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元ウォール街トレーダー: 8兆ドルのバブルが崩壊寸前 | ジャレッド・ディリアン

12,360 文字

ほな、プライベート・エクイティについて話したいんやけど、これはバブルやねん。間違いなくバブルや。史上最大級のバブルの1つやけど、不透明やから人々にそれを伝えるのは難しいわ。でも、間違いなくバブルやねん。
プライベート・エクイティは、経済にどんどん深く入り込んでるんや。エクイティ企業は、投資できる以上のお金を持ってるから、どんどん小さな企業を買収してる。
これが、2008年から2009年に見た規模の危機を、アメリカ経済にもたらす可能性があるんや。あの素晴らしい本と映画「ザ・ビッグ・ショート」で説明されてたやつやな。
今日は、投資レター「ストリート・フリーク」の著者である友人のジャレッド・ディリアンが参加してくれてるわ。プライベート・エクイティ投資家じゃなくても、なぜ我々全員がプライベート・エクイティで起こってることを気にすべきかを議論するで。
ジャレッドは、プライベート・エクイティが次の「ビッグ・ショート」やと考えてる。私はエド・ダゴスティーノや。これはグローバル・マクロ・アップデートや。
やあ、ジャレッド。会えて嬉しいわ。今日はプライベート・エクイティについて話すんやけど、これについて最近よく書いてるよな。今日は、プライベート・エクイティについてのあんたの考えを、リスクと機会の両方を含めて詳しく聞きたいんや。
でも、最初から誰も置いてけぼりにせんようにしたいから、基本的なところから始められへんか?プライベート・エクイティって一体何なんや?
ジャレッド: ほな、基本から説明するわ。複雑そうに聞こえるかもしれんけど、実際はすごく単純なんや。
上場企業は証券取引所に上場してて、非上場企業は非公開やから買えへんのやけど、ミューチュアル・ファンドは株式を買って、長期的にポートフォリオを保有する投資会社やねん。
一方、プライベート・エクイティ・ファンドは非上場企業を買収して、ポートフォリオとして保有するんやけど、ただ保有するだけやなくて、積極的に経営に関わるんや。
彼らがやろうとしてるのは、非効率をなくして収益性を上げることや。大体3年から5年くらいの間に、最終的にはIPOや他の企業への売却で、より高い評価額で売却することを目指すんや。
これが基本的な仕組みや。少なくとも、そういう風に機能するはずやったんやけどな。
エド: そうやな。これらの企業の中には結構大きいところもあるよな?特に投資や金融に興味がある人なら、有名な企業もあるんちゃう?プライベート・エクイティ・グループの例をいくつか挙げてくれへんか?
ジャレッド: そうやな。ブラックストーンが一番大きくて、たしか時価総額が1800億ドルくらいやったと思うわ。KKRも大きいし、TPGやアポロもな。この4つが大手やね。
あとは、プライベート・クレジットに特化した、アリーズみたいな少し小さい企業もあるわ。でも、これらは上場してるプライベート・エクイティ企業で、大多数は非上場やねん。
アメリカには17万7000のプライベート・エクイティ企業があって、その大半は運用資産が10億ドル未満や。つまり、かなり小規模なんや。
でも、業界全体で見ると、運用資産は数兆ドルにもなるんやで。
エド: 俺の経歴を振り返ると、25年くらい前に小さな証券会社で働いてて、プライベート・エクイティ・グループを顧客にしてたんや。非公開のM&Aをやってて、買い手はプライベート・エクイティやった。
あんたが言うてた小規模なプライベート・エクイティ・グループと仕事してたんやけど、一緒に仕事するのは素晴らしかったわ。その企業の人らはめちゃくちゃ頭ええし、多くの人が特定の業界で深い経験を持ってたんや。
金属加工会社を見てるなら、その業界に詳しい人がおるし、テクノロジー企業やったら、当時はISPの全盛期やったけど、それぞれの業界に詳しい人がおって、買収した会社に価値を付け加えて改善できるんや。
でも、あんたが指摘したように、今日では変わってしもたんやな。昔のモデルやと、プライベート・エクイティ・グループが会社を買収して、改善して大きくして、それからIPOで売却するか、俺の顧客やったら、もっと大きなプライベート・エクイティ・グループや戦略的投資家、つまりその業界にすでにおる企業に売却してたんや。
過去5年から10年の間に何が変わったんか、今の出口戦略はどうなってるんか、あるいはどうなってへんのか、その辺りについて教えてくれへんか?
