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サティア・ナデラ: 懐疑派の信頼を勝ち取る

9,919 文字

ブラッド・スミスです。ここは「ツールズ・アンド・ウェポンズ」です。
(穏やかで思慮深い音楽)
このポッドキャストでは、デジタル時代の約束と危険の交差点にいるリーダーたちとの会話を共有しています。社会の最大の課題に対する新しい解決策を探りながら、世界における技術の役割を探求していきます。
ちょっと休憩を取った後、シーズン2に戻ってきました。言うてみれば、前回の続きからやな。シーズン1の最終回で、カラ・スウィッシャーにインタビューしたのを覚えてはる人もおるかもしれません。今回も同じことをやってみようと思います。今回は、30年近く同僚やった人に、立場を逆にしてインタビューするんです。
「次の産業革命の段階はどうなるんやろか。これは世界全体のことやから、グローバルノースだけやなくて、みんなのことやな。それが目標やとしたら、どうやってそれを実現するんや?」
これはサティア・ナデラ、マイクロソフトの会長兼CEOです。
テクノロジー業界に詳しい人なら、サティアの紹介は要らんやろね。でも今回の会話では、サティアと私が座って、マイクロソフトのミッション、世界における役割、そして人々がテクノロジーを使ってより多くを達成できるようにするとはどういうことかを定義するために我々が開発した4つの柱について話し合います。
サティアは、インドの上級公務員の息子として育った経験が、多国籍企業が事業を展開する国々に対して負う責任についての彼の考え方をどのように形作ったかを語ります。そして、インフレの時代にソフトウェアがいかに最大のデフレ要因の1つになり得るか、言うてみれば「より少ないもので多くのことをする」ためのレバーになり得るかを語ります。
サティア・ナデラとの会話、「ツールズ・アンド・ウェポンズ」でお楽しみください。
(穏やかで思慮深い音楽続く)
サティア・ナデラさん、今日は来てくれてありがとうございます。
「ありがとうございます、ブラッド。このポッドキャストに参加できて光栄です」
サティアさん、最近書かれたものから始めたいんですが、私も大好きなことをやってはりましたね。歴史の話から始めはった。歴史は繰り返さへんけど、よく似たことが起こるって言いますやん。1975年の2つの雑誌の表紙のことを書いてはりましたね。それはどんなもんで、なぜあなたの心に響いたんですか?
「そうやな。おっしゃる通り、歴史は繰り返さへんけど、似たようなことが起こるんや。面白いことに、マイクロソフトが1975年に設立された頃に遡ってみると、今の時代と似たような状況やったんやな。
2つの雑誌の表紙やけど、1つは『ポピュラー・エレクトロニクス』の表紙で、これは有名な話やけど、うちの創業者がハーバード・スクウェアで見つけて、それがマイクロソフト設立のきっかけになったんや」
「もう1つの表紙は何やった?」
「『ポピュラー・エレクトロニクス』にはアルテアが載ってて、要はマイクロコンピューター時代の始まりを告げるもんやった。テクノロジーの歴史から見ると、あの時期にPCが避けられへんもんになるってはっきりしたんや。その後、大衆向け製品として本格的に普及するまでには10年ぐらいかかったけどな。
でも1975年の時点で、テクノロジー業界の人間やったら、その雑誌を読んで『ああ、世界が変わったな』って思ったはずや。面白いのは、同じ週に『ニューズウィーク』の表紙も出てて、そっちにはエネルギー危機やインフレ、当時の政治的な課題について書かれてたんや。
つまり、今起こってることと似てるんや。新しいテクノロジーが生まれてる。メタバースの混合現実やAI、量子コンピューターとか、毎日ブレークスルーがあって、業界を作り変えようとしてる。
でも同時に、おそらく最大の課題にも直面してる。エネルギー転換や、世界の生産性に関する根本的なマクロ経済の問題とか。今話してる時点で、世界のGDPは上がってへんで、下がってる。それに社会問題や地政学的な問題もあるしな。
