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アップルカー - 100億ドルの失敗

6,343 文字

おはようさんどす。今日はコールドフュージョンの新しい回をお届けしますで。
2015年の秋のことやったんやけど、アップルの最高デザイナーのジョニー・アイブはな、興奮を抑えきれへんかったんや。彼は、アップルのCEOのティム・クックに自分が取り組んできたコンセプトを見せたかったんやて。
アイブはティム・クックをミニバンに案内して座らせたんやけど、これが普通のミニバンちゃうねん。ステアリングホイールがなくて、完全自動運転の車やったんや。内装は木とレザーで高級感があってん。
ジョニーはティム・クックにシリに命令するように言うたんやけど、実はこのシリは数フィート離れたところに立ってる人間の女性声優やってん。彼女は音声アシスタントのふりをしてたんや。ティムは想像力を働かせて状況を理解せなあかんかったんやな。
ジョニー・アイブはこの「シリ」に道路脇のレストランについて尋ねて、声優がそれに応えたりもしてん。まるでコメディーのスケッチみたいやけど、The Vergeによると、これが不運なアップルカーのプロジェクトの始まりやったらしいで。
こんな最初のデモを見たら、10年後に100億ドル使って失敗するんは驚くことちゃうかもしれんな。でも、これは皮肉すぎる見方かもしれへん。アップルが自動車ビジネスに参入しようと思った理由があったはずやろ?
今回の回では、アップルがなんで車を作ろうと思ったんか、なんで何十億ドルもプロジェクトに投資したんか、そしてどうして最終的に失敗したんかを見ていくで。シートベルトをしっかり締めて、アップルカーがなんでゴールにたどり着けへんかったんかを探る旅に出発しよう。
コールドフュージョンTVをご覧いただいてますで。
アップルが電気自動車の製造計画を断念したようやな。ブルームバーグのレポートによると、テクノロジー大手は何千人もの従業員を雇用する特別プロジェクトグループと呼ばれるEVチームを縮小してるらしいで。
ブルームバーグは、このチームがアップルの主要事業である電子機器やオンラインサービスと計画を合わせるのに苦労してたって言うてるわ。それに、アップルがどこで車両を製造するんかって疑問も残ってたみたいやな。
このレポートによると、この動きはアップルの秘密裏の努力が、EVの巨人テスラに対抗する前に終わりを告げたことを示してるんやて。
始める前に一つ言っておかなあかんのは、アップルは正式に車のプロジェクトの存在を認めたことがないし、その中止も発表してへんねん。でも、この会社が自動車産業に参入しようとしてた明確な兆候はあったんや。
信じられへんかもしれんけど、2000年から2022年までの間に、アップルは248件の車関連の特許を申請してん。これは通信とナビゲーションに次ぐ2番目に大きなカテゴリーやねん。
何年もの間、シリコンバレーの極秘の研究所で働く自動車エンジニアをたくさん雇ってきたんや。でも、多分一番明らかな証拠は、カリフォルニア州車両管理局にあるわ。アップルはテスト用のドライバーと車両を登録してたんやで。
これは本気の話やったんや。イーロン・マスクは2017年にテスラをアップルに売却することを提案したくらいやで。これはモデル3の生産地獄の時期やってん。でもティム・クックはマスクを冷たくあしらったんや。
アップルが何年もの間、車関連のプロジェクトに取り組んでたのは明らかやな。でも、スティーブ・ジョブズならこんなばかげたことを許さへんかったって思う人もおるかもしれへんな。でも、それは間違いやで。
ブルームバーグのインタビューによると、iPodプロジェクトを監督してたトニー・ファデルは、2008年にスティーブ・ジョブズと何度かアップルが車を作ることについて話し合ったらしいで。ジョブズもその考えを面白がってたみたいやで。
ファデルはこう言うてるわ。「何度か散歩をして、もし車を作るとしたら何を作るか、ダッシュボードはどうするか、シートはどうするか、どうやって燃料を補給するか、アップルは自動車市場に何ができるかって話をしたんや。車のことを考えてみ。車にはバッテリーがあって、コンピューターがあって、モーターがあって、機械構造がある。iPhoneを見てみ。同じものが全部あるやろ。モーターもついてる。だから、それをスケールアップして、ああ、同じ部品で車が作れるって考えるのは、ある意味正しいんや」
これがジョブズの優先リストのトップに来なかったのは明らかやけど、この会話は16年前からアップルが車を作ることを考えてたってことを示してるんや。
でも、アップルが車を作ってるっていう最初の報道が出たのは2015年やったんや。そのことについてはすぐに話すけど、まず2010年代半ばがアップルにとって自動車業界に参入するのに興味深い時期やった理由を理解することが大事やな。
その頃までに、テスラはEVが実行可能な製品であることを証明する基盤を築いてたんや。特にアメリカではEVの販売が伸びてて、新参者のリビアンもすでに開発段階に入ってたんや。
じゃあ、アップルが参入したくなるほど自動車業界の何が魅力的やったんやろか?明確な答えが欲しいところやけど、アップルの外部の人間には誰も本当のところは分からへんのやろな。でも、ある程度の推測はできるで。