ジャレッド: そうやな、出口戦略はほぼゼロになってもうたんや。会社を上場させる能力が大幅に減ってしもて、今年はほとんどIPOがなかったし、しばらくIPOがなかったんや。
IPOは昔はよくある出口戦略やったんや。非公開の会社を買って、それを上場させるっていうのが。でも、長いこと起こってへんのや。これはプライベート・エクイティとは関係ない理由でな。
でも、評価額が高すぎるから、プライベート・エクイティが所有する企業を別の企業が買収する余地も限られてるんや。昔は利益の4倍か5倍で買収してたのが、今は10倍か12倍で買収してるから、それをさらに高い評価額で売却するのはほぼ不可能やねん。
これによって、プライベート・エクイティ・グループが利用できる出口戦略の数が大幅に減ってしもたんや。結果として、ファンドの株主やLPに配当される現金が減ってしもたんや。
これが一番大きな懸念やね。もしあんたがLPで、例えば基金とかで、ポートフォリオの30%をプライベート・エクイティに投資してて、それが全然現金を生み出さへんし、本当の価値もわからへんかったら、それは問題やねん。
エド: そうやな、それがプライベート・エクイティがこんなに大きくなって、多分投資すべきやないものにまで投資し始めた理由の一つになってるんやろな。
ジャレッド: そうや、文化的な話になるけど、プライベート・エクイティは若い投資銀行のアナリストにとって、行きたい場所になってもうたんや。もう誰も銀行で働きたがらへんねん。プライベート・エクイティ企業で働きたがるんや。給料もええし、労働時間も良いからな。
結果として、業界経験が全くない人が企業を経営することになってしもたんや。さっきの金属加工業者の例で言うと、昔は金属加工に特化した経験を持つ人がおったけど、今はそうやないんや。
今は33歳のVPが会社を任されて、典型的な反応は、大量の人員を解雇して価格を上げることや。毎回そうするんや。これがプライベート・エクイティが使う公式なんや。従業員の3分の1を解雇して、価格を上げる。
短期的には、つまり3年から5年のスパンで見ると、会社からより多くの価値を引き出せるかもしれんけど、長期的には会社を傷つけてるんや。
プライベート・エクイティが今うまくいかへん理由の一つは、会社の創業者とプライベート・エクイティのオーナーの間で時間軸のミスマッチがあるからやと思うわ。
創業者は会社を永遠に存続させたいと考えてる。顧客を満足させ、できるだけ長く幸せにしたいと思ってる。永遠にビジネスを続けるつもりやからな。
でも、プライベート・エクイティのオーナーは気にせえへん。3年から5年しかビジネスに関わらへんから、できるだけ多くのお金をビジネスから搾り取るという別の目的を持ってるんや。
エド: それは投資や金融の世界で俺の大好きな用語の一つに繋がるな。投資における最大のネガティブな用語の一つは「金融工学」やけど、プライベート・エクイティはその王様やな。
今日の取引構造について少し話してくれへんか?まず第一に、彼らは大量の負債を使うよな。あんたが言うたように、彼らは典型的なオーナーとは違う。家族経営で事業を始めた人とは違うんや。
でも、この連中が入ってきて最初にすることは、レバレッジをかけることやろ?
ジャレッド: その通りや。広く言えば、プライベート・エクイティの世界には膨大な量のレバレッジがあるんや。今日、あんたと俺がここで話してる理由は、これがもたらすシステミックリスクのためやねん。
俺がこれを「ビッグ・ショート2.0」と呼んでる理由は、「ビッグ・ショート」が「ビッグ・ショート」やった理由と同じや。システム内の莫大な量のレバレッジ、莫大な量の負債があるからや。プライベート・エクイティも同じなんや。
プライベート・エクイティ企業が会社を買収する時、通常はそのために借金をするんや。だから、大量の借金をして、その上にさらにレバレッジがかかる。システム内に膨大な量の負債があるんや。これが問題なんや。
エド: ほな、プライベート・エクイティ・グループはどうやってお金を稼ぐんや?
ジャレッド: 二つの方法があるんや。一つはキャピタルゲインや。Xで会社を買って、2Xで売れば、キャピタルゲインが出る。これが一番明白な方法や。
二つ目は、ビジネスからの収入、キャッシュフローや。途中で得られるキャッシュフローもある。この二つが主な方法やな。
エド: なるほど、それで違いの一つが明らかになったな。俺が言いたいのは、なぜ一般の人がこの問題に関心を持つべきかを示したいんや。
一つは、あんたが指摘したように、金融システム全体にリスクをもたらすほど大きくなってるからや。
二つ目は、プライベート・エクイティ・グループに買収される会社で働いてる人が解雇される可能性があるからや。それが彼らのやり方やからな。
三つ目は、あんたが会社の創業者やオーナーで、引退が近づいてて売却を考えてる場合や。今売れば高い評価額で売れるけど、3年か5年待ってプライベート・エクイティが崩壊した後だと、半分の金額でしか売れへんかもしれへんからな。
ジャレッド: その通りや。あんたが言うたキャピタルゲインの話、会社を買って、改善して、より高い金額で売るっていうのは、資本主義的で良いことやな。
でも、彼らが取りうる別の戦略もあるんや。会社に大量の負債を負わせて、経営してる間に法外な手数料を搾り取って、目標のIRR(内部収益率)に達したら、会社が潰れても気にせえへんっていう戦略や。
IRRの話で面白い話があるんやけど、あんたと俺が一緒に会社を作って、お金を借りて事業を買収したら、会社を存続させて、みんなの雇用を守って、立て直して成長させるために、血のにじむような努力をするやろ。
プライベート・エクイティの多く(全部やないけど)とは全然違うマインドセットやな。
エド: そうやな
ジャレッド: そうや、そこがプライベート・エクイティが「ハゲタカ資本主義」って呼ばれる理由やな。さっき話した創業者とオーナーの違いに戻るけど、全く違う目的を持ってるんや。
トイザらスが典型的な例やと思うわ。倒産する直前まで債券がパーで取引されてたんやけど、結局失敗を許されてしもたんや。
ほんまに、ビジネスを経営するんは簡単やないねん。一般的な専門知識がなかったら、さらに業界の専門知識もなかったら、全ての会社を同じように扱ってしまうんや。それやとうまくいかへんのや。
エド: あんたが書いたものの中で、金融の世界のこの分野がめっちゃセクシーに見えて、簡単に儲かるように思えるから、みんながこの分野に参入してきてるって話があったな。
あんたはセンチメントの王様やけど、プライベート・エクイティに関するセンチメントはどうなんや?
ジャレッド: そうやな、まさにそんな感じや。魔法のお金マシンみたいなもんや。歴史を振り返って、魔法のお金マシンみたいなものがどうなったか見てみたらええと思うわ。
俺のバブルの定義は、人々が自分の知性と労働倫理に不釣り合いなほどお金を稼いでる状態や。17万7000ものプライベート・エクイティ企業があるってことは、限界的なプレイヤーがたくさんおるってことやねん。
結局のところ、この問題の解決策の一つは、後で話すけど、上場してるプライベート・エクイティ企業をショートすることやな。でも、上場してる企業は一握りしかないし、正直言うて、業界の下落に対して一番よく対応できる位置にあるのはそういう企業やと思うわ。
小規模なエクイティ企業、運用資産10億ドル未満の企業のバスケットをショートできたら面白いんやけどな。でも、残念ながらそんなものは存在せえへんのや。
エド: あんた、一度キム・カーダシアンがプライベート・エクイティ・グループを始めたって画像を送ってきたよな。
ジャレッド: キム・カーダシアンは実はええ例やないかもしれへんな。彼女はかなり頭がよくて、自分がやってることをわかってるし、おそらくこの国で最高のマーケターの一人やからな。
もっとええ例は、ケイレブ・ウィリアムスっていう23歳のクォーターバックや。どこのチームやったか忘れたけど、たぶんブラウンズやな。彼が888マイダスっていうプライベート・エクイティ企業を始めたんや。
23歳のフットボール選手がマイダスっていう名前のプライベート・エクイティ企業を始めるなんて、もうそれだけで簡単すぎるって感じやろ。
エド: どのサイクルでもこういうのは見られるよな。プライベート・エクイティに関して言えば、これは間違いなくバブルや。史上最大級のバブルの一つやけど、不透明やから人々に伝えるのが難しいんや。
俺はこの通話の最初に説明せなあかんかったように、多くの人はプライベート・エクイティが何かわかってへんのや。でも、間違いなくバブルなんや。
なぜバブルなんや?スムージースタンドや洗車場を買収してるからか?
俺の友達で、5、6年前にバーモント州の小さな町に2つの葬儀場を持ってた葬儀屋がおったんやけど、プライベート・エクイティ・グループに買収されたんや。これってどういう意味があるんやろ?
ジャレッド: 面白いことに、葬儀場は実はかなりええビジネスなんや。でも、プライベート・エクイティ・グループにとっては...いや、待てよ。葬儀場のことで少し話したいんや。
人々は死ぬのを待ってるからな、深刻な状況やで。誰かが教えてくれたんやけど、墓地のREITを買ったらしいわ。墓地を所有するREITをな。
結果は完全な失敗やった。過去10年か15年の間に、みんな火葬を選ぶようになったからや。昔は80%の人が埋葬されてたのに、今は80%の人が火葬を選ぶんや。
そいつ、墓地のREITで大損したんや。葬儀場はかなり安定した保守的なビジネスやと思うかもしれんけど、全てにリスクがあるんやな。
エド: そうやな。プライベート・エクイティ・グループが価格を釣り上げてるっていうのも、彼らがお金を稼ぐ方法の一つやと理解してるんやけど、運用資産に対して手数料を取るんよな?
もし彼らが投資してへん現金を持ってたら、それに対して手数料を取れへんのやろ?
ジャレッド: そうや。全部合わせると、今の民間市場に投資できる以上のお金があるんやないかな。価格を上げんと無理やろうな。
エド: つまり、ええ案件がほとんど残ってへんし、これらの案件に対する競争が激しくて、評価額が上がってるってことやな。
プライベート・エクイティに関して俺がよく話すのは、これの多くが需要側、つまりLPによって動かされてるってことや。基金や年金基金、ファミリーオフィスが現金を運用したがってるんや。
基本的に、ポートフォリオの20%をプライベート・エクイティに向けるって言うんや。昔はゼロやったのに、今は20%か30%になってる。そのお金は、何があってもプライベート・エクイティに行くんや。
プライベート・エクイティ業界では、まだ投資されてへん「ドライパウダー」について話すんやけど、たしか7000億ドルくらいのドライパウダーがあるんやないかな。膨大な額やな。
エド: もし投資せんかったら、そのお金はいつか返さなあかんのやろ?
ジャレッド: そうや、それはあかんのや。
エド: 金利の上昇、あるいは過去15年くらいよりも高い金利は、これにどう影響するんや?
ジャレッド: それは実は大きな問題なんや。5年前の2019年に成立した多くの取引は、当時の金利がめっちゃ低かったからな。
フェデラルファンド金利がゼロやった時、これらのプライベート・エクイティ企業は2.5%くらいで借りてたんや。今の2024年では、その負債を8%で借り換えせなあかん状況やねん。これはでかいことやで。
エド: 今家を買おうとしてる人なら誰でも、7%の住宅ローン金利でどれだけ支払いが変わるか計算してみたら、金利が支払いに与える影響がよくわかるやろな。
あんた、プライベート・エクイティについての信じられへんくらいすごいプレゼンテーションを作ったよな。30ページくらいの文書で、プライベート・エクイティの実態をめっちゃよく説明してたわ。
このディスカッションやこのトピックに興味ある人は絶対読むべきやと思うから、あんたの研究へのリンクを説明文に載せるつもりや。
ジャレッド、あんたの意見を聞きたいんやけど、今の状況と、あんたが話してくれたプライベート・エクイティの全てのことと、2006年頃の状況との間に何か類似点が見えるか?
2006年っていうのは、大金融危機の前、経済が崩壊する前、住宅市場が崩壊して住宅ローン業界が吹っ飛ぶ前の話や。
2006年には、一部の人はおったけど、ほとんどの人がそれをリスクだと認識してへんかった。株式市場は上がり続けて、みんなお金を稼いでて、みんな気分ええ感じやった。
そして、2008年から2009年にほとんどの人が不意打ちを食らったんや。株式市場が崩壊して、人々は仕事を失い、何百万人もの人が失業して、企業は倒産した。経済は深刻な不況に陥って、金融システムは世界的に崩壊寸前やった。
めっちゃヤバかったんやけど、2006年にはほとんど誰もそれが来るとは思ってへんかった。あるいは、ごく少数の人しか予想してへんかったんや。
今日のプライベート・エクイティの状況が、2006年と同じようなもんやと思うか気になるんや。
両方の場合でリスク選好が非常に高いよな。莫大な量のリスク選好がある。金利も高いし、流動性も豊富や。最近の株式市場の変動まで、めっちゃ低いボラティリティ環境やったしな。
2006年と2024年には共通点がたくさんあるように思えるんやけど、どう思う?
ジャレッド: そうやな、2006年には今のプライベート・エクイティよりも多くの人が問題に気づいてたと思うわ。2006年には、至る所に兆候があったんや。
どこにもない場所に空の住宅開発が建設されてたし、携帯電話を耳に当てた不動産業者がフォーチュン誌の表紙を飾ってたりな。バブルは明らかやったんや。
今日はそれほど明らかやないと思うわ。金融界にいて、ツイッターで俺の投稿を見てる人なら、バブルの気配を感じてるかもしれへんけど、一般的には知られてへんと思うわ。
2006年は一般常識やったから、今はまだ少し早いんやないかと思うわ。
エド: あんたは金融の世界にめっちゃ詳しくて、ウォール街でのキャリアも長いよな。2006年に起こってたことの一部を見てたんやないか?
2006年にマイアミでコンドミニアムを見に行った時、不動産業者がゲストベッドルームで昼寝してたって話やなかったっけ?
ジャレッド: それはハーモサ・ビーチ、カリフォルニアやったな。そう、その男がベッドで寝てたんや。
エド: ピンポーン、トップやな。人々が自分の知性と労働倫理に不釣り合いなほどお金を稼いでる時、それがバブルやってことやな。
ジャレッド: プライベート・エクイティも同じような感じやな。俺はプライベート・エクイティの人を何人か知ってるけど、ええ人らやで。でも、26歳で50万ドル稼いでるような「宇宙の支配者」みたいな感じではないんや。
ちなみに、俺がウォール街で働いてた時、そういうバブルの恩恵を受けてたんや。2000年代は不動産バブルに加えて、ヘッジファンドのバブルもあったんや。
1万5000もの異なるヘッジファンドがあって、トレーディング業界は巨大やった。俺は30歳で年間100万ドル近く稼いでたんや。でも、それは一時的なもんやった。長続きせえへんかったんや。
今回も長続きせえへんと思うわ。
エド: そうやな。あの時期のもう一つのクールなことは、マイケル・ルイスが「The Big Short」って本で見事に描いてたんやけど、スティーブ・アイスマンやマイケル・バリーみたいな人らが大金を稼いだってことやな。
彼らは絶対的な大金を稼いだんや。何が起こるか見抜いて、それにどう投資するか考えて、早めに実行して、それから辛抱強く待つだけやった。
今もそういう機会があると思う?
ジャレッド: そう思うわ。映画を見たか本を読んだ人なら覚えてると思うけど、スティーブ・アイスマンやマイケル・バリーがこれらのトレードをして、住宅市場が崩壊し始めた時、彼らはお金を稼げへんかったんや。
覚えてる?彼らはお金を稼げへんかったんや。銀行が債券を同じ価格で評価し続けてたからな。彼らはめっちゃ怒ってて、「どうして債券をここで評価できるんや?」って言うてたけど、銀行は好きなように債券を評価できたんや。
プライベート・エクイティも同じような状況やな。例えば、仮に株式市場が50%下落したとしよう。S&P500が50%下がったとする。プライベート・エクイティはポートフォリオの評価を下げるべきやけど、そうせえへんやろ。できへんのや。
全く同じシナリオやな。このプロセスが展開するのにかかると思う期間が、実際にはもっと長くかかるやろ。絶対に必要になるまで、ポートフォリオの評価を下げへんからな。
エド: 映画に出てきたアイスマンやバリーみたいな投資家は、デリバティブや金融商品を使って変わった取引をして儲けたんやな。個人投資家には利用できへんようなものやった。
クレジット・デフォルト・スワップとか、ウォール街のストラクチャード・ファイナンスの専門家以外は誰も聞いたことがなかったようなものやな。
今回も同じような状況なんか?プライベート・エクイティのリスクを知ってる投資家が、これに賭けられるんか?個人投資家でもできるんか?
ジャレッド: はい、できるんや。ただし、上場証券に限られるけどな。上場してるプライベート・エクイティ企業のオプション取引ができるんや。これが役立つんやけどな。
まだ完全には把握できてへんけど、デリバティブ取引の可能性もあるかもしれへん。デリバティブ取引のアイデアを探してる最中やわ。
でも、答えはイエスや。個人投資家でもこれに参加できるんや。
エド: これをどのくらいの規模で考えてるんや?マイケル・バリーみたいな人は、彼の本は読んでないけど、たぶん彼のファンドの大部分を不動産崩壊のアイデアに投資したんやないかな。
あんたもこれをそういう風に見てるんか?それとも、リスクを取って大儲けするチャンスやと思ってる?
ジャレッド: それは全て構造次第やな。プライベート・エクイティのええところは、分布が正規分布やないと思うことや。
プライベート・エクイティには、ここからあんまり上昇の余地がないと思うわ。例えば、俺はある株を8ヶ月間ショートしてるけど、5%しか下がってへんのや。上昇の余地があんまりないんや。
これによって、普通よりも大きなポジションを取れるんや。ロング・ショート・ポートフォリオを運用してる場合、ロングが上がってショートが変わらへんかったら、かなり満足やな。それ自体が勝利やと言えるわ。
エド: あんたがよく言うてることやけど、数週間前の市場調整の直前に、ストリート・フリークの読者にS&P500のプットを買うように言うたよな。
あんたの論理は、「ちょっと天井に近づいてるから、保険が必要な時やなく、保険を買えるうちに買っとかなあかん」っていうものやった。必要になった時には遅すぎるからな。
これも似たような状況か?今できるうちにやっておいて、それから待つってことか?
ジャレッド: そうやな、全ての状況に当てはまると思うわ。ショートをする時はいつでもそうや。
ただ、これらの株は配当を払うから、若干のネガティブ・キャリーがあるんや。プットを買う場合は、時計が動いてるようなもんや。株が下がらへかったら、基本的に金を失うことになる。
どのショートでも同じ状況やな。「どうやったらショートしてるけど、できるだけキャリーを払わんですむか」っていうのがチャレンジやな。
2014年にカナダの銀行をショートした時のこと覚えてる?
エド: うん、覚えてるよ。
ジャレッド: CIBCを5年か6年ショートしてたんやけど、5、6年の間に株価は変わらへんかった。実際にはトントンやったんやけど、25万ドルの配当を払ったんや。
つまり、ショートにはコストがかかるんや。キャリーを払わなあかんのや。
エド: 思い出したけど、あのカナダ住宅のショート取引は全体的には儲かったんやないか?
ジャレッド: そうや、儲かったで。
エド: 予想してたような派手な崩壊はなかったけど、そのアイデアで儲けたんやな。やり方を知ってたからできたってことか。
ジャレッド: そうやな。
エド: これをまとめるために言いたいのは、もしあんたがウォール街のトレーダーや市場参加者で、この会話を聞いて興味を持ったら、ジャレッドが見てるのと同じようなものを見てるなら、たぶん何をすべきかわかってるし、調査部門に行って「これを見てくれ」って言えるやろ。
でも、個人投資家やそのレベルの調査にアクセスできへん人にとっては、これがあんたのストリート・フリークでやってることやな?
人々の手を取って、「これが正確にあんたがすべきことや。ショートをしたことがなかったら、こうやってやるんや。オプションを買ったことがなかったら、こうやって買うんや。これを買うんや」って教えてくれるんやろ?
この考えを実行に移すのを全部手伝ってくれるってことやな?
ジャレッド: そうや、その通りや。
エド: ええな。ストリート・フリークについての詳細情報を必ず提供するようにするわ。特別オファーが来るらしいし、あんたはその手紙をこの「ビッグ・ショート2.0」のアイデアを中心に構成してるんやろ?