だから私が考えたんは、もう片方の雑誌だけ読むんはアカンってことや。むしろ両方の雑誌を表紙から裏表紙まで読んで、2つを関連付けなあかん。言うてみれば、我々が熱狂してるこれらの技術の進歩を使って、世界で意味のあることをせなあかん。エネルギー転換や経済生産性の課題を解決したり、社会的・地政学的な緊張を和らげたりするためにな。
それが2022年のマイクロソフトにとってのインスピレーションやったんや」
(明るく思慮深い音楽)
「50年後の今、1970年代は経済的に厳しい10年やったんやな。忘れがちやけど、今リーダーシップの立場にある我々も、当時は若かったけど少しは覚えてる。
おっしゃる通り、世界は1970年代よりもっと複雑になってる気がするわ。今直面してるマクロ経済の課題を乗り越えるために、テクノロジーが最も貢献できるのは何やと思う?」
「そうやな、ブラッド。最近よく考えてるのは、現代の生活は150年から200年の科学的・工学的進歩の産物やってことや。
それが本当に技術の爆発的な進歩をもたらして、世界の経済生産に実際の影響を与えて、人々の生活の質を向上させたんや。それが産業革命がもたらしたことやな。で、『この課題をどうやって乗り越えるんや?』って考えると、新しい産業革命が必要やと思うんや。
そう考えてるんや。なぜかっていうと、人類が多くの制約を克服して、世界の大部分の人々の生活の質を向上させたのは、最後に産業革命があった時やからな。じゃあ、次の産業革命の段階はどうなるんやろか。これは世界全体のことやから、グローバルノースだけやなくて、みんなのことやな。
それが目標やとしたら、どうやってそれを実現するんや?私はソフトウェアに立ち返るんや。その理由は、今の大きな課題の1つが、生産性を上げるために現在のエネルギーシステムを超えていかなあかんってことやからな。つまり、より柔軟な資源が必要で、それはより多くのエネルギーを消費するんやなくて、むしろ世界をより効率的にして、エネルギー転換を助けるもんでなきゃアカン。
そういう文脈で考えると、ソフトウェアが本当の答えやと思うんや。例えば、工場をデジタルツインを作ることで、無駄を減らし、水の使用量を減らし、電力使用量を減らしてより効率的にする。そういうことがソフトウェアツールでできるんや。もう1つの例やけど、
エネルギー転換の呼びかけは、200年かかった化学の進歩を25年ぐらいに圧縮しようってことやって最近気づいたんや。それが必要なら、計算化学を超加速せなアカンってことやな。そういうものを世界にもたらして、我々の社会や経済、地球が直面してる本当の制約を抑えるのを助けられると思ってるんや」
「今の時代の興味深いところは、アメリカやヨーロッパで1970年代以来誰も経験したことがないようなインフレへの懸念が話題になってることやな。あなたは、インフレの時代にテクノロジーがそれを是正する助けになると言うてきた。インフレ経済におけるデフレ要因やと。それはどういう意味なん?」
「そうやな、今実際に起こってることを考えてみてな。パブリッククラウドを例に取ろか。クラウドインフラは、計算の単位当たりの出力が、これまでのどの計算時代よりも大きいんや。それが1つやな。だから、計算とその利用の文脈ではデフレ要因になるんや。
次に問題になるのは、計算がどこで使われるかやな。計算は自動化に使われて、人や労働の生産性を高める。そうやとすると、2つのことが起こるんや。1つは、デジタル技術のより効率的な利用と提供で、一方で資本効率が上がる。
もう1つは、労働効率や労働生産性が向上する。だから私は、テクノロジーが今起こってるインフレと戦う上で根本的にデフレの力を持ってると思うんや。エネルギーの話に戻ると、エネルギー価格が上がって、計算の消費量も上がってるんやったら、計算の効率的なフロンティアに乗るのが一番ええんや。