この時期、アップルはすでに世界で最も価値のある企業の一つやったんや。使えるお金はたくさんあったんやろな。だから、アップルは普通の車を革新して、現状に挑戦したかったんかもしれへん。
でも、自動車産業は100年以上の歴史があって、EV企業はすでに多くの革新を行ってたんや。この段階で車をどれだけ再考できるんやろか?もっと深い理由がなあかんやろ。
一番論理的な理由は、アップルがいつもの緊密なソフトウェアとハードウェアの統合ゲームをしたかったってことやな。アップルのカープレイは2014年から存在してたから、それをアップルカーに統合すれば、最高の統合ができるはずやろ。
CNBCによると、アップルは車のダッシュボードから支払いをする考えを持ってたらしいで。燃料、ドライブスルーの食事、EV充電ステーションなんかの支払いやな。彼らは、もし車が完全に自動運転になれば、人々が車の中でアップルのアプリを使う時間が年間で何兆時間も増えるって言うてるわ。これはアップルにとって大きな収入源になるはずやな。
でも、この動きの背景にある動機について一番よく分かるのは、2017年のティム・クックのインタビューやな。彼はニューヨーク・タイムズに、アップルは自律システムに焦点を当てていて、自動運転車は本質的にロボットやって言うてん。
彼はこうも言うてるわ。「私たちはハードウェア、ソフトウェア、サービスを統合し、それらの交差点を見つけるのが好きなんです。なぜなら、そこに魔法が起こると思うからです。だから、私たちはそれをするのが好きで、その周りにある主要な技術を所有するのが好きなんです」
漏れ出た設計図や報告によると、自動運転、ステアリングホイールなし、乗客が向かい合って座る、未来的なテーブルが真ん中にある、完璧なアシスタント、っていう感じやったらしいで。もちろん、シリーの現状を考えると、これは遠い未来の話やったんやろうけどな。
アップルカーについて最初に公式に報じられたのは、2015年のCBSのニュースやったんや。彼らはサンフランシスコの街でダッジ・キャラバンの自動運転車を追跡して、アップルがリースしたものやって結論づけたんや。
その年、ニューヨークでも似たような車がたくさん目撃されてん。YouTubeのコメント欄を見ると、9年前の人々がすでにアップルカーについて言及してるのが面白いわ。
すぐ後に出た報告によると、アップルはプロジェクト・タイタンことアップルカーを実現させるためにたくさんの手を打ってんで。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、2015年2月までに、元フォードのエンジニアのスティーブ・ゼデスキーが率いる約1000人の大規模なチームがあったんやて。アップルはBMW、メルセデス、日産、BYD、マクラーレン、フォルクスワーゲンなどの製造業者との契約も検討してたらしいけど、これらの努力は実を結ばへんかったんや。
でも、アップルがエンジンをかける前から問題があったみたいやな。噂や報道が出始めてたった1年後、衝撃的なニュースが飛び込んできたんや。2016年末までにゼデスキーはすでに去ってて、アップルは少なくとも12人の従業員を解雇し、プロジェクト全体を再考してたんやて。
ゼデスキーの後任には、アップルの元ハードウェアエンジニアのボブ・マンスフィールドが就いた。彼は今度は元ブラックベリーの幹部を雇って自動運転に焦点を当てたんや。
こんな方向性の欠如とリーダーシップの変更で、プロジェクトに関わる従業員はすでに2018年には混乱してたんや。その年の終わりまでに、従業員もリーダーシップもさらに変更があって、ワシントン・ポストの報道によると、約5000人の従業員が直接または間接的にプロジェクト・タイタンに関わってたんやて。
そしてアップルは狂ったようにカリフォルニアでのテストを増やして、ある時点ではウーバーとウェイモを合わせたよりも多くの車両を登録してたんや。
この期間中、アップルは自動運転のスタートアップのDrive.aiを買収し、電動バイクのスタートアップから人材を引き抜き、テスラなどの確立された企業から複数の自動車幹部を雇ったり解雇したりしてん。また、従業員が中国に営業秘密を盗んで共有した疑いで逮捕されたこともあったんや。
まあ、波乱万丈やったわけやな。でも2022年までには方向性の欠如が明らかになってきてん。アップルのソフトウェア責任者のクレイグ・フェデリギがプロジェクトに大きな疑念を抱いてたって報告もあるんや。
また、プロジェクトに直接関わってへん従業員の間では冗談の種になってたらしいわ。さらに悪いことに、2022年の初めにはアップルのテスト車両がジョギング中の人とぶつかりそうになる事故があったんや。
もう全てが失われたかに見えたけど、2023年の終わりに突然、アップルがようやく行動を整理し始めたように見えたんや。彼らは当初の野心を縮小することにしたんや。もう自動運転機能はなし、代わりに10万ドル以下の標準的な車を作ることになったんや。
つまり、アップルが計画してたことを大幅に縮小したってことやな。彼らは製品がどんなものかを再考してんで。情報筋によると、より低レベルの自動運転、つまりレベル2くらいのものを目指してるらしいわ。テスラの現在のオートパイロット機能に近いものやな。
結局のところ、自動運転は本当に本当に難しいってことが分かったんやな。100億ドル近く使って、プロジェクトは縮小されてしもたけど、最終的に何がプロジェクトを殺したんやろ?なんで失敗したんやろ?
