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「シミュレーションできるなら、解決できる!」― なぜみんながシンギュラリティとLEVを過小評価してるんか

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どないもうとったん。ワイはまだ「デイブ、10年か20年以内に長寿逃避速度、無期限寿命、あるいはXYZが実現すると思うか?」みたいな質問を受けるんや。時には「自分の生きてる間にそんなことが起こるなんて考えられへん」言うてくる人もおるんやけどな。
ほとんどの人が指数関数的成長を理解してへんのが問題なんや。我々がどこに向かってるんかを本当に理解するためには、データを信頼せなアカン。そして、我々にはデータがあるんや。
この図表だけで、将来の予測の99%は基本的にできるんや。これがワイがある程度正確な予測ができてる理由なんや。データがあるんやから、データを信用せなアカンのや。
これは120年間のムーアの法則の図やねん。ムーアの法則を知らん人のために説明すると、基本的に計算能力が一定期間で倍増するというもんや。1900年の機械式計算機から始まって、機械式の時代、続いて電気機械式のリレー、真空管、トランジスタ、集積回路、そして今は深層学習の時代や。
このトレンドは続いてるだけやなく、大きく見ると少し加速してるんや。最終的には、レイ・カーツワイルが言うてる「シンギュラリティ」に到達する。2044年か2045年頃やな。その頃には、普通のコンピューターの計算能力が人類全体の能力を超えるんや。
収穫逓減の法則が働いて、この曲線が逆転してS字カーブになる可能性もあるけど、ランダウア限界にはまだまだ遠いんや。ランダウア限界っちゅうんは、物理的に可能な計算の最大効率のことや。我々は今、ランダウア限界の100万倍か1000万倍も非効率やねん。
人間の脳はコンピューターより10倍か100倍効率がええんや。計算あたりのフロップス(浮動小数点演算)とか、ワットあたりのフロップスとかでな。つまり、人間の脳の方がランダウア限界に近いってことや。でもコンピューターはまだランダウア限界から何桁も上やねん。
ほんで、なんでワイがこれ見て2045年までに老化は解決されると思うんかっちゅうと、ワイの頭の中での計算はこうや。「シミュレーションできるなら、解決できる」っちゅうのがモットーなんや。
もしコンピューターシミュレーションで答えが出せるもんやったら、2045年までには全部解決済みやってことや。生物学を見てみい。AlphaFoldとかAlphaProteinとかあるやろ。化学反応のシミュレーションとか、タンパク質合成のシミュレーションとか、病気のシミュレーションができるんやったら、2045年までには解決済みや。
材料科学も同じや。つまりバッテリーとかそういうもんもな。
ほんじゃ、高度な物理学はどうなんやろって思うかもしれんな。基礎物理学とか高エネルギー物理学は必ずしもシミュレーションできへんかもしれん。でも化学は物理学の上位層にある概念や。化学は物理学から生まれた性質やからな。
化学は物理学ができることの一部分やねん。我々はすでに原子を見ることができるし、分子も見れる。原子がどうやってくっつくかも正確に見れるんや。そのシステムの基本的な部分は全部持ってる。計算能力が上がれば、十分な精度でシミュレーションできるんや。
分子研究を力づくでやるだけでもええんやけど、量子コンピューティングも開発中やしな。今のところ量子コンピューティングはあんまり影響与えてへんけど、生物学を解決するのに量子コンピューティングが必要ないかもしれん。深層学習で十分かもしれんのや。
「デイブ、1個の分子をシミュレーションするのと、体の中の何百兆もの分子の相互作用をシミュレーションするのは全然違うやろ」って思うかもしれんな。
せやけど、代謝経路を抽出することもできるんや。人体には約40万の代謝経路があるんやけど、確かに多いけど手に負えんほどやないんや。何百兆もの代謝経路があるわけやないからな。
その40万の代謝経路のモデルを作って、お互いにどう影響し合うかをマッピングする。メチル化が遺伝子発現にどう影響するかもマッピングする。それらを全部まとめたら、人体全体をシミュレーションできるんや。不可能やないんや。今はまだそれだけの計算能力がないだけやねん。
ワイが言いたいのは、「自分の生きてる間には起こらへん」って言う人がおるけど、ちょっと立ち止まって考えてみい。人間の脳は直感的に指数関数を理解できへんのや。
そして、もし何かあるとしたら、この指数関数はゆっくりと加速してるように見えるんや。
データを重視する世界の見方として、これは非常に重要やと思うたから共有したかってんや。
最後に一つ引用を。たぶんレイ・カーツワイルの言葉やと思うんやけど、1999年か2000年か2001年頃、ヒトゲノムプロジェクトをやってた時のことや。
手作業でマッピングしてて、すごくゆっくりしか進まへんかってん。「ヒトゲノムの1%しかマッピングできてへん」って言うてた時に、レイが「ほな、半分終わったな」って言うたんや。なんでかって?だって指数関数を理解してるからや。
最初の0.001%が一番難しいんや。次の0.1%はちょっと楽になる。次の1%はもっと楽になる。そんな感じでどんどん進んでいくんや。良い循環が生まれて、雪だるま効果が起こるんや。
同じような雪だるま効果がここでも起こってるんや。基本的なところを見たら...あ、そうそう、AlphaChipのこと忘れてた。AlphaChipって聞いたことあるか?Google DeepMindがAIを使ってもっとええチップを作ってるんや。
これで良い循環が生まれて、複利効果みたいなもんが起こるんや。AIが他の全てのもんを改善して、自分自身も改善していくんや。そして、基礎となるハードウェアも改善される。ハードウェアとソフトウェアが相互に改善し合う関係ができるんや。
だから2045年までには全部解決するんや。そういう意味でシンギュラリティって呼ばれてるんや。それ以降は、少なくとも計算の観点からは、シミュレーションできるもんは全て解決できるってことになるんや。
化学は基礎物理学よりシミュレーションしやすいから、シンギュラリティに到達するずっと前に化学は解決されるやろな。
あと、シンギュラリティを信じへん人にも混乱するんや。だってデータがここにあるやん。この傾向が続くって言うだけでええんや。今まで12の10年間続いてきたんやから、あと2つの10年間続くだけでええんや。そしたら全部終わりや。以上、終了!って感じや。
ごちゃごちゃした話になってもうたけど、みんな、頼むわ。データを見てくれ。ここにあるやん。120年分や。4世代か5世代か6世代分の人間の歴史やで。
ワイは1986年生まれやから、この数十年しか見てへんのや。ほとんど4つの10年しか見てへん。今生きてる人で最初からおった人はおらへんけど、祖父母とか曾祖父母とか、サイレント世代の人らに聞いてみい。まだ全部リレーベースやった頃に生まれた人らや。
彼らは計算能力のパラダイムシフトを何度も経験してきたんや。でも、電気技師やなかった人がほとんどやから、あんまり気づかんかったんやろな。もちろん、おむつしてる時から電気技師やった人はおらへんけどな。
ほんじゃ、今日はこれくらいにしとこか。見てくれてありがとう。じゃあな!

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