そういうわけで、世界中の経済、特に今のヨーロッパでパブリッククラウドとその利用が非常に重要になると思うんや」
「もう1つ興味深いのは、一方では突然の一時的な現象のように感じるインフレに対処してるけど、他方では、マイクロソフト内部でデータを見てると、グローバルノースの人口動態が変曲点に達してるってことやな。
働き手の人口がもう増えへんようになってる。実際、G7の4カ国では減少する見込みで、これは今世紀の残りの期間続くんや。だから、頼れる人が少なくなるんやから、より多くのテクノロジーが必要で、それをより効果的に活用する方法を見つけなあかんってことやな」
「そのとおりや。実際、そういう理由でスキルアップがさらに重要になるんや。例えば、高齢化する人口に新しいスキルを教えるってどういうことなんやろ?現実には、人々は以前よりもずっと長く労働力として参加することになるけど、参加するのに必要なスキルは急速に変化してるからな。
面白い例があってな、最近イギリスに行った時に、空港の運営を管理してる人たちのグループに会ったんや。その中に、今はPower Platformの認定アプリ作成者になった消防士がおってな。彼は、Power Platformの訓練を受けた別の人が家に帰って孫にPower Appを作ったのを見せたって話をしてくれたんや。
その人は家に帰って、孫たちに自分がアプリを作ったのを見せたら、孫たちは祖父がアプリを作れるなんて信じられへんかったらしい。でもそれが新しいスキルアップの形やな。みんながコンピューターサイエンスの学位を取らなあかんってわけやない。それが我々が理解せなあかん根本的なことの1つやと思うんや。全人口、全労働力が参加できるようにデジタルスキルを教える方法があるんや。
それはグローバルノースだけやなくて、世界中で非常に必要になると思うんや」
(活気のある打楽器の音楽)
「サティアさん、8年前に初めて密接に一緒に仕事し始めた時に面白いと思ったのは、政府の人々が世界や民間セクターをどう見てるかについて、ほとんど直感的に理解してはったことやな。単にインドという世界の別の場所で育っただけやなく、インドの上級公務員の息子として育ったからやと思うんやけど。
お父さんがあなたの世界の見方に与えた影響について少し話してもらえますか?」
「そうやな、ブラッド。インドで育って、おっしゃるように公務員の息子やったから、正直言うて、多国籍企業に対して少し懐疑的な気持ちを持って育ったんや。考えてみてや、結局インドはインドが東インド会社という多国籍企業に植民地化されたわけやからな。それは国全体の心理に大きく影響してる。
公務員として、基本的に企業や民間企業に対して懐疑的になるように訓練されてるんや。彼らがあなたや国のために何をしてるか、あるいは何もしてへんかもしれへんってな。だから私はいつも、今の世界では、世界中でビジネスをする許可を得る唯一の方法は、こういう懐疑的な人々の目を見て、地域にサープラスを生み出してるってことを証明することやと感じてたんや。
2022年の今、例えばマイクロソフトが世界のどこかでビジネスをする許可を得るには、地元の政治家や役人、そして地域社会全体に対して、我々が地元の中小企業の生産性を向上させてる、我々が提供したインプットのおかげでその地域の多国籍企業がグローバルに競争力を持つようになった、公共部門がより効率的になった、我々が助けたおかげで健康状態が改善した、あるいは教育や技能の成果が上がってるってことを根本的に証明できなあかんと思うんや。
それが私が求めてるもんや。アメリカのどこかの地域に行こうが、アトランタに行ってアトランタ市長に会う必要があろうが、そういうデータを全部見て、定量的に証明できることを確認せなアカン。イスタンブールやローマに行っても同じ公式やな。マイクロソフトが多国籍企業として基本的に事業を行う能力、責任と言ってもええと思うけど、それは我々が事業を展開するあらゆる国や地域で地域のサープラスを生み出すことやと思うんや」