今日のスポンサーからの一言聞いた後に、その答えを見つけていくで。
うまいこと車のインフォテインメントシステムでこんなことは起こらへんと思うけど、みんなスパムの電話やメッセージ、フィッシングメールを受け取ったことあるやろ?でも、なんでそんなことが起こるんか考えたことあるか?
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さて、エピソードに戻ろか。
これまで学んだことから、一つの疑問が浮かぶな。10年間の行ったり来たりの後、アップルがついにプロジェクトを殺したのはなんでやろか?
一つの理由として考えられるのは、DJコウンっていうハードウェア幹部の退社やな。彼は2024年1月にアップルを去ってリビアンに移ったんやけど、報告によると彼はプロジェクトの主要な推進者の一人やったらしいんや。彼の退社は大きな痛手やったかもしれへんな。
もう一つの理由は、自動運転が予想以上に難しかったってことやろな。
でも、一番よく引用される理由は、2024年2月27日にアップル社内で発表があったってことやな。プロジェクトの中止を発表したんやけど、重要なのは、スタッフがアップルのAI部門に移動されるってことやったんや。
プロジェクト・タイタンの多くの従業員が「機械学習やその他の取り組みをサポートする」ために移動されるらしいで。アップルが車から人工知能にフォーカスをシフトしたのは明らかやな。
「彼らはついにバンドエイドを剥がしたんや。これは良いお金を悪いところに使ってたってことが明らかになったんやろな。投資家はAIに全力を注ぐのを見たがってるんや。EVの取り組みについては、スタートと停止を繰り返す痛みを伴う期間を経てきたけど、もう壁に書かれてた文字は明らかやったんや。クックとフェデリギにとっては、AIに全力を注ぐのがスマートな動きやと思う。これは一歩前進で、この章を過去のものにするんや」
数週間前の私のビデオを見てたら知ってると思うけど、アップルはAI分野に参入するために舞台裏で懸命に働いてるんや。驚くほど多くのAI企業を買収してて、完璧なタイミングを待ってるだけなんや。
オープンAIによってAIのフラッドゲートが開かれた(ダジャレを意図してるで)という文脈で考えると、アップルが何かをせなあかんかったのは明らかやな。
明確な方向性と適切なリーダーシップの欠如で、アップルの車プロジェクトは失敗する運命やったみたいやな。アップルは最初から野心的すぎたんやろな。2015年に完全自動運転車を実現するのはほぼ不可能やし、2024年でもそれは変わらへんで。
この動画の最初に話したトニー・ファデルとスティーブ・ジョブズの会話を覚えてるか?車について話すたびに、ジョブズはその考えを面白がったけど、こう答えるのが典型的やったらしいで。
「結局のところ、いつもこうやったな。『忙しすぎるし、制約が多すぎる。できたらええけど、できへんな』って」
そして、それは今でもアップルにとって同じ状況みたいやな。進行中のプロジェクトがたくさんあって、多くの分野で進歩があるから、アップルは手一杯なんや。
過去にはテレビやカメラの計画もあったけど、それらも日の目を見ることはなかったんや。
100億ドルと10年を費やした後、アップルにとっては少なすぎるってことはないけど、確実に遅すぎたんやな。
でも、アップルが最後に笑うかもしれへんで。CNBCによると、アメリカの新車の98%にアップルカープレイが搭載されてるんやて。これを彼らは自動車産業のトロイの木馬って呼んでるんや。
ここまでやな。これがアップルカーの物語や。最後まで見てくれてありがとうな。私はダゴーや。コールドフュージョンをご覧いただきました。次回のエピソードでまたお会いしましょう。それじゃあな。

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