったんですけど、結局ベトナムやカンボジアの方が安く作れるようになって、取って代わられました。でも、絹は主要な輸出品やったんです。それが、桑の木がここにある理由なんです。桑の葉が蚕の主な餌になるんです。
私:そういう循環があったんやね。
トーマス:そうそう。この地域の多くの家には、蚕を育てるための納屋やスペースがあったんです。この地域の大きな産業やったんです。
私:主なお客さんはどんな人なん?
トーマス:ほとんど地元の人です。今は2年目のCSAがあって、毎年9、10人くらいのお客さんがいます。4月から8月まで続けて、暑さと作物のサイクルの関係で休憩を入れて、10月くらいからまた始めます。
オンライン販売もしてて、時々町で市場も出します。土地の大きさを考えたら、もっとお客さんを増やすこともできるんですけど、季節によって何が起こるか予測が難しいんです。農場以外の仕事もあるし、色々忙しいんで。
それが大きな課題の1つで、農場から離れる時間も必要やし、休憩も必要です。多くの農場は夏が主なシーズンかもしれませんけど、将来的には冬が主なシーズンになるかもしれません。柑橘が実を付け始めたら、11月から4月が収穫期になるんで。バランスが取れてくるといいんですけど。
これは、サツマイモが3列あって、カボチャもあった場所です。見て、羊の毛を木の根元に巻いてます。
私:羊も飼ってるん?
トーマス:今3頭います。毛を敷き藁として使ってるんです。カミキリムシっていう日本の虫がいて、長くて黒くて白い斑点があって、触角の長い虫なんですけど、これが根元に穴を開けるんです。
せやから羊毛で覆うと、まだラノリンとか油が残ってるんで、虫が根元に入り込めなくなるんです。虫は木に入るなら根元からしか入れへんのです。今のところ、これを巻いた木では問題が起きてません。
向こうの柑橘園の方には巻いてなくて、一番いい木にでっかい穴が開いてるのを見つけました。生き残ったら...木の手術みたいなことをして卵を取り除くことができるって聞いたことがあるんですけど、まだやったことないです。
これはみかんで、デコポン、プラム、プルーン、そして2本の桃の木です。羊は向こうの日陰で休んでます。メス2頭とオス1頭で、オスは今年生まれました。
私:羊飼いはどう?
トーマス:最高です。これだけのスペースがあって、毎年草を刈らなあかんのやから、この小規模な農場には理想的です。大きな群れは無理ですけど、草刈り機で刈って集めるよりも、こいつらに任せた方がいいです。
去年も同じように一時的なフェンスを立てて、12月に小麦をまいて5月に収穫しました。また雑草を生やして、たぶん同じことをします。
上の方にも同じフェンスを立ててたから歩きやすかったんです。柑橘の木の周りを刈ったら、全部羊のスペースに入れます。最高です。
他の場所、向こうの柑橘園とか家の下の土地にも、作物が終わったなって思ったら連れて行きます。日本にはヨウシュヤマゴボウもあって...
私:テネシーにもあるな、南部に。
トーマス:そうそう。エルヴィスの「ポークサラダ」って曲があるくらいです。食べられるんですけど毒があって、3回茹でないと...
私:そうそう!
トーマス:食べられるけど、羊は食べません。他のツルも食べません。隣人から生垣の手入れを頼まれることもありますけど、日陰になるし完璧です。
2019年にニュージーランドから来た人が、剪毛の仕方を教えてくれました。はさみで刈るんですけど、毎年ワークショップをして、お客さんや子供たちにもはさみを持って試してもらってます。それがすごくよかったです。
今年は、羊がいるって知ってる友達が、フットスピナーとか他の紡績道具、カーダーをようけ送ってくれました。ナバホスタイルの織機を2台と、テーブル織機も1台くれました。まだ全然使ってないんですけど、冬のプロジェクトになりそうです。
私:織機は羊毛を糸にするやつ?
トーマス:それはスピナーです。織機は織物を作るやつです。
私:なるほど、毛布とか...
トーマス:そうそう。毛布やスカーフ、絨毯とか。フェルトを作ることもできます。今年は羊毛を洗うのに「スイント法」っていうのを試してみました。
雨水に羊毛を浸けて発酵させると、油が分解されて、発酵過程で油と水が分離するんです。油が上に浮いてきて、発酵してるから布を洗う効果もあるんで、石鹸をそんなに使わんでいいんです。
2回洗っただけですけど、新鮮な羊毛よりも油がようけ分解されてました。羊毛には可能性がいっぱいあって、木の根元のマルチとしても使えるし、すごく価値があると思います。
おっ、見て、桃です。
私:桃やん!
トーマス:実は桃の収穫したことないんです。虫の被害がひどくて、葉っぱにもヨコバイの被害が出てます。プルーンとプラムはうまくいきそうですけど、桃はもう一段上の手入れが必要で...