「基本的に、会社の中で結集の合言葉を作ったわけやな。『我々自身よりも他の人々のために、より多くの利益を生み出す必要がある』って言うてるようなもんやな」
「そのとおりや。実際、それが長期的に自分自身の利益を生み出す唯一の方法やと思うんや。私は資本主義社会における民間企業の役割を、まず競争力を持つこと、そして最終的に自分の利益につながるように、周りにサープラスを生み出すことやと解釈してる。
そうせんと、自分だけが非常に利益を上げてて、周りに触れるものが本当に利益を生んでへんのやったら、それは安定した状況やないからな。数年は問題なくやれるかもしれへんけど、長期的に見て、どこでもビジネスをする許可なんか得られへんやろ?」
「テクノロジー業界の面白いところは、イノベーションがたくさんあるだけやなくて、製品やサービスの多様性、さらにはビジネスモデルの多様性があることやな。テクノロジー業界のビジネスモデルの側面についてどう考えてはる?」
「ええ質問やな。今起こってることの1つは、人々が単に『ああ、それはビッグテックや』って言うことやな。でも、もっと深く考える必要があると思うんや。実際、特に世界中の政策立案者がデジタル技術の性質をどれだけ洗練された方法で研究し、どのように政策や技術の使用について考えるかが、国や地域がどうなるかを決めると思うんや。
ダートマス大学の経済学者が産業革命と技術の普及の縦断的研究をしたんやけど、その結論は、新しい技術を輸入して、それを集中的に使ってさらに技術を生み出した国々が前進したってことやった。
新しい技術を輸入せず、集中的に使ってさらに技術を生み出す方法を見つけなかった国々は取り残されたんや。今の世界にその比喩を当てはめると、デジタル技術には2つの使い方があると思うんや。1つは生産要素としてや。つまり、この技術を使ってさらに技術を生産するってことや。
パブリッククラウドはその良い例やな。クラウドインフラは何かを作り出すために使わんと意味がない。生産性、効率性、新しいソフトウェア製品、何でもええけどな。でも基本的には、エネルギー源みたいなもんや。世界の生産のためのインプットやと考えてるんや。
だから、マイクロソフトが根本的にやってることの多くは、スタートアップの生産性ソフトウェア、コミュニケーションソフトウェア、クラウドインフラ、これら全てがデータベースやな。これらは全て次のエネルギー企業がより効率的になったり、小売企業がより多くのことをしたりするためのインプットや。公共部門がより効率的になるのもそうや。
それが生産要素や。デジタル技術がますます果たしてるもう1つの役割は、主に流通要素としてや。つまり、マーケットプレイスのことやな。アプリストアやサーチエンジン、ソーシャルメディアサイトがやってることを考えてみてや。それは全て需要と供給を結びつけることができる、あるいはeコマースやな。
それも経済の中で役割を果たすんや。結局のところ、需要と供給を効率的につなぐことやからな。でも私が思うのは、本当にバランスを取らなあかんってことや。経済全体が根本的にデジタル企業によって動かされてて、それらが高い利益を上げてる、あるいはこれら全ての仲介者だけじゃ健全やない。
だから、生産要素の企業はどこにあるんや?それらがどのように使われて全体的な経済生産を推進してるんや?そして単なるマーケットプレイスの人々は?そういう区別を理解して、各国の政策がどのようにしてその国でより多くのデジタル生産を生み出すのを助けるかを考えることが、これから先すごく重要になると思うんや」
(穏やかで思慮深い音楽)
「約1ヶ月前に年次株主レターを出したけど、そこでは責任感だけやなくて、我々のミッションステートメントの下で懸命に開発してきた4つの柱、包括的な成長、信頼、基本的権利、持続可能性に非常に焦点を当ててたな。
これらの柱が、地球上のすべての組織と個人がより多くを達成できるようにするという我々の全体的なミッションステートメントにどのようにつながると考えてはる?」
