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4カ月で技術士筆記試験(衛生工学)を通過した話(第3回/全12回)
氷河期世代。なんの取り柄もないので手に職をつけようと重機オペレーターになった男が数年後、なぜか技術士二次試験の筆記試験を通過したノウハウを公開します。再現論文の販売、論文添削も受けつけています。
衛生工学部門の有料講座はつかえない?
※一部客観的事実に基づかない批判的な内容が含まれています
1.私は筆記試験を独学で通過しました
令和6年、私は独学で技術士二次試験の筆記試験を通過しました。
独学で挑んだ理由はいろいろあります。最も大きな理由は初受験はお試し受験のつもりで挑んだら、通っちゃったからです。
2.合格請負講座のウワサ
初受験する半年前、私は社長に呼びだされました。
私が席に着くと社長はこう言いました。
「最近コンサル会社を訪ねると、若い技術士が多いんだよ。試験は難しいと思っていたけれど、合格請負講座を受けると若いのでも一発らしいね。20万円くらいで、裏で答えを教えてもらえるんだってさ」
こんな話は技術士をめざしているあなたが聞いたら噴飯ものでしょう。しかし当時の私はよくわからないので黙って聞いていました。
「その合格講座もたくさん種類があるみたいなんだ。そこできみ、吟味してどこがつかえる講座が調査してよ。身内から技術士が出てくれたらうれしいけど安い金じゃないからね。厳選したいんだ。逆につかえる講座なら割高だってかまわない。きみは勉強は得意だろ。急ぎやしないからひとつ頼んだよ」
こんな経緯で私は有料講座の調査を始めることになりました。
その一環で、技術士二次試験の空気感をつかむため、私は受験を申し込みをすることにしました。費用は当然会社持ちです。
3.衛生工学部門は有料講座がない
調査をはじめてすぐにわかったのは、有料講座は答えを教えるようなものではないということでした。これはあなたもご存じの通りです。そしてメジャー部門である建設・上下水道以外はそもそも講座がないということでした。我が衛生工学部門もおなじです。
それどころか模範解答も見つかりません。ネットを漁って、ブログ、note、5ちゃんねる、探しまわってもどこにもない。たまに合格体験記は見つかりますが、ほとんどが10年以上もむかしのもので、参考にするにはあまりにも古い。とても「答えが出回っていてこっそり教えてくれる」ような状況ではありません。
私は途方にくれました。これは衛生工学に限らず、ほかの部門でも状況はおなじだと思います。それでもなんとか有料講座を2つ見つけました。
有料講座①新技術開発センター
伝統のある会社ですね。そのためかHPが見た目に古いです。読みにくいHPを掘り進めると衛生工学部門のページがあり、専門の講師が在籍しているようです。ただHPが古いので講師も古そうに感じます。正直、何十年も前に合格したひとに指導されるのは気が進みません。次に行くことにします。
有料講座②技術士試験合格講座
ここは添削の内容を一部公開しています。情報に飢えていた私はとびつきました。初めのうちは無料で見られる部分をむさぼるように読みました。初めのうちは、です。
読んでいくうちにどうも合わないことがわかってきました。ひとつの解答論文を添削し、生徒が書き直して提出したものをまた添削し、それを何度も繰り返して内容を練り上げる指導方針のようです。こんな隙のない論文を本番で書くなんて、私にはムリです。ここもあきらめました。
4.そして独学の道へ
ようやく見つけた講座は2つとも実績がある優良な講座なのでしょう。ただ残念ながらどちらも私の肌に合わないと感じました。そこで令和6年は独学で挑むことに決めました。まちがいなく落第するだろうけど自分の全力で受験すれば反省点が見つかるはずです。そのうえで次年は建設部門でいいからどこか有料講座を受けよう。どうせお金は会社がだしてくれるんだし、という気持ちでした。
3月から勉強をはじめて本番までの4カ月、孤独な私の拠り所となったのはX(旧Twitter)でした。同じ年に試験に挑むひとたちの勉強報告やアドバイスなどを見聞きして、この時期は会社の同僚よりもネットの仲間のほうに強いシンパシーを感じていました。
ただしここでも衛生工学の受験生は見つかりませんでした。独学の道は文字通り孤独です。
いま私がnote を書いているのも、同じように孤独を感じているひとの役に立てればという動機で始めています。