私:そうやなぁ。
トーマス:日本の果樹園見たことあると思うけど、桃とかブドウの1個1個に袋かけしてるやろ?それはもう別レベルの手間ですよね。
花はめっちゃ綺麗で、日本では桜の季節に花見がありますけど、これも同じバラ科やから花が綺麗なんです。葉っぱはお茶にもできるって聞きました。たぶんそれが今のところ一番の収穫かな。
いつか丘の上の方で育てたら、虫の被害も減るかもしれません。これは育てやすいんですよ。2つを比べたら、ナンキンザクラの方が将来的にはもっと収穫が見込めそうです。これは3年前に植えました。
石果類、つまりプラム、プルーン、桜、桃を1カ所に集めて、その周りに柑橘を植えました。何が上手くいくか見てるところです。木に関しては、ここで4、5年しか育ててないんで、まだ何に時間と労力を掛けるべきか探ってる段階です。
イチジクはすごくよく育ちます。日本ではイチジクがよく育つことに気づきました。簡単なんですけど、同じ茎を食べる虫の被害も多いです。
ユーカリは引っ越してきた時、たぶん6年前に植えました。切り花用に買う人がいて、5箱くらいユーカリの葉を売りました。花束用に人気があるんです。
ここにもまた小さな畑があって...ミニトマトと、もう終わった豆があって。ここはシートで覆って、ズッキーニもあって。
ここに栗の木があって、今年は確実に栗が採れそうです。面白い木で、ペカンとかに比べてすごく早く実がなります。
オリーブと、また菊芋です。どこにでもあります。それにウコンも。ウコンはいいですよ。家の入り口にも紫ウコンがあって、これは黄色いウコンです。2、3種類のウコンを育ててます。
キュウリは今年もう終わりました。去年はキュウリの出来が悪かったんで、今年は「よし、キュウリに全力を注ぐぞ!」って感じで。昨日も4、5瓶のピクルスを作って、先週は何ガロンものピクルスを作りました。箱に10本ずつくらい入れてます。
ここはシートで覆ってます。今週の土曜日から旅行に行くんで、帰ってきたらここに種をまいて水やりを始めます。リーフレタスとかケール、ベビーケールとかを植える予定です。
秋の植え付けがもうすぐ始まります。1、2週間以内に種まきを始めて、来月くらいから定植を始めます。遅めの茄子やオクラも植えます。
これは去年初めて試したんですけど、ロゼルっていいます。ハイビスカスを使って作る飲み物あるでしょ?メキシコとかで...アリゾナで初めて飲んだんですけど、ハマイカっていう名前で。これがその植物なんです。
10月か11月に小さな赤い花が咲いて、それで飲み物を作れます。葉っぱも食べられて、インドのカレーのレシピで見つけました。すごく酸っぱいんです。去年この列を植えたら、すごくよくできて、この暑さにも強いんです。
綿やオクラと同じ仲間なんで、上の方でももっと育てたいと思ってます。
それに、これはエゴマ、またはシソですね。今では農場中に生えてる野生のエゴマは、全部自然に種が落ちて毎年生えてくるんです。箱に入れるのにいい作物で、スーパーでは手に入りにくいんです。キムチを作ったり、肉を包んだり...
私:韓国で初めて食べたわ。うまいよね。
トーマス:すごくおいしいですよね。5年くらい前に植えたら、今では家の周りにも生えてます。バジルもこんなに広がってくれたらいいのに、エゴマほどは広がらないんです。
下にもまたちょっとした...ここは春にベビーケール、タマネギ、豆、色々な野菜を植えてた場所です。一部をフェンスで囲って、羊を入れました。
ここにある2本の柑橘の木は甘夏です。グレープフルーツの一種です。この2本の木から今年は数百ポンドの柑橘を収穫して、全国に出荷しました。
私:輸送はすごくいいよね、日本の農家にとって。
トーマス:残念ながら、だんだん高くなってきてます。冷蔵輸送とかだと、箱代よりも送料の方が高くなってきて、何人かのお客さんは辞めました。でも、高品質な作物で、便利さを求める人には...東京まで10ドルくらいで送れるのはすごいことです。
将来的に、もっと大量に、もっと箱数を送れるようになれば、より経済的になると思います。
甘夏の味は...グレープフルーツですけど、甘いというより酸っぱいです。でも、しばらく置いておくと...「甘夏」って、「甘い」と「夏」を合わせた名前なんです。
この土地の元の所有者が、40、50年前くらいに植えたんです。でも手入れをしなくなって、ここは完全に荒れ果てて、イノシシが住み着くようになってしまって。
2月に収穫に来た時のことを覚えてます。剥いて食べてたんですけど、リビングからでも「すっぱい!すっぱい!」って声が聞こえてきて。「いや、これ甘夏やからね」って思って。3、4ヶ月待たないと...2月に食べたら歯が痛くなるくらい酸っぱいんです。
それくらい酸っぱいんで、今年はレモネードみたいにして、いろんな味を試してみました。あまりにもたくさん収穫できたんで、出荷しないと腐らせてしまうし...レモンほどじゃないけど、かなり酸っぱいです。
私:この辺ではレモンやライムは育てにくいん?
トーマス:この地域は今や日本で一番有名なレモンの産地なんです。みんな「瀬戸内レモン」って呼んでます。サイクリングコースに出るか、高速道路で2つ島を渡ったら、ほとんどの農場がレモン畑になってます。
昔は小さな温州みかんがようけあったんですけど、生産が難しくて、人々は高い糖度を求めるし、病虫害も多いし...レモンなら、ジュースに使うだけなら外見は気にされへんけど、みかんは完璧な見た目じゃないと売れへんのです。
私:日本人はアメリカ人より見た目を気にするよね。
トーマス:そう、高級な贈答用フルーツとかね。野菜も同じです。B級品とかC級品は、箱に入れるなら、お客さんとの信頼関係がないと受け入れてもらえません。
市場に出す時にもそういう問題がありました。有機栽培とか農薬を使ってないって分かってる人は理解してくれるけど、スーパーや百貨店で売るなら、特に見た目の品質にはすごく厳しいです。
品質自体は違うかもしれませんけど、見た目の品質はすごく重要です。だから多くの農家は1、2種類の作物に集中するんです。うちの農場はもっと多様な作物を育ててるんで...自分のニッチや市場を見つけることが大事です。
私:今日は農場を案内してくれて、ありがとう。たくさん勉強になったよ。
トーマス:こちらこそ、ありがとう!
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