「そうやな、まさにそのとおりや。実際、私が好きな企業の目的の定義の1つは、オックスフォード大学の経済学者コリン・メイヤーのもんで、彼は企業の社会的目的は人と地球の課題に対する解決策を生み出すことやって言うてる。
究極的には、そこには補完的な側面があるんや。つまり、利益を上げる企業でなきゃアカン。そうやないなら、店を畳んで株主にお金を返すべきや。でも結局のところ、あなたのコアビジネスモデル、コア業務は、人と地球の課題の1つに対する解決策を生み出すものでなきゃアカンのや。
そういう文脈で、地球上のすべての個人とすべての組織がより多くを達成できるようにするという我々のミッションは、根本的にはデジタル技術をインプットとして使って世界中で経済成長を促進することやな。会話の最初に言うたように、2%も成長してへん世界で最も必要なのは本当の経済成長や。
私の希望は、GDPに占めるデジタル技術の割合が上がるだけやなく、その上昇が全体のパイの成長につながることや。それがマイクロソフトが持つ中核的な責任やと思うんや。つまり、我々が参加するどの国のどの産業でも、その産業がどのように良くなり、より効率的になり、より生産的になるかってことや。でもそう言うても、この経済成長が例えば地球と一致してることを確認するのも我々の責任やな。
次の経済成長の段階が根本的にエネルギー転換の助けにならんのやったらアカンのや。むしろ、エネルギー面を加速せなアカン。また、より公平な成長を生み出す必要もあるな。実際、私の夢は、どの労働力でも、知識労働者の賃金だけやなく、第一線の労働者の賃金も生産性のおかげで上がることや。
グローバルノースもサウスも本当に成長できて、すべての国が参加できるようになることやな。だから、より公平な経済成長を、産業全体で。西海岸や中国の東海岸だけやなく、世界のあらゆる地域についてや。そして、テクノロジーへの信頼も必要や。
テクノロジーが普及してて、それが壊れるなんてことはあってはアカン。これらが我々が考える中核的な柱や。これらを外部的なもの、あるいはESGについて考える時に取り組むものとして考えんでくれ。より根本的なビジネスモデルが世界の経済成長だけやなく、地球と一致し、より多くの信頼、より公平な成長を生み出す必要があるんや。
少なくとも我々はそう考えてるんや」
「最後に1つの側面について締めくくりたいんやけど。どの企業も自分自身について人々に話したがるもんや。たぶん人間の本性の一部やろうな。世界を見る方法やと思う。でも人生のすべてが良いニュースってわけやないし、すべてが称賛に値するわけでもない。
信頼について考える時、私はよくロナルド・レーガンの『信頼するが検証せよ』っていう言葉を思い出すんや。人々は自分自身を見つめるためのデータを持つ必要がある。あなたが推し進めてきたこと、我々が長年様々な場面で一緒に取り組んできたことの1つは、より多くの透明性を推し進めることやった。
最近も多様性と包摂性のレポートでそうしたな。たぶん、性別による賃金格差のデータを提供した最初か2番目の企業になったと思う。そしてそれについて話した。『これは我々がなりたい姿にはなってへんってことを示すけど、それでも公開しよう』って言うたんや。
あなたはこれについて哲学を持ってる。それを教えてくれへんか」
「そうやな、いくつかあるんやけど。1つは、さっきの話に戻るけど、長期的に我々企業がビジネスをする許可を得られることをどうやって確保するかってことや。あらゆる面での影響を示せる必要があるんや。だから、我々の事業とその炭素排出量について、エネルギー転換に関する我々のコミットメントを示して、毎年それを追跡して監査済みのレポートを公開し、他の人も読めるようにする。それが重要になるんや。
データや指標、説明責任がなければ、進歩は作れへんと思うんや。多様性についても同じことが言えるな。私にとって、信頼が時間をかけた一貫性のことやと信じてるなら、その一貫性を作り出す1つの方法は、ビジネスの中核的な業務についてデータを透明にすることやと思うんや。
