最初の反応 | デミス・ハサビス、2024年ノーベル化学賞 | 電話インタビュー
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どないもー、デミスやけど。
あー、デミスさん。アダム・スミスいうもんですわ。ノーベル賞のウェブサイトからやねんけど。
おお、ええ話やなぁ。おおきに、ほんまにおおきに。
ほな、あんたはもうめっちゃ若いのにいろんな業績とか賞とかもろてはるけど、今回のこの賞はどないな意味があるんやろか?
まぁ、ほんまに特別なもんやね。正直、まだ実感わかへんわ。でも、すごい名誉やと思うわ。これがほんまの大物って感じやね。
[笑い]
賞をもろたって聞いた時の最初の感想はどないやった?
正直、何も考えられへんかったわ。頭が真っ白になってもうて。ほんまにすごい経験やね。
グーグル・ディープマインドでパーティーが始まりそうやね?
せやなぁ。まだそこまで考えてへんかったけど。普通の仕事の予定が一日入ってたんやけど、もう全部変更せなあかんわ。いや、むしろ喜んで変更するわ。
アルファフォールド、アルファフォールド2、そして今はアルファフォールド3と、科学の世界に新しい時代を切り開いてはるわけやけど、こういうツールと個々の科学者との関係性をどう見てはるん?
ワイがずっとAIの研究をしてきた理由はな、科学と知識の探求に情熱があるからなんや。AIを正しく作れば、科学者を助ける究極のツールになると思うてきたんや。宇宙を探検するのを手伝ってくれるようなもんやね。アルファフォールドがその最初の例やと思うわ。
個々の科学者の立場はどうなるんやろ?このパワーがめっちゃすごいから、ちょっと不安になるかもしれんけど、それでも個々の科学者が個々の疑問を持つわけやろ?その相互作用はどないなもんなん?
少なくとも近い将来はな、これで個々の科学者がもっとできることが増えると思うわ。これらのシステムはツールやからな。データ分析やパターン発見、データの構造化には優れとるけど、正しい質問や仮説を考えるのは人間の科学者の仕事やねん。
最高の科学者がこういうツールと組み合わさったら、すごいことができるんちゃうかな。昔より小さなチームでもできるかもしれんわ。ツールに頼って下準備とかをしてもらえるからな。
グーグル・ディープマインドの環境ってどんなもんなん?教えてくれへん?
最初からな、最先端の研究をするのに最適な環境を作ろうと思ってたんや。世界中の専門家を集めてな。もちろん機械学習とAIもやけど、エンジニアリングや物理学、生物学、哲学までも含めてな。
それを全部一緒にして、すごいメルティングポットみたいなもんを作ったんや。計算資源とかも提供して、そこから素晴らしいものが生まれるんやないかと。
昔のベル研究所みたいなもんをイメージしてたんや。そういう黄金時代の話に影響されてな、自分でもそういうもんを作りたいと思ってん。
ええ話やなぁ。キングス・クロスにベル研究所を再現するっちゅうのは素敵なアイデアやね。
そうそう、まさにそういうことや。
最後の質問やけど、これが民間企業でやってることって何か影響あるんかな?グーグル・ディープマインドやし、大学やないけど、それって何か違いがあるんやろか?
そうは思わへんな。アプローチが正しくて、基礎研究をちゃんとやってたら、どこでも素晴らしい科学はできると思うわ。
新しい科学や新しい分野の発見には、たくさんの資源が必要やねん。うちの場合はたくさんのコンピューターが要るし、それにはお金がかかる。だから民間企業の力を借りるのも悪くないと思うわ。
科学的な方法を守って、本当の科学的な厳密さを持ってアプローチして、大きな問題に取り組んでいけば、グーグル・ディープマインドでもできると思うわ。
ほんまにありがとうな。ほな、これからきっと楽しい一日になるやろうから、そっちを楽しんでくれたらええわ。
こちらこそありがとうございました。時間を取ってくれてほんまにありがとう。
はい、ありがとうございました、デミスさん。
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