これは素晴らしいと思うわ。もっと多くの人がウォール街の悪ふざけで儲けるんやなく、儲かる側に回る時期が来たと思うわ。
ジャレッド: そうやな。付け加えるとしたら、ストリート・フリークにはポートフォリオがあって、ロングもショートもたくさんあるんや。
そのポートフォリオはめっちゃうまくいってる。リターンもわかってるし、めっちゃええ成績を残してるんや。
プライベート・エクイティのショートは、それだけでもええトレードやと思うけど、もっと大きなポートフォリオの中で見るともっとええトレードになると思うわ。
プライベート・エクイティ企業のリスク特性のおかげで、ポートフォリオにとって完璧なヘッジになるんや。これが俺がこのトレードをそんなに気に入ってる理由の一つやな。
エド: 最後に一つ聞かせてほしいんやけど、あんたはウォール街で働いてて、金融危機の時にリーマン・ブラザーズにおったよな?
悪い記憶を呼び起こしてしまってごめんな。でも、あんたは不動産部門とは関係なかったよな。ETFデスクの責任者で、あんたがおる間にそのデスクをウォール街最大に成長させたんやないか?
あんたにとって、良い面も悪い面も含めて、どんな感じやった?
ジャレッド: そうやな、リーマンが破産することは、俺だけやなく、会社の全員が知ってたんや。問題があるのはわかってた。
株価は2007年の夏にピークを迎えて、それからどの株よりも醜いチャートを描いてた。文字通り、1年半の間、一度も上昇できへんかったんや。
2008年の夏、俺の妻がケニアで研究してる時、株価は15ドルか20ドルくらいで取引されてて、俺は「間違いなく破産するわ」って思ってた。
妻が帰ってきた時、「仕事を探さなあかんわ」って言うたんや。これが2008年の7月くらいやった。だから、3〜6ヶ月くらい前から、もう終わりが来るってわかってたんや。
それからいろんなことがあって、ディック・フォールドがKoreaの開発銀行に会社を売ろうとしたりとか、めちゃくちゃなことがあってな。
エド: 顧客側の、マイケル・バリーみたいな人らの様子は見えたか?
ジャレッド: うちの顧客ベースは主にヘッジファンドやった。飲みに行った時に、顔と顔を合わせて「お前らの会社、破産するで」って言われたりしたわ。
彼らはリーマンの株をリーマンでショートせえへんかった。リーマンの株の取引は制限されてたからな。でも、モルガン・スタンレーでリーマンの株をショートしてて、モルガン・スタンレーの人から、うちの株をショートしてるって聞いたりしたわ。
エド: 顧客が?
ジャレッド: そう、顧客がな。めちゃくちゃコンセンサスのショートやったんや。全てのヘッジファンドがリーマンをショートしてた。
言うておくけど、これは実際にゼロになった数少ないショートの一つやったな。ほとんどのショートはゼロにならへん。90%下がって止まって、それからスクイーズが起きて、みんながやられるんや。
最近やとビヨンド・ミートとかな。みんなビヨンド・ミートが倒産すると思ってたけど、たくさんのショートセラーを焼き尽くしてしもた。ゲームストップもそうや。
普通、企業はゼロにならへんのや。でも、リーマンは実際にゼロになって、ショートセラーは全員払い戻しを受けたんや。
だから、一般的には、いつ降りるかを知ることが大事やな。
エド: このアイデアに俺はワクワクしてるわ。キャリアの中で、たくさんのプライベート・エクイティの人らと仕事する機会があったんや。デビッド・ルーベンシュタインとかにインタビューしたこともあるし。
プライベート・エクイティには素晴らしい人もおるし、みんながダメってわけやないんや。ただ、業界全体が大きくなりすぎて、歪みが多すぎるんやと思うわ。
これはええアイデアやと思うわ。何がきっかけになると思う?
ジャレッド: それが俺にもわからへんのや。本当に見当もつかへん。驚きになるやろうな。
エド: つまり、トレードをして待つってことか?
ジャレッド: そうやな。
エド: わかった。ストリート・フリークの詳細情報を出して、ジャレッドがどうやってるか具体的に学べて、一緒にできるようにするわ。
ジャレッド、いつも会えて嬉しいわ。ありがとう。
ジャレッド: ありがとう。

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