つまり、自分が何について主張してるかってことは、検査できるものでなきゃアカンのや。だから私にとって、それを取り上げて我々の事業のあらゆる側面に持ち込むことが非常に重要やと思うんや」
「これを全部まとめると、あなたはCEOとして8年半やってきたわけやな。私を含め多くの人が、まだかなりの年数が ahead やと望んでる。でもあなたの任期はもう十分長いから、上級リーダーシップチームの我々と将来のために何を築いてるかについて話すことができる。
我々の誰もがマイクロソフトのような会社を、言うてみれば1世代、30年より短いけど、リードする機会を持ってる。あなたには以前からあったものを受け継いで、次に来る人のために何かを築く機会があるんや。
それについてどう考えてはる?今日我々は何を築いてるんやろ?2030年代のこの会社のリーダーたちに何を与えたいと思ってる?」
「ええ質問やな。ビジネスにおける長寿命って何を意味するんやろか?って考えることが多いんや。誰かが『うちは100年の歴史がある会社や』『200年の歴史がある会社や』って言うけど、それは何を意味するんやろ?そういうのはどこから来るんやろ?そもそもそれは当然のことなんやろうか?私はそれが広い世界との社会契約から来てると思うんや。つまり、実際に人と地球の課題を解決することに関連してるかどうかってことや。
だから、20年後、30年後、50年後のマイクロソフトがどうあるべきかを考える時、それは社会的に関連性があるってことやな。テクノロジーは来たり去ったりするけど、世界がうまくいくことと一致した目的意識とコアビジネスモデルを持つ必要があるんや。
我々が上手くいくのは、我々の周りの世界が上手くいく時やべきやな。そしてそれを実現するには、自分自身を再発明できる文化が必要や。我々が話した全てのこと、私が大好きなテクノロジーも、5年後には無関係になるかもしれへん。世界は変わるからな。でも次の経営陣がここに座って、『ああ、そうや。我々は自分たちを再発明する方法を知ってるんや。今日の我々のドグマに縛られへんのや』って言える能力が必要やな。
技術のドグマであれ、世界が我々をどう見てるか、我々のコア業務にアプローチする責任であれな。だから、我々が本当の目的意識を持った学習する組織で、その目的意識が我々の周りの世界がうまくいくことと一致してる限り、我々は素晴らしいものになると思うんや。
実際、マイクロソフトを含むどの企業も、そういうことをしてる間だけ存在すべきやと主張したいぐらいや。そういうことをしなくなった日には、存続する理由はないんや」
「市場経済の性質上、企業が存在する価値がなくなれば、おそらく存在しなくなるやろな」
「その通りや」
「つまり、それが資本主義やな。さあ、サティアさん、ありがとう。私に立場を逆転させてくれたな。マイクを切って、仕事に戻って、今度はあなたが私に立場を逆転させてくれるやろ」
「いや、こちらこそありがとう、ブラッド。本当に楽しかったよ」
(穏やかで思慮深い音楽)
ブラッド・スミスのホストする「ツールズ・アンド・ウェポンズ」をお聴きいただきました。
今日の番組を楽しんでいただけたなら、お好きなプラットフォームでフォローしてください。エグゼクティブ・プロデューサーはキャロル・アン・ブラウンとアーロン・ティースです。この「ツールズ・アンド・ウェポンズ」のエピソードは、コリーナ・ヘルナンデスとジョーダン・ロスラインが製作しました。このポッドキャストは、ジェニー・カタルドが編集・ミキシングを担当し、RUNスタジオのサム・カークパトリックが製作支援を行いました。
オリジナル音楽はAngular Wave Researchによるものです。「ツールズ・アンド・ウェポンズ」は、Listenと提携してマイクロソフトが制作